脊柱起立筋

上半身(背面)

脊柱起立筋は、背骨の両脇を縦に走る体の支柱

位置

腸肋筋・最長筋・棘筋の三つの柱からなり、仙骨・腸骨稜・下部胸椎から腰椎の棘突起(T11〜L5)・胸腰筋膜を共通の起点に、首の後ろまで背骨の両脇を縦に走ります。腸肋筋が最も外側、棘筋が最も内側です。うつ伏せから上体を起こしたときに、背骨の左右へ二本の土手のように盛り上がる部分です。腰の高さで特に太くなり、上体を支える柱の役目を果たします。

はたらき

AnatomyZone は主な働きを背骨の伸展とし、Kenhub(腸肋筋の項)は両側が同時に縮むと背骨を伸ばし、片側だけ縮むと同じ側へ体を倒すと説明しています。首から腰まで届く長い筋で、胸椎と腰椎の両方を伸ばします。前へ倒れた上体を起こすとき、この筋群の働きが中心になります。拮抗するのは腹直筋をはじめとする体幹前面の筋群です。

鍛え方

Renaissance Periodization の動画は、デッドリフトを従来型で5〜10回のセットで行うと脊柱起立筋に効くと説明しています。男性30人の研究(Hanen ら 2025)では、85%1RMの従来型はスモウより、立ち切る局面で胸椎側の活動が高まりました。鍛錬歴のある女性12人の研究(Gundersen ら 2025)では、3RMの100%の重さは70%・90%より、脊柱起立筋の筋電図を大きくしました。

ストレッチ

椅子に座って両手を後頭部に当て、顎を胸へ引いて背中を丸める型が、首から背中の上部を伸ばす方法として紹介されています(カイロプラクティックの院 SpineCare が公開した動画で、利害がある)。5秒保つ動きを3〜5回繰り返します。丸める方向の動きで、反らせる動きではありません。腰の痛みや脚のしびれがあるときは自己判断で続けず、医療者に相談してください。

出典

  1. 論文・英語 Hanen NC ほか(2025) Biomechanical analysis of conventional and sumo deadlift
  2. 論文・英語 Gundersen AH ほか(2025) A comparison of spinal and lower extremity biomechanics during maximal and sub-maximal deadlifts among strength-trained women
  3. 資料・英語 Peter de Souza(AnatomyZone) Longissimus
  4. 資料・英語 Kenhub Iliocostalis Muscle
  5. 動画・英語 Renaissance Periodization(YouTube) Tips For Spinal Erector Growth
  6. 動画・英語 SpineCare Decompression and Chiropractic Center(YouTube) How to Fix Erector Spinae Pain FOR GOOD

解説動画: バックエクステンションで脊柱起立筋を鍛える/筋トレダンジョン - 3分で学べるトレーニング動画ch

概要: 台に太ももを乗せ、骨盤の前側が台の縁に当たる位置にセットし、背中を丸めたポジションと胸を張って伸ばしたポジションを往復する。狙いは背骨を起立させる脊柱起立筋。腰を痛めてデッドリフトができない人や、デッドリフトでは背中に効かせにくい人にも使える種目として紹介している。

デッドリフトとの違い: デッドリフトは背中を真っすぐに保ったまま扱うため起立筋は姿勢を支える形で働くが、この種目は伸ばして縮めるという動きそのものを起立筋に行わせられる。同じ部位でも刺激の質が変わるので、デッドリフトとは違う刺激を入れたいときに組み合わせるとよい。

背中を真っすぐのまま行う形: 背中を丸めずに真っすぐのまま上下するやり方も見かけるが、これは間違いではないと断っている。背中を真っすぐ保つ形は股関節の曲げ伸ばしが主体になり、お尻や裏ももにかなり効く。ただし背中をターゲットにするなら、丸めた位置から伸ばしていく可動域を使い分ける。

反りすぎと目線のコントロール: よくある失敗は反らせすぎること。起き上がる高さは水平よりわずかに上までにとどめる。もうひとつの鍵が目線で、目線を下げると背骨は丸まりやすく、上げると反りやすくなる。丸める局面では目線を下げ、伸ばす局面で少し上げると胸が張りやすくなる。