病害虫図鑑 | オトモアグリ

アザミウマ
写真: Alton N. Sparks, Jr., University of Georgia, Bugwood.org / CC BY 3.0(Wikimedia Commons)

症状

非常に小さな虫が葉や花を吸汁し、傷が白〜銀色にかすれる。ウイルス病も媒介する。

対策

目の細かい防虫ネットで防ぎ、青色の粘着トラップで捕らえる。周囲の雑草を減らす。

防虫ネット写真: Schlaghecken Josef / CC BY-SA 4.0

農薬に頼らないコツ

早期発見が肝心。反射マルチで飛来を抑える。

マルチ写真: Srimathiv1995 / CC BY-SA 4.0

かかりやすい作物

たまねぎ・ねぎ・わけぎ

解説動画

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Daisuke Miyazaki

の解説動画

【農家】アザミウマの予防方法とハチや天敵に影響が小さく新しい農薬【ファインセーブフロアブル】

概要:なぜアザミウマは厄介なのか

アザミウマは野菜栽培で最も厄介な害虫の一つで、成虫でも1〜2mmと小さい。最大の被害は作物が汚れて商品価値が下がることで、いちごやなすでは果実が、ねぎ・たまねぎ・にら・アスパラガスでは葉が汚れて出荷できなくなる。

いちごやなすでは訪花昆虫(ミツバチ)や天敵製剤(カブリダニ)を使うため、有用生物に影響する強い農薬が使えず対策が難しい。加えて薬剤抵抗性が深刻で、ミカンキイロアザミウマは2013年時点ですでに23種類もの農薬に抵抗性が確認されている。抵抗性がつきにくい気門封鎖型の農薬も、アザミウマにはほとんど効かない。

種類と生態

日本には200種以上いて、農業で問題になるのは約40種。特に問題なのはミカンキイロ・ミナミキイロ・ネギ・チャノキイロ・ヒラズハナの5種。正確な判別には顕微鏡が要るが、100均のスマホ用拡大レンズで撮影して写真と見比べる方法が手軽。

活動が活発になるのは20℃以上で、関東では春〜秋に活動し冬は成虫で越冬する。卵は植物組織の中に産みつけられ、さなぎは地中にいるため、その時期は農薬が効かない。

25℃なら卵から成虫まで約2週間と成長が早く、成虫は2〜7週間生存する。世代交代が速いため薬剤抵抗性がつきやすい。ミナミキイロやネギアザミウマはオスなしでメスだけでも産卵し、1ヶ月で約80倍に増える。

予防策:露地とハウス、天敵の使い分け

露地ではアザミウマを食べる土着天敵(ヒメハナカメムシ類・アカメガシワクダアザミウマ・タバコカスミカメなど)を増やすのがポイントで、これらを養うインセクタリープランツ(バンカープランツ)を植える。天敵には殺虫剤だけでなく殺菌剤や防除で使う農薬も影響することがあるので注意。

ハウスでは侵入させないことが最優先で、周囲に防草シート・光反射シート・粘着シートを設置、UVカットフィルム被覆、開放部に赤色防虫ネット、室内に粘着シートや昼間の赤色LED点灯、吸引式捕虫機、天敵製剤の放飼などを組み合わせる。

天敵製剤はスワルスキー・ククメリスカブリダニが1齢幼虫のみ、リモニカスカブリダニが1〜2齢幼虫、タイリクヒメハナカメムシは2齢幼虫や成虫も捕食する。放飼前にできるだけ害虫を減らす『ゼロ放飼』が重要。

おすすめ農薬:ファインセーブフロアブル

予防をしてもアザミウマの被害をゼロにするのは難しいので農薬も必要になる。動画では日本火薬のファインセーブフロアブル(有効成分フロメトキン)を紹介。30種以上の野菜・果樹に使え、1000〜4000倍に希釈して散布する。

特徴は、選択性が高く訪花昆虫や天敵製剤への影響が小さい、新しい作用機作(殺虫剤分類34で、既存のミトコンドリア作用剤とは作用点が異なる)で抵抗性のついたアザミウマにも効く、成虫にも速効性がある、残効性・耐雨性がある点。

作物別では、いちごは幼虫・成虫とも効くが低密度のうちに使う(ヒラズハナアザミウマには効果が安定しにくい)、なすは露地・ハウス両方で天敵放飼後のタイミング、ねぎ・たまねぎは梅雨前後や空梅雨時が好適で収穫3日前まで使える。連用は抵抗性がつくので避け、脱皮阻害剤など他剤とローテーションする。

トマト・ミニトマトでは、アザミウマが媒介するトマト黄化えそ病の予防にも使える。

出典: Daisuke Miyazaki(YouTube)で動画を見る ▶