栄養・サプリ図鑑

ホエイプロテイン(WPC/WPI)(プロテイン)

ホエイプロテイン(WPC/WPI)は、吸収が速い王道のたんぱく源。ホエイは、チーズを作るときに固まった乳(カード)から分かれる液体のたんぱく質です。健康な成人が1回の食事で摂った実験では、血中のアミノ酸が急に上がって短く終わり、カゼインが中くらいの高さで長く続いたのと対照的でした(Boirieら、1997年)。…

カゼインプロテイン(プロテイン)

カゼインプロテインは、ゆっくり届く夜向きのたんぱく源。牛乳のたんぱく質のおよそ8割を占め、胃で固まってゲル状になり、アミノ酸を少しずつ長く送り出します。食事の間隔が空くときや就寝前に向く成分です。健康な成人が1回の食事で摂り、7時間追った実験(Boirieら、1997年)では…

ソイプロテイン(プロテイン)

ソイプロテインは、植物性で腹持ちが良いタイプ。大豆から作る植物性のたんぱく質で、乳製品を避けたい人の選択肢になります。運動後の筋たんぱく質の合成は、必須アミノ酸10g分を飲んだ男性6人ずつの実験(Tangら、2009年)でホエイが大豆より31%高い一方…

EAA(アミノ酸)

EAAは、体で作れない9種をまとめて摂れるアミノ酸。体内で合成できない9種類の必須アミノ酸をまとめたサプリで、筋たんぱく質の合成に必要な材料がひと通りそろっています。食事量が落ちる減量期や、朝一番の空腹時など、材料が不足しがちな時間帯を手早く埋める目的で使われますが…

BCAA(アミノ酸)

BCAAは、分岐鎖の3種に絞ったアミノ酸。バリン・ロイシン・イソロイシンという3種類の分岐鎖アミノ酸をまとめたもので、なかでもロイシンが筋たんぱく合成のスイッチを入れる働きで知られます。筋トレ経験のある若い男性10人が運動直後にBCAA5.6gだけを飲んだ日は…

グルタミン(アミノ酸)

グルタミンは、体内に最も多い準必須アミノ酸。血中や筋肉中にもっとも多く存在する遊離アミノ酸で、普段は体内で作れます。腸の粘膜や免疫にかかわる細胞のエネルギー源としても使われることが知られています。Gleeson(2008年)の総説は、長い運動や追い込む時期には血中のグルタミン濃度が下がるものの…

シトルリン(アミノ酸)

シトルリンは、パンプ感を目当てに使うアミノ酸。スイカなどに含まれる遊離アミノ酸で、体内でアルギニンに変換され、血管を広げる一酸化窒素の材料になります。プレワークアウト系の製品によく配合され、運動中の血流が高まりやすく、パンプ感や後半のねばりを支える目的で使われますが…

アルギニン(アミノ酸)

アルギニンは、一酸化窒素をつくる準必須アミノ酸。一酸化窒素の直接の材料になるアミノ酸で、体内でも作れますが成長期や強いストレス下では必要量が増える準必須アミノ酸に分類されます。血管拡張や成長ホルモン分泌への関与がよく語られますが、男性ボディビルダー50人を対象にした試験(Atharら、2026年)では…

クレアチン(増量・パフォーマンス)

クレアチンは、研究の裏づけが最も厚い定番。筋肉にクレアチンリン酸として蓄えられ、数秒から十数秒の高強度運動でATPを素早く作り直すための成分です。18〜30歳の健康な男性で39の試験を対象にした2026年のメタ分析(Guら)では、筋トレと併用した試験で除脂肪量が増え、筋トレなしでは増えませんでした。…

HMB(増量・パフォーマンス)

HMBは、ロイシンからできる代謝物。ロイシンが体内で代謝されてできる物質で、筋たんぱくの分解を抑える方向に働くと考えられています。国際スポーツ栄養学会の2024年の声明は、未経験者では筋力とパワーが高まりうる一方、鍛えた人では結果が割れるとしています。高齢者では…

βアラニン(増量・パフォーマンス)

βアラニンは、燃える感じの正体になり持久力を支える成分。体内でヒスチジンと結びついてカルノシンになるアミノ酸で、筋肉中のカルノシンは運動でたまる酸を緩衝します。国際スポーツ栄養学会の2015年の声明は、1〜4分続く運動で効果が出やすい一方、60秒未満では改善が見られず…

カフェイン(増量・パフォーマンス)

カフェインは、効きも副作用もはっきりした刺激物。中枢神経に働いて眠気の信号であるアデノシンの受容体をふさぎ、疲労感を感じにくくします。主観的なきつさが下がり、集中も続きやすくなります。21本のメタ分析を総括した2020年のレビューは、持久系・筋力・筋持久力・パワーなど幅広い運動で効果を認め…

