腰方形筋
体幹
腰方形筋は、腰の横を支える四角い深層筋
位置
いちばん下の肋骨と骨盤の腸骨をつなぐ、腰の奥にある四角い筋肉です。背骨の左右に一枚ずつあり、わき腹の後ろ側、ベルトの少し上あたりを押したときに硬さを感じる深い層に位置します。
はたらき
体を横に倒す、片脚立ちで骨盤が落ちないよう吊り上げる、12番目の肋骨を下へ引く、の三つが主な仕事です。片側だけ縮んだままだと骨盤が傾き、腰の片側だけが痛むパターンにつながります。ただ、Bogduk らが6体の献体の筋束から力を見積もったところ、背骨を圧迫する力・伸ばす力・横に曲げる力はいずれも脊柱起立筋と多裂筋が出す力の10%以下で、背骨への働きは控えめとしています。
鍛え方
サイドプランクを左右30秒を3セットから始め、慣れたら片手だけダンベルを持って歩く種目を足します。左右で秒数と重さをそろえます。健康な男性を対象に、筋電図で14種類のブリッジを比べた研究(Oshikawaら、13人)でも、拡散強調MRIで5種目を比べた研究(Imaiら、9人)でも、腰方形筋の活動が最大だったのは、横向きで体を支えるサイドブリッジ系でした。
ストレッチ
体を横に倒したまま同じ側の腕を頭上へ伸ばし、わき腹の後ろを長くします。20〜30秒を左右2回。ATHLEAN-X(Jeff Cavaliere)は、いつも同じ側を上にして寝たり片側に体重をかけて座ったりすると上がった側が縮こまりやすいと説明し、縮んだ側の脚を後ろに置いて前へ倒す伸ばし方を示す一方、フォームローラーで腰を転がすのは避けるよう勧めています。
出典
- 論文・英語 Phillips S, Mercer S, Bogduk N(2008) Anatomy and biomechanics of quadratus lumborum
- 論文・英語 Oshikawa T, Adachi G, Akuzawa H, Okubo Y, Kaneoka K(2020) Change in Regional Activity of the Quadratus Lumborum During Bridge Exercises
- 論文・英語 Imai A, Okubo Y, Kaneoka K(2017) Evaluation of Psoas Major and Quadratus Lumborum Recruitment Using Diffusion-Weighted Imaging Before and After 5 Trunk Exercises
- 動画・英語 ATHLEAN-X™ Quadratus Lumborum Stretch (DO’S AND DON’TS!)
解説動画: 腰まわりの重苦しさを取る12分ストレッチ/オガトレ
概要と準備運動: 腰回りの疲労を取って軽くするためのストレッチを通しで行う内容。まず仰向けで片足を抱えて膝を胸に近づけ腰を丸め、次に膝を左右交互に内側へ倒す。これは本番のストレッチのための準備運動で、骨盤の後ろの真ん中にある仙腸関節を動かしてほぐす狙いがある。両手を肋骨のあたりに当て、腰が浮かない範囲で膝を倒す
背骨と腰をひねる: 片足を伸ばし、もう一方の膝を反対側の床につけて下半身をひねり、上半身は逆方向へねじって30秒キープする。骨盤に近い背骨、腰椎と胸椎をほぐす動きになる。次に長座になって体の片側の床に両手を置き、上半身をねじると腰の真ん中あたりが伸びる。両足をしっかり伸ばし、手をできるだけ後ろへ持っていき、目線も指先の方に向けるとよく伸びる
腿裏を伸ばす: 両膝を立て、片方の腿裏に手を回して膝を胸に近づけたまま膝を伸ばそうとする。伸び切らなくてよい。腿裏のハムストリングスが硬くなると腰まわりの重苦しさや腰痛、ぎっくり腰につながりやすいとしている。柔らかさの目安は、立ったまま膝を伸ばして床に手のひらがつくこと。
お尻と脇腹: 四つばいで片足を前、反対の足を後ろへ引き、前に出した足のお尻(大殿筋)を伸ばす。次に片膝を真ん中に置き、もう一方の足を反対の床へクロスさせるとお尻のやや外側にある梨状筋が伸びる。梨状筋が硬くなると座骨神経が圧迫される梨状筋症候群につながることがある。最後に片肘を床につけ、その延長線上に反対の手を置いて脇の下を床に近づけ、広背筋から脇腹を伸ばす。腰まわりが重苦しいときは広背筋も硬くなっていることが多く、お尻が硬いと一緒に硬くなりやすい
股関節の前側と続け方: 仰向けで片膝を胸に近づけてから反対の足をゆっくり伸ばすと、股関節の前側にある腸腰筋が伸びる。膝を胸に近づけてから反対の足を伸ばすという順番が大事で、伸び感は分かりにくい部類になる。仕上げは膝立ちで片足を前に出し、腿の付け根に手を置いて胸を張り、前に体重をかける。体幹の最も奥にあって背骨を支える筋肉なので、硬いと腰の重苦しさが出る。全体を2週間続けると変化を感じやすいとしている