三角筋前部
上半身(前面)
三角筋前部は、腕を前へ上げる肩の正面の丸み
位置
鎖骨の外側3分の1から起こり、肩の前面をおおって上腕骨の外側面へ付きます。正面から見たときに見える肩の丸みの部分がこれにあたります。腕をまっすぐ前へ上げると、鎖骨のすぐ下あたりが硬く盛り上がるのを触って確かめられます。
はたらき
腕を前へ上げる屈曲と、内側へひねる内旋に働きます。押す種目では大胸筋と一緒に働き、胸の種目でも前部は使われます。鍛錬した男性13人の研究(Campos ら 2020)では、ショルダープレスの前部の筋電図の値(最大随意収縮に対する割合)が33.3%で、ベンチプレス(21.4%)・サイドレイズ(21.2%)・ダンベルフライ(18.8%)より高くなりました。反対に腕を後ろへ引く三角筋後部とは拮抗する関係です。
鍛え方
Jeremy Ethier(YouTube)は、研究では胸を押す種目の1セットも、前部の1セットとして数えられると説明しています。前からのプレスは、鍛錬した男性14人の研究(Padovan ら 2026)で、バックプレスより前部の筋電図が高くなりました。未経験の若い成人31人がマシンのショルダープレスを行ったとき、三角筋を意識すると、意識しないときより前部の活動が高くなりました(Kim ら 2026)。
ストレッチ
腕を体の後ろで組み、胸を張って肩を後ろへ引くと前部が伸びます。20〜30秒を2回が目安です。引いたときに肩の前面へ鋭い痛みが走る場合は無理に伸ばさず、可動域を狭めてください。押す種目を行った日の最後にまとめて入れると張りが残りにくくなります。
出典
- 論文・英語 Campos YAC ほか(2020) Different Shoulder Exercises Affect the Activation of Deltoid Portions in Resistance-Trained Individuals
- 論文・英語 Padovan R ほか(2026) High-Density Surface Electromyography Excitation in Front vs. Back Overhead Press Prime Movers
- 論文・英語 Kim D ほか(2026) Effects of Mind-Muscle Connection on Muscle Activity During Machine-Based Shoulder Press in Untrained Individuals
- 動画・英語 Jeremy Ethier The ONLY 2 Exercises You Need For Wide Shoulders
解説動画: ダンベルフロントレイズの正しい軌道とNG動作/筋トレダンジョン - 3分で学べるトレーニング動画ch
概要: ダンベルを体の横に真っすぐ下ろした位置から前方へ持ち上げるフロントレイズを、三角筋前部の種目として解説する。動きの正体は肩関節の屈曲で、前ならえの姿勢へ腕を運ぶ動作そのもの。肩の丸みを作りたい人や、正面から見た上半身の迫力を出したい人に向くメニューだと位置づけている。
上げる軌道と手首の向き: 上げる方向は真正面よりもわずかに内側の軌道を通すほうが前部に入りやすい。手首の向きによっても効き方は変わり、拳を少しひねりながら上げるやり方も効果はあるが、肩への負担が大きいので基本のやり方を覚えてから取り入れる。まずはダンベルを下ろした構えからそのまま上げるスタンダードな形を身につける。
効かなくなる三つの動作: 失敗として三つを挙げる。ひとつは腕を高く上げるときに肩や肩甲骨ごとすくみ上がってしまうこと。ふたつめは反動をつけたスイングで、振って上げると狙った部位にテンションがかからない。みっつめは肘が曲がることで、肘が曲がるとダンベルと体の距離が近くなり、腕の力で挙げる動きに変わってしまう。
重さより軌道を守る: 体を真っすぐ保ったまま動かせる重さを選ぶのが前提で、反動を使わなければ数回でもしっかり効くと実演している。肘は伸ばしたままダンベルを体から遠い位置に通し、下ろした構えから肩がすくまない範囲で挙げていく。扱う重量より軌道を守れているかを優先する種目。