品種図鑑
コシヒカリ(定番)
うるち米のでんぷんはアミロースとアミロペクチンからなり、アミロースが多いほど飯は硬く粘りが少なくなるとされています(農林水産省)。この品種はおおむね17%前後と報告される中程度の含量にあたります。作付面積は国内で最も大きく、食味を比べるときの基準に使われる米も、複数産地のこの品種をブレンドしたものです。…
ひとめぼれ(定番)
コシヒカリと初星の交配から生まれた品種で、東北から九州まで産地が広がっています。食感の傾向を裏づけるアミロース含量の公表値は確認できませんでした。産地と産年の幅が大きく、登熟期の気温も栽培条件も一律ではないため、同じ品種名でも粒の性質はそろいません。品種名だけで食感を決めて読むと…
ヒノヒカリ(定番)
黄金晴とコシヒカリの交配から生まれ、九州を中心に作られてきた品種です。アミロース含量の公表値は確認できませんでした。登熟期が高温になる年に玄米が白く濁る未熟粒が増えることが課題として挙げられ、のちに育成された高温耐性品種の目標になりました。つまりこの品種の性質は、その年の気温と切り離しては読めません。…
あきたこまち(定番)
コシヒカリと奥羽292号の交配から生まれた品種で、秋田県以外にも産地が広がっています。アミロース含量の公表値は確認できませんでした。名前の知られ方に対して、交配親や育成年は袋の表示には出てこないため、来歴は店頭の情報からは読み取れません。食感の形容も、比べた基準の米とパネルの人数が示された資料は見当たりませんでした。
ななつぼし(定番)
北海道で作られている品種で、道内の作付面積の大きな部分を占めます。アミロース含量として公表されている値は確認できませんでした。粘りや硬さの傾向を語る文は多く見かけますが、比べた基準の米とパネルの人数まで示した資料は、この項目では見当たりませんでした。条件の書かれていない形容は、食感の根拠として扱いません。
はえぬき(定番)
庄内29号とあきたこまちの交配から生まれた山形県の品種です。アミロース含量の公表値は確認できませんでした。家庭向けの袋よりも、弁当や外食などの業務用として流通する量が多いとされ、産地の外の店頭で名前を見る機会は限られます。同じ品種でも、どの経路で流通するかによって手に入る形が変わります。
つや姫(定番)
山形70号と東北164号の交配から生まれた品種で、県が栽培者を認定する仕組みとともに導入されました。アミロース含量の公表値は確認できませんでした。名称の決定と品種登録の年が分かれているため、資料によって「いつからの品種か」の書き方が違います。食感の形容も、比べた基準の米が示された資料は見当たりません。
ミルキークイーン(もちもち)
コシヒカリの受精卵にメチルニトロソウレア(MNU)で変異処理を行って育成された、アミロース含量の低いうるち米です。農研機構は低アミロース米を3〜17%程度と説明しており、通常のうるち米の17〜23%より低い区分にあたります。アミロースが少ないほど飯は軟らかく粘るとされています(農林水産省)。…
スノーパール(もちもち)
1998年に育成された低アミロース米で、アミロース含量が7〜9%と数値で公表されている数少ない品種です(農研機構 東北農業研究センター)。通常のうるち米の17〜23%より低く、アミロースが少ないほど飯は軟らかく粘るとされています。数値と測定の主体が両方たどれる、この図鑑で値を引ける品種の例にあたります。
ゆめぴりか(もちもち)
北海道の水稲品種で、協議会が定めた基準を満たしたものに認定マークが付きます。マークが無いものがこの品種でないという意味ではありません。アミロース含量の公表値は確認できませんでした。品種の性質と、出荷の基準を満たしたかどうかは別の話として分けて読みます。マークは品種の証明ではなく、取り決めの充足を示す表示です。
新之助(もちもち)
新潟75号と北陸190号の交配から生まれた品種で、粒が大きめとされています。アミロース含量の公表値は確認できませんでした。同じ県で作られてきた品種とは別の性質を目標に育成されたという位置づけで、どちらが優れているという話ではありません。粒の大きさを千粒重で示した公表値も確認できていません。
ふっくりんこ(もちもち)
北海道の道南を中心に作られている品種で、産地が地域を限って定められている例にあたります。アミロース含量の公表値は確認できませんでした。同じ道内でも栽培できる地域が決められているため、袋の産地品種銘柄は「北海道産」より狭い範囲を指すことになります。産地の範囲を確かめてから比べる必要がある品種です。
ササニシキ(あっさり)
ハツニシキとササシグレの交配から生まれた品種で、アミロース含量の公表値は確認できませんでした。粘りが少ない側の食感として語られてきましたが、粘りの少なさは食感の傾向であって優劣ではありません。かつて作付面積が大きく、冷害を経て作付けが減った経緯が記録に残り、面積の推移は統計で年ごとに追えます。
ハツシモ(あっさり)
岐阜県でほぼ限って作られている晩生の品種で、粒が大きいとされています。アミロース含量の公表値は確認できませんでした。収穫が遅く産地が県内にほぼ限られるため、県外の店頭で名前を見る機会は多くありませんが、育成の経緯は年ごとに追える古い品種です。粒の大きさを千粒重で示した公表値は確認していません。
ゆきひかり(あっさり)
寒さに強いことを目標に育成された北海道の品種で、育成の重点が食味よりも耐冷性に置かれていた系統です。アミロース含量の公表値は確認できず、粘りや硬さを品種の値として示すことができません。作付けの中心はその後ほかの品種へ移り、いま扱う産地は限られます。この米の特徴を自分で確かめるなら、同じ北海道のななつぼしと産年をそろえ…
日本晴(あっさり)
