広背筋

上半身(背面)

背中を逆三角形に見せる最大面積の筋

どこにある?

下位の胸椎から腰の胸腰筋膜、骨盤の腸骨稜までの広い範囲から始まり、脇の下でねじれて上腕骨の前面へ付きます。面積では人体で最も広い筋肉で、背中を逆三角形に見せる脇の下の広がりをつくります。腕を下げる力を入れると脇の後ろが硬く張ります。

はたらき

腕を上から下へ引き下ろす内転と、後ろへ引く伸展が主な仕事です。懸垂で体を引き上げる原動力になり、背中の広がりを決める筋肉です。骨盤まで届いているため体幹の安定にも関わります。拮抗するのは腕を上げる三角筋前部などの筋群です。

鍛え方

懸垂(チンニング)ができるなら5〜10回×3セット、難しければラットプルダウンを8〜12回×3セットで置き換えます。先に肩甲骨を下げてから、肘を体の横へ落とす順番を守ると、腕だけで引いてしまう癖が抜けていきます。

ストレッチ

柱や高い位置のバーを片手で握り、腰を反対側へ落として脇を伸ばします。30秒ずつ左右2回。硬いと万歳をしたときに腰が反って代償し、腰の痛みの遠因になります。頭上へ挙げる種目が苦手な人は、まずここの硬さを疑ってみてください。

解説動画: ラットプルダウン3種のポイント/ザ・きんにくTV 【The Muscle TV】

広背筋はどう使われるか: ラットプルダウンで主に使うのは広背筋と大円筋。広背筋は腰のあたりから上腕骨まで広がる、体の中でもかなり大きな面積を持つ筋肉で、脇の下あたりに大円筋が付いている。骨盤と上腕骨の距離を縮めたり伸ばしたりして働く筋肉だと先に押さえておくと、意識しにくい背中の種目でも狙いが定まる。

手幅と構え: 手幅は腕を真上に上げてから大きな円を描いて曲げてきた位置が目安。親指を握り込まないサムレスグリップにして小指・薬指側で引くと広背筋を意識しやすい。動作中は常に胸を張り、肩甲骨を下げた状態を作ってから引き始める。

引き方とよくある失敗: 腕を曲げて引くのではなく肘を骨盤に寄せるイメージで下ろす。バーは鎖骨の少し下まで下ろし、胸をバーに寄せるように引く。肩をすくめて腕だけで引くと腕のトレーニングになり、猫背になると背中の筋肉が使えない。戻すときも肩甲骨が肩ごと上がらないよう下げたままにし、反動で上体を後ろへ倒すのも避ける。

グリップによる違い: 上から握るオーバーグリップは肩関節の内転、下から握るアンダーグリップは肩関節の伸展の動きになる。アンダーは上腕二頭筋の関与が増えて高重量を扱える半面、二頭や三角筋後部に持っていかれやすい。ストレッチ感を得たいならアンダー、収縮を意識したいならオーバー、その中間がパラレルグリップという使い分けになる。

ビハインドネック: 首の後ろにバーを引く型で、手幅は前に引くときより少し広く取り、やや前傾して行う。肩甲骨が横斜めに開いたり閉じたりするため、広背筋に加えて僧帽筋の中部・下部にも刺激が入り、厚みのある背中を作りやすい。初心者はいきなり高重量でやらず、軽い重量で肩甲骨を上げ下げする練習から入る。