僧帽筋

上半身(背面)

首から背中の中央まで広がる三層の筋

どこにある?

後頭部と頸椎・胸椎の棘突起から起こり、鎖骨の外側・肩峰・肩甲棘へ向かって広がるひし形の筋肉です。上部は首すじから肩の稜線、中部は肩甲骨の間、下部は肩甲骨の下端あたりと三つの層に分かれ、それぞれ線維の走る向きが違います。

はたらき

上部は肩甲骨を引き上げ、中部は背骨側へ寄せ、下部は引き下げます。三つが協調して肩甲骨を上方回旋させ、腕を頭上へ上げる土台をつくります。上部だけが緊張して下部が働かないと、肩がすくんだ状態が固定され首こりの原因になります。

鍛え方

上部はシュラッグを12〜15回×3セット、中部はシーテッドロー、下部はフェイスプルや腕を斜め上へ挙げるYレイズが向きます。多くの人は中部と下部が不足しているので、寄せる動きと下げる動きを先に置くと整います。

ストレッチ

上部は頭を反対側へ倒し、同じ側の手を体の後ろで軽く引き下げると伸びます。20〜30秒ずつ左右。中部と下部は両手を前に伸ばして背中を丸めると入ります。首を回しながら強く引くのは避け、痛みやしびれがあれば医療者に相談してください。

解説動画: シュラッグのやり方と重量選択、バリエーション/katochan33

シュラッグと僧帽筋: シュラッグは肩をすくめる動作で僧帽筋を鍛える種目。僧帽筋は上部と下部に分けて考えられ、上部は肩をすくめる動作で、ひし形の下側にあたる下部は肩甲骨を真後ろに寄せることで収縮する。広背筋は逆に肩を下に下げることで収縮するため、僧帽筋と広背筋は拮抗筋の関係にあると説明している。

重量選択と可動域: 動作は肩を真上に上げるだけで単純だが、大切なのは重量選択と可動域だという。可動域が狭いぶん重い重量を扱えるが、重すぎると可動域がさらに狭くなってしまう。投稿者はトップポジションで僧帽筋の収縮が感じられるギリギリまで重量を上げており、目安は160キロ前後。180キロになるとストレッチ感は分かるが、収縮している感覚が薄くなるという。

チーティングとケガ: 昔は足を思いきり使ったチーティングで220〜240キロを扱っていたが、肩甲骨の間あたりの筋を何度も痛めており、今は200キロを超える重量では行わず、やっても180キロまでに抑えている。腕で引き上げるのではなく、腕はぶら下げているだけで肩の力で上げるのが基本。バーが股に当たる場合は当たらない位置で行うか、軽くお尻を引いて上下させる。ただし重心が体から離れるぶん扱える重量は軽くなる。

バリエーション: 少しだけ前傾した状態から真上に上げると角度が変わり、僧帽筋のもう少し下の部分に効く。扱う重量は80〜100キロほどになる。リバースシュラッグは体の後ろでバーベルを持ち、お尻を前に逃がしてベントオーバーローイングのような形で肩甲骨を上に寄せる種目で、背中の上部の縦のラインを狙う。ダンベルは持つ位置を変えられるためバーベルより可動域を大きく取れ、スミスマシンは軌道が決まっていてチーティングが使いにくいぶん扱える重量は落ちる。

使い分けと肩甲骨のコントロール: デッドリフトや胸の種目で僧帽筋が筋肉痛のときは高重量のオーソドックスなシュラッグを避け、アップライトローイングやリバースシュラッグで背中寄りの部分を鍛えるという使い分けをしている。どのバリエーションでも、トップポジションで僧帽筋の収縮を感じられる重量で行うことが最も大切。ボディビルでは肩甲骨を上に持ち上げると僧帽筋が押し上げられて肩が盛り上がり、逆に下げて外に広げると背中が広く見える。肩甲骨をコントロールできると背中や僧帽筋の効かせ方が上手になる