粒がそろい、うるち米として標準的な性質を持つ品種として扱われてきました。育成から半世紀以上たったいまも、試験研究では新しい品種を並べる相手側に置かれ、アミロースや食味を測る報告に比較対象として登場します。浸漬中に還元糖が増えることを調べた研究でも比較する品種の一つに選ばれており…
朝日(あっさり)
交配で作られたのではなく、在来の稲の中から見つかった株を選び続けて維持されてきた品種です。現在も岡山県で作られ、産地品種銘柄として流通しています。育成年が古く、アミロースやタンパク質の測定値を新しい品種と並べるときは、栽培条件と産年をそろえてから読む必要があります。岡山県の奨励品種として、いまも作付けが続いています。
にこまる(暑さに強い)
登熟期が高温になった年に、白く濁った粒(白未熟粒)が増えるという課題に向けて育成された品種です。育成報告では、高温の年でも玄米の外観品質の低下が小さいとされ、ヒノヒカリと比べた試験の結果が数値で示されています(農研機構 九州沖縄農業研究センター)。白未熟粒は、粒の内部に隙間ができて光が散り、白く見える状態を指します。
にじのきらめき(暑さに強い)
稈が短く倒れにくいこと、玄米千粒重がコシヒカリより2グラム重い大粒であることが、育成機関から公表されています。高温耐性と多収を目標に選抜された品種で、縞葉枯病には抵抗性、穂いもちの圃場抵抗性はやや強と区分が示されています(農研機構)。葉いもちは中です。粒の大きさは、家庭では計量のしかたに効いてくる数値になります。
きぬむすめ(暑さに強い)
高温登熟耐性を持つ西日本向けの品種として、にこまると同じ育成報告の中で扱われています。熟期は日本晴と同じころの早生で、栽培できる地域が広いことが公表されています。旧系統名は西海232号で、にこまるの母にあたる品種でもあります(農研機構 九州沖縄農業研究センター)。西日本の各県で奨励品種に採用されました。
みずかがみ(暑さに強い)
登熟期の高温で玄米が白く濁るかどうかを、高温登熟性検定ハウスでの系統選抜試験で調べて選抜された品種です(滋賀県農業技術振興センター)。ハウスの温度は県の広報で外より2度ほど高い設定と紹介されていますが、温度差と設置年の一次資料は確認できませんでした。暑さに強いという言葉の中身が、ここでは選抜の場所で書かれています。
こがねもち(もち米・加工用)
もち米のでんぷんはほぼアミロペクチンだけで、アミロースをほとんど含みません。うるち米が17〜23%のアミロースを持つのに対し、もち米は別の区分として扱われ、炊いた後の粘りと、冷めたときの硬くなり方が大きく違うことが知られています(農研機構)。餅や赤飯に使われてきた理由が、この違いにあたります。
ヒメノモチ(もち米・加工用)
東北で育成されたもち米で、もち種としては倒れにくいとされる一方、水稲全体の区分では耐倒伏性はやや弱に置かれています。いもち病に強いことも特性として示されています。アミロースをほとんど含まない点はほかのもち米と同じで、うるち米の数値とは別の物差しで見る品種にあたり、この図鑑でも帯を分けて置いています。
ヒヨクモチ(もち米・加工用)
九州で作られてきたもち米で、倒伏に強いことが特性として挙げられています。旧系統名は西海糯118号。アミロースをほとんど含まないもち種で、こがねもちと同じ区分に入りますが、産地も系譜も別の品種です。もち米の産地が北と南に分かれていることが、この3品種を並べると見えてきます。育成した機関も別です。
ホシユタカ(もち米・加工用)
アミロースの多いうるち米として育成された品種で、粒は細長い形をしています。アミロースが多いほど、炊いた米は硬く粘りが少なくなるとされており(農林水産省)、公表されている含量も資料によって幅があるため、数値を引くときは測定年と方法まで見て読みます。加工向けとして育成された品種です。
亜細亜のかおり(もち米・加工用)
米麺への加工を想定して育成された、アミロースの多い品種です。育成報告では含量を30〜35%とし、父方の越のかおり並と記しています。アミロースが多いほど、炊いた米は硬く粘りが少なくなるため、ご飯として炊く以外の用途で選ばれる位置にある品種です(農研機構)。加工適性と収量が育成の目標でした。
バスマティ(海外の米)
インドとパキスタンで栽培されてきた細長い米の総称で、炊くと粒が長く伸びることが特徴として挙げられます。アミロース含量の報告値は研究によって幅があり、単一の品種名ではなく総称であることが、数値がそろわない理由の一つになっています。数値を引くときは系統名まで確かめる必要があり、総称のままでは比べられません。
ジャスミンライス(海外の米)
香りを持つ長粒種で、2-アセチル-1-ピロリンという成分が香りの主成分として同定され、その生成に BADH2 という遺伝子が関わることが報告されています。アミロース含量として公表されている値は資料によって幅があり、一つの数値には決められませんでした。香りは分析で測られている数値です。
アルボリオ(海外の米)
イタリア北部で栽培される粒の大きい短粒種で、リゾットの材料として使われます。水分を残したまま煮上げる調理が前提にあり、蒸らすまで水を吸わせきる日本の炊き方とは手順そのものが違います。アミロース含量の公表値は確認できませんでした。イタリアでは短粒種の代表として扱われており、粒の大きさは調理の手順と結びついています。
カルナローリ(海外の米)
リゾットの材料として使われる品種で、アルボリオとは性質が違い、煮崩れのしにくさで使い分けられると説明されます。アミロースが多いほど加熱しても形が残りやすいという一般的な説明が理由に挙げられますが、この品種のアミロース含量を測った公表値は確認できませんでした。北イタリアで作られています。