三角筋後部

上半身(背面)

三角筋後部は、姿勢を左右する肩の後ろ側の輪郭

位置

三角筋後部は、肩甲骨の肩甲棘の下縁から起こり、肩の後ろ側をおおって上腕骨の外側(三角筋粗面)へ付きます。横から見た肩の輪郭のうち、後ろ半分をつくる部分です。AnatomyZone(解剖の教育動画)も、後部の線維は肩甲棘の下縁から起こると説明しています。今古賀翔(トレーニング科学)は、腕を後ろへ引いたとき反対の手で触ると盛り上がると話しています。

はたらき

腕を後ろへ引く伸展、外へひねる外旋、真横へ開く水平外転に働きます。AnatomyZone(解剖の教育動画)は、後部の線維が肩を伸展させて外旋させ、僧帽筋や大円筋と協働すると説明しています。Jeremy Ethier は、押す種目が多いと前部ばかりが育ち後部が遅れると説明しています。前部との量が釣り合うと肩が後ろに収まり、立ち姿がすっと整って見えます。拮抗は三角筋前部です。

鍛え方

Jeremy Ethier は、リアレイズ系の種目を15回前後の軽さで始め、25回までできたら重量を上げるよう勧めています。肘は体から約45度に保って後ろへ引きます。マシンのリアフライは、手のひらを向かい合わせにした握りのほうが後部の筋活動が高かったという研究があります(19人の男性)。今古賀翔(トレーニング科学)は、胸を張って肩甲骨を寄せたローイングでは肘が肩より後ろへ行かず、後部は使われにくいと話しています。

ストレッチ

腕を胸の前で横切らせ、反対の手で肘のあたりを押さえて引き寄せます。20〜30秒を左右2回ずつ行います。後部の働きは伸展と外旋なので、腕を前へ回して内へひねる向きで伸びると考えられます。ここが硬いと、着替えや腕を前へ回す動作で肩の後ろが突っ張る感じが出ます。引く種目の後に短く入れる程度で十分です。肩の前に痛みが出るほど引くのは避け、痛みが続くときは医療者に相談してください。

出典

  1. 論文・英語 Schoenfeld B ほか(2013) Effect of hand position on EMG activity of the posterior shoulder musculature during a horizontal abduction exercise
  2. 動画・英語 AnatomyZone Deltoid Muscle Anatomy | AnatomyZone
  3. 動画・英語 Jeremy Ethier How to Grow Your Rear Delts FAST (3 Simple Techniques)
  4. 動画 今古賀翔【トレーニング科学】 三角筋後部を大きくしたいなら、実はあの種目が効果的です【筋トレ】

解説動画: 三角筋中部から後部を狙うフェイスプルのやり方/今古賀翔【トレーニング科学】

概要とセッティング: ケーブルマシンのプーリーを胸の上部あたりに配置し、ロープの下側を通常とは逆に親指側で握る。上体をまっすぐ保ったまま、グリップをおでこの横あたりへ引いてくる。一般的なフェイスプルを変形させ、三角筋の中部から後部までを狙う種目として紹介している。

意識する二つの動き: 動作中に意識するのは、上げた腕を後ろへ動かす肩の水平外転と、上腕を外へ回す肩の外旋の二つ。この二つを合わせることで三角筋の中部と後部の強い収縮が得られる。イメージはバックダブルバイセップスのポーズで、肩の後ろのくぼみを深く出すつもりで力を入れる。ベンチプレスを多く行う人は肩が内旋しやすいため、外旋を伴うこうした運動は肩のケガ予防にもなる。

よくある間違い: 肘だけを引いてしまって肩の外旋が入らない形や、上半身を反ってしまう形は誤り。腰は反らさず、グリップをおでこの横まで持ってきて肩を外旋させる。肩甲骨が寄ったり肩が上がったりすると僧帽筋が働いてしまうので、肩を下げて肩甲骨をフラットに保ったまま三角筋の中部と後部を動かす。

通常のフェイスプルとの違い: 一般的なフェイスプルはプーリーから顎に向かって水平に引き、三角筋後部を狙う種目になる。今回のやり方はプーリーを少し下げておでこの方に引き、肩の外旋を重視することで中部から後部までを対象にする点が違う。中部から後部にかけて収縮感がかなり強く出るので、肩を効かせるのが苦手な人でも意識しやすいとしている。