大腿四頭筋

下半身

太ももの前を作る四つの束

どこにある?

太ももの前面を占める大きな筋群で、大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋の四つの束が膝のお皿の上で一本の腱にまとまります。膝をしっかり伸ばすと、膝の内側上に涙型の内側広筋が浮き出ます。

はたらき

膝を伸ばす唯一の主役で、立ち上がり、階段の上り、着地の衝撃を受け止める働きを担います。大腿直筋だけは骨盤から始まるため、股関節を曲げる働きも兼ねます。拮抗するのは裏側のハムストリングスです。

鍛え方

バーベルスクワットで四つの束をまとめて、レッグエクステンションで膝の伸展だけを狙って追い込みます。8〜12回を3セット。太ももが床と平行になる深さを目安に、膝とつま先の向きをそろえます。

ストレッチ

立ったまま足首を持ってかかとをお尻へ引き寄せ、膝を体の真下より少し後ろに置くと前ももが伸びます。30秒を左右2回。硬いと骨盤が前に引かれ、腰の反りや膝前面の張りが出やすくなります。

解説動画: 研究から見るスクワットで鍛わる部位と大腿四頭筋の狙い方/筋肉あるある

スクワットで実際に鍛わる部位: スクワットはナロー・ワイドどちらの足幅でもレッグプレスより脚の筋活動が高く、八週間のトレーニングではジャンプ能力も高めたという研究を紹介する。一方でハムストリングスの筋活動を比べたランキングではスクワットは最下位で、別の実験でもレッグカールやデッドリフトの半分程度しか関与していなかった。筋断面積の分析では大殿筋と内転筋が強く関与し、ハムストリングスと大腿直筋はほぼ関与していない可能性が示されている。

大腿四頭筋の中でも差がある: 同じ実験を細かく見ると、大腿四頭筋のうち内側広筋・中間広筋・外側広筋は活動が十分にあり、大腿直筋だけが活動レベルが低い。バックスクワットとフロントスクワットの比較でも、四頭筋はフロント、ハムはバックでわずかに高いものの、大腿直筋とハムの絶対値はどちらも低めだった。大腿直筋だけが二つの関節をまたぐ二関節筋であることが理由かもしれないと考察している。

しゃがむ深さの使い分け: 体重の100〜125%の重量で、膝が45度・90度・135度まで曲がる三種類を比較した実験では、深くしゃがむほど大殿筋の活動が増える一方、大腿四頭筋の活動は深くしても変わらず、むしろ浅い方が数値がよかった。お尻も狙いたいなら腿が水平かそれより深く、大腿四頭筋だけを狙いたいなら少ししかしゃがまないパーシャルで問題ない。浅いスクワットは他の筋肉をあまり発達させずに脚の前側だけをデザインしたい場合に有用

足幅とつま先の向き: 脚の横への張り出しを作る外側広筋を狙う場合は先ほどより深めにしゃがみ、足幅を狭くしてつま先はまっすぐにする。外側広筋は脚の外側を回るようについているため、つま先が内向きだとストレッチが強くかかって活動が高くなり、外向きだと緩んでしまう性質があるという。ただしスクワットで内股にするのは危険もあるため、折衷案としてまっすぐを勧めている。足幅の違いでは四頭筋の活動は変わらなかったとする研究もある。

レッグエクステンションの工夫: 片足で行うやり方のほか、重りを下げるときの筋力は持ち上げるときより20〜50%強いため、上げは両足・下ろしは片足にすると下ろす局面に十分な負荷をかけられる。つま先をわずかに内側に向けると外側広筋、外側に向けると内側広筋に効きやすく、つま先を手前に曲げながら上げると収縮が強まる。スクワットで鍛えにくい大腿直筋を狙う場合は、シートを少し前に出して股関節を支点にして持ち上げ、戻すときに腰を浮かせてストレッチさせるというマニアックなやり方になる。