中殿筋

下半身

中殿筋は、片脚立ちの安定を担うお尻の横

位置

大殿筋の深層から上外側に広がる扇形の筋肉で、腸骨の外側面(OpenStax の教科書)から太ももの骨の出っ張り(大転子)に付き、前部・中部・後部に分かれます。E3 Rehab は、股関節を開く筋のなかで断面積のおよそ6割を占め、前部は股関節を曲げて内へひねる補助的な働き、後部は伸ばして外へひねる働きも持つと説明します。腰骨の下、ズボンのポケットのあたりに手を当てて片脚立ちすると硬くなります。

はたらき

脚を横に開く働きと、片脚立ちのとき骨盤を水平に保つ働きが中心で、Physiotutors は、歩行で足が地面についている間に活動が最も高くなると説明します。股関節を開く力の弱さは、膝のお皿まわりの痛みとの関連が指摘され、膝が内へ入る動きにつながりうる、とも話します。ただし E3 Rehab は、1つの筋の強弱が不調のすべての原因になることはまれだと注意します。

鍛え方

横向きの脚上げなど直接開く種目は、10〜20回を3〜4セットが目安(E3 Rehab)。筋電図では、台に片脚で立って反対の脚を下ろす、骨盤を落とすヒップヒッチが全部位で高い活動でした(Moore ら、56研究の統合)。推定した筋力では、自重のサイドプランクと、12回でぎりぎりの重さの片脚スクワット・片脚ルーマニアンデッドリフトが上位でした(Collings ら、女子サッカー選手14人)。

ストレッチ

仰向けで片膝を反対側の床へ倒し、お尻の横から外ももを伸ばします。30秒を左右2回。硬いと股関節の外側が張って歩幅が狭くなり、長く歩いたときの膝の外側の違和感にもつながります。

出典

  1. 論文・英語 Moore D, Semciw AI, Pizzari T(2020) A Systematic Review and Meta-Analysis of Common Therapeutic Exercises That Generate Highest Muscle Activity in the Gluteus Medius and Gluteus Minimus Segments
  2. 論文・英語 Collings TJ, et al.(2023) Gluteal Muscle Forces during Hip-Focused Injury Prevention and Rehabilitation Exercises
  3. 資料・英語 OpenStax 11.6 Appendicular Muscles of the Pelvic Girdle and Lower Limbs - Anatomy and Physiology 2e
  4. 動画・英語 Physiotutors Top 5 Gluteus Medius Exercises
  5. 動画・英語 E3 Rehab How To Train Your Gluteus Medius (Best Strengthening Exercises | Myth Busting | Mistakes To Avoid)

解説動画: ブルガリアンスクワットでお尻の横を鍛える/新・バズーカ岡田チャンネル【岡田隆】

なぜ片足で行うのか: お尻の横は足を揃えたスクワットでは鍛えにくい部位でありながら、安定して歩くためやスポーツで横の動きに耐えるためにとても重要だと説明する。片足で行うブルガリアンスクワットは自宅でも足に十分な負荷をかけられ、その中殿筋にも効いてくるため、ジムでスクワットをしている人にも勧めている。

椅子を使ったセットアップ: 椅子に浅く腰かけ、片足を前に伸ばしてかかとを着いた位置が、立ち上がったときに前足を置く位置の目安になる。つま先は真っすぐに向ける。後ろ足はつま先を立てて甲を椅子にかけ、後ろ足の力で補助せず前足だけで立つ。椅子だと甲が痛いので座布団などを敷く工夫をする。

しゃがむ方向: しゃがむのは真下ではなく斜め後ろ・斜め下にお尻を引く方向で、戻りは斜め上。膝が前に出てスネが前に倒れると太ももの前ばかりに効いてしまう。足の付け根に手を置き、その手のひらが潰されていくように動作すると、お尻に強いストレッチがかかるのが感じられる。

足裏のどこに体重を乗せるか: かかと、母指球、小指球の3点を意識する。かかとに最も強い圧がかかる状態を作ると体重が後ろに乗り、お尻に負荷が入る。母指球や小指球に体重をかけると膝が前へ出て大腿四頭筋のトレーニングになり、膝も痛めやすくなる。全体に効かせたいときは3点に均等に乗せる。

負荷と回数: まずは無加重で十分で、2〜3秒かけて下ろし2〜3秒かけて上げるだけでかなりきついという。足りなければ両手か片側だけにダンベルを持って負荷を上げる。回数は決めず、お尻が熱くなって動かなくなるところまでを3セット。椅子がない場合はリバースランジでも近い動きができる。