骨盤底筋群
体幹
骨盤底筋群は、骨盤の底を支えるハンモック
位置
恥骨から尾骨、左右の坐骨のあいだに張られたハンモックのような筋肉のシートで、骨盤の底にふたをしています。椅子に座って体重が乗る左右の骨のさらに内側、体の最下部にあたる部分です。
はたらき
内臓を下から支え、排尿・排便のコントロールに関わります。運動習慣のある平均26歳の女性27人の超音波測定(Mozzaquatroら、2026)では、骨盤底筋を最大に締めたとき腹横筋の厚みが増え、ほかの腹筋は変わりませんでした。妊娠・出産・手術・加齢で弱りやすい部位で、米国の公的機関NIDDKは男女とも骨盤底筋の運動が役立つとしています。
鍛え方
尿やおならを止める要領で筋肉を探しますが、排尿中の練習は膀胱炎の恐れがあり避けます(NIDDK)。3秒締めてゆるめるを10〜15回を1日3回以上、お腹や太ももには力を入れずに行います。口頭の説明だけでは、理想的に締められた女性は47人中49%でした(Bumpら、1991)。コクランレビュー(31試験・女性1,817人)では、腹圧性の尿もれでトレーニング群は治療なしなどの群より治ったと答える人が約8倍でした。
ストレッチ
締める練習と同じくらい、ゆるめる練習が大切です。あぐらや仰向けで膝を開き、息を吸いながら骨盤の底が広がる感覚を待ちます。Yoga With Adriene(ヨガのチャンネル)は、持ち上げたあとにゆるめて手放す動きも強調しています。ゆるまなくなる非弛緩性の機能障害では排尿の困難などが出て、治療は骨盤底の理学療法から始まるとされます(Afyouniらのレビュー、2025)。尿もれや痛みが続くときは自己判断せず医療者に相談してください。
出典
- 論文・英語 Mozzaquatro BB, Sonda FC, Lanferdini FJ, et al.(2026) Changes in Abdominal Muscles' Thickness from Rest to Pelvic Floor Isolated Contraction in Healthy Women
- 公的機関・英語 NIDDK(米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所) Kegel Exercises
- 論文・英語 Bump RC, Hurt WG, Fantl JA, Wyman JF(1991) Assessment of Kegel pelvic muscle exercise performance after brief verbal instruction
- 論文・英語 Dumoulin C, Cacciari LP, Hay-Smith EJC(2018) Pelvic floor muscle training versus no treatment, or inactive control treatments, for urinary incontinence in women
- 論文・英語 Afyouni AS, Khanmammadova N, Bozorgi A, Das AK, Gelman J, Sadeghi Z(2025) Urologic Manifestations of Nonrelaxing Pelvic Floor Dysfunction: Insights on Clinical Workup and Management
- 動画・英語 Yoga With Adriene Yoga For Pelvic Floor | Yoga With Adriene
解説動画: 寝たままできる5分の骨盤底筋トレーニング/NAGISA FITNESS / なぎとれ
概要: 仰向けのまま5分間で骨盤底筋群を鍛える構成で、四つの動きを二セット行う。膝を立てたお尻上げ、お尻を上げたままの膝の開閉、高い位置でのキープ、最後に股関節をほぐす流れになっており、床に寝られる場所があればできる。
お尻の上げ下げ: 足の幅は腰幅、両膝を立てて15回行う。息を吐きながら下腹をへこませるイメージでお尻をキュッと締めて高い位置まで持ち上げ、吸いながらゆっくり下ろす。腰が反らないよう、腰は長いままお腹を縮めるようにして上げる。膝とつま先の向きはまっすぐ揃えておく。
膝の開閉と30秒キープ: 最後の一回は上でキープしたまま、膝を離して閉じる動きへ移る。吸って開き、吐きながら内ももを引き寄せて閉じる。足の裏が床から離れないように、お尻の位置も下がらないように保つ。開閉を終えたらお尻を上げたまま30秒キープし、肩の力は抜いて、吐く息ごとに下腹をぺったんこにするイメージで呼吸を続ける。腰が反ったり膝が内側に入らないよう、体は一直線に保つ。
仕上げの股関節ほぐし: 各セットの終わりは股関節ほぐし。お尻とお腹の力を抜き、ゆっくり呼吸しながら両膝を左右にパタンパタンと倒して骨盤まわりをリラックスさせる。二セットを終えたら両膝を胸に抱え、腰と背中を伸ばすイメージで左右にコロンコロンと転がり、両手で床を押してゆっくり起き上がる。