内転筋群

下半身

脚を閉じる内ももの集まり

どこにある?

内ももにある大内転筋・長内転筋・短内転筋・薄筋・恥骨筋の総称で、骨盤の恥骨まわりから太ももの内側に扇状に広がって付きます。脚を閉じて力を入れると、内ももに硬い筋が立つのが触れます。

はたらき

脚を内側へ閉じるのが基本ですが、大内転筋は股関節を伸ばす力も大きく、しゃがみからの立ち上がりや加速に貢献します。歩行では骨盤の左右のブレを抑え、拮抗するのは脚を開く中殿筋です。

鍛え方

バーベルスクワットを足幅広め・つま先を外に開いて行うと内ももに乗り、内転筋マシンで閉じる動きを足すと直接狙えます。12〜15回を3セット。膝とつま先の向きをそろえ、股関節から下ろします。

ストレッチ

あぐらで足裏を合わせて膝を床方向へ落とす形と、脚を開いて前へ倒れる形を組み合わせます。30秒を2〜3回。反動をつけて押し込むと付け根を痛めやすいので、息を吐きながら少しずつ広げます。

解説動画: 内転筋の役割とワイドスクワットでの鍛え方/為末大学 Tamesue Academy

お尻と表裏の関係: 走るときに大きな力を出すのはお尻だが、お尻の筋肉は足を内側に締める方向には力が出ない。そのためお尻だけを強くしていくと足が外に開き、がに股の動きになっていく。足を体の軸の直線上で回すには、お尻が効くのと同じくらい内側に締める力が要る。それが内転筋で、走る人にとって両者はほぼ表裏の関係にある。

バランスが崩れたとき: お尻ばかり強く内転筋が弱いと腸脛靭帯の側に、逆にお尻が弱く内転筋が効きすぎて引っかけるような動きが強くなると鵞足炎に出やすいと説明する。どちらか一方だけを強くするという発想はむしろ怪我に近づくもので、2つがバランスよく働いていることが大事だとしている。

加齢と姿勢に効く: 内転筋が効かなくなると足を閉じていられずに開き、腰の位置も支えられず落ちてくる。これは高齢になったときの歩き方そのもの。逆に内ももが閉じて足が真っすぐ、腰が前方にある姿勢を保てている間は若く見える。普通に生活しているだけでは年齢とともに衰えていくため、鍛えて姿勢を作る価値が大きい。

ワイドスクワットの要点: 内転筋は2つの関節をまたぐ筋肉で、ストレッチを伴うときに強く働く性質がある。足を広げて構え、つま先より膝が前に出ないようにしつつ、上半身だけを前後に倒す形にもしない。尻尾を真下に引き下げられるイメージで真下に落ち、内ももが伸ばされながらしゃがめていれば成功。効かせるのは縮める時よりも落とす時で、伸びて跳ね返る力を使って戻す。

足幅とランジの角度: つま先の角度はおおむね90度から、できる人は180度近くまで開く。開くほど腰が後ろに逃げやすくなるので、幅の狭い壁の中で立ち座りしているつもりで位置を保つ。ランジは真っすぐ前に出すとお尻が使いやすいため、30度ほど外に足を出して戻すと内転筋が働きやすくなり、左右10回ほどを目安にする。