上腕二頭筋
腕
上腕二頭筋は、力こぶをつくる腕の前面の代表
位置
肩甲骨から長頭・短頭という二つの頭で起こり、肘を越えて前腕の橈骨へ付きます。長頭は肩甲骨の関節上結節から長い腱で起こります。力こぶとして盛り上がる、腕の前面の表層がこの筋肉です。長頭が外側、短頭が内側を走り、肩と肘の二つの関節をまたぐ二関節筋である点が大きな特徴です。二つの頭は上腕の中ほどで一つの筋腹にまとまり、肘の前で一本の腱になります。
はたらき
肘を曲げる屈曲と、手のひらを上へ返す回外に働きます。手のひらを上に向けた状態で最も強く、手の甲を上にすると出力が落ちます。Jeff Nippard は、バーベルカールでは肘が90度前後の位置で張りがもっとも強く、伸び切った位置では張りがほぼゼロになると説明している。長頭は肩の関節でも腕を前へ振り上げる動きを補助します。引く種目のほぼすべてで補助として動員されるため、背中を鍛えた日にも疲労します。拮抗は上腕三頭筋です。
鍛え方
バーベルカールやダンベルカールを8〜12回×3セット。肘を体側に固定し、反動で上体を振らず手首をまっすぐ保つのが基本です。台に肘を乗せるプリーチャーカールは、Zabaleta-Korta らの研究で、運動習慣のある女性32人を9週間追った結果、肘寄りの厚みが増えた(インクラインは増えず)と報告されています。ただし超音波では上腕筋との区別が難しい部分もあったため、経験者にそのまま当てはまるかは分かりません。
ストレッチ
壁に手のひらをつけ、指を後ろへ向けたまま体を反対側へひねると腕の前面が伸びます。Jeff Nippard は、両方の頭が肩の関節もまたぐため、腕を体の後ろへ引くと二つとも伸ばされると説明している。20〜30秒ずつ左右。肘や肩の前に鋭い痛みが出る場合は腱の炎症のことがあるため無理をせず、症状が続くようなら医療者に相談してください。
出典
- 論文・英語 Zabaleta-Korta A ほか(2023) Regional Hypertrophy: The Effect of Exercises at Long and Short Muscle Lengths in Recreationally Trained Women
- 資料・英語 Peter de Souza(AnatomyZone)(2020) Biceps Brachii – Long Head
- 動画・英語 Jeff Nippard(YouTube) The Best And Worst Biceps Exercises
解説動画: ダンベルカール7種の違いと使い分け/VALX 山本義徳 筋トレ大学
概要: バーベルカールと違いダンベルは前腕をひねれるため、上げながら手首を外に返す回外を組み合わせると上腕二頭筋を最後まで収縮させられる。この回外を使えるかどうかがダンベルカールの利点。立って行う基本形からベンチを使う応用まで、狙いの異なる型を順に実演して比較していく内容になっている。
交互に上げる二つのやり方: 片方を下ろしながらもう片方を上げる本来の交互法は休む局面がなくかなりきつい。一方、一般に行われている片腕を全部終えてからもう片腕という方法は、1回ごとに休みが入るぶん高重量を扱えるが筋肥大の点では劣る。ボディビルダーが使う片腕5回ずつ交代する型もあり、短いセットを何度も回す形になる。
体を入れ込むのは意味がない: 片手ずつ行うと上半身が動きやすい。体をダンベル側に倒すと収縮した感覚は出るが、自分の体を動かしているだけで負荷はかかっていない。片手ずつやれることをダンベルカールの利点だと考える人もいるが、この使い方では全く意味がないと明確に否定している。
ハンマーカールで狙いが変わる: 親指を上に向けたまま上げるハンマーカールでは回外しないため、上腕二頭筋は完全収縮しない。代わりに深いところにある上腕筋や前腕が働くので、二頭ではなくそちらを鍛えたいときに選ぶ。ハンマーカールも片腕ずつ、5回ずつ交代など同じバリエーションで組める。
ベンチを使う型の使い分け: 座って行うと体幹が使えず反動も入らないぶんきつくなる。ベンチを45度に起こしたインクラインカールは二頭がストレッチされた状態から始まるため筋肥大に効果的だが、きつくなると肘が前に出て負荷が抜けるので上腕は垂直に保つ。内ももに肘を固定するコンセントレーションカールは逆に収縮位置で負荷が乗り、親指を上にすればピークを作る長頭外側を狙える。