マルトデキストリン(増量・パフォーマンス)

マルトデキストリンは、吸収の速い粉末タイプの糖質。でんぷんを分解して作られた甘さが控えめで水に溶けやすい糖質です。運動中や直後のエネルギー補給、体重を増やしたいときのカロリー上乗せに使いやすく、固形物が入らない時間帯でも胃に負担をかけにくいのが利点です。ブドウ糖が鎖状に連なった多糖で…

ウェイトゲイナー(増量・パフォーマンス)

ウェイトゲイナーは、食が細い人のカロリー補助。たんぱく質に糖質と脂質を合わせ、1食あたりの熱量を高めた粉末です。食が細くて体重が増えない人が、固形の食事を無理に増やさずに一日の総カロリーを底上げするための道具で、たんぱく質を補うだけのプロテインとは目的が違います。健康な男性73人が週4日×8週間の筋トレをした研究では…

フィッシュオイル(オメガ3)(ビタミン・ミネラル)

フィッシュオイル(オメガ3)は、青魚のEPA・DHAを補う脂質。青魚に多いEPAとDHAという長鎖のオメガ3系脂肪酸で、細胞膜の材料になり、体内の炎症反応の調整にかかわります。筋トレに上乗せして伸びるかは結論が割れており、健康な成人や患者を対象にした33本の系統的レビューを見渡した2025年の総括は…

ビタミンD(ビタミン・ミネラル)

ビタミンDは、日光と食事でつくる骨の土台。腸からのカルシウム吸収を助け、骨の維持に欠かせない脂溶性ビタミンです。ビタミンD補充を対照と比べた30試験(平均61歳・5,615人)の統合(Beaudartら、2014年)では、筋力に小さいが有意な効果があり、筋量と筋パワーには有意な効果がありませんでした。…

ビタミンB群(ビタミン・ミネラル)

ビタミンB群は、エネルギーを回す8種の裏方。B1、B2、ナイアシン、B6、B12、葉酸、パントテン酸、ビオチンの8種をまとめた呼び名で、糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変える反応の補酵素として働きます。Woolfらの総説(2006年)は、B1・B2・B6をエネルギーを作る経路の要…

マルチビタミン(ビタミン・ミネラル)

マルチビタミンは、食事の抜けをならす保険役。各種ビタミンとミネラルを一日分の目安量前後でまとめた製品です。外食や欠食が続いた日、減量で食事量を絞っている時期に、微量栄養素の落ち込みをならすための保険であり、食事そのものの代わりにはなりません。選手を対象にした2026年のビタミン補給の総説(Wiacekら)は…

亜鉛(ビタミン・ミネラル)

亜鉛は、たんぱく質合成を支える微量元素。体内に約2,000mg存在し、300種類以上の酵素をつくるミネラルです。たんぱく質の合成や細胞分裂、味覚や免疫の維持を支え、不足すると皮膚炎や味覚障害、成長の遅れとして現れます。体内の亜鉛は汗や皮膚の剥離、精液や月経の分泌物への流出でも失われ…

マグネシウム(ビタミン・ミネラル)

マグネシウムは、筋肉の収縮と弛緩を支えるミネラル。成人の体内に約25gあり、300種類以上の酵素の働きにかかわるミネラルです。5〜6割は骨や歯にあり、残りは筋肉や脳・神経に分布して、筋肉の収縮や神経の情報伝達を支えます。選手向けの総説(Dominguezら、2025年)は…

鉄(ビタミン・ミネラル)

鉄は、酸素を全身へ運ぶ血の材料。体内の鉄は成人で3〜4gあり、約70%は赤血球のヘモグロビンとして酸素を運びます。不足すると貧血や運動機能・認知機能の低下を招くと食事摂取基準(2025年版)は書きます。2026年のメタ分析は、女性アスリートの約15〜35%で鉄欠乏が報告されているとします。月経のある女性は…

カルシウム(ビタミン・ミネラル)

カルシウムは、骨を守り筋を動かすミネラル。体内のカルシウムは体重の1〜2%を占め、99%は骨と歯に、残り約1%は血液や細胞にあり筋収縮や神経伝達を支えます。血中の濃度は8.5〜10.4mg/dLという狭い範囲に保たれ、下がると副甲状腺ホルモンの分泌が増えて骨からカルシウムが溶け出し、元の濃度に戻ります。…

PFCバランス(食事の基本)

PFCバランスは、三大栄養素の配分を決める考え方。たんぱく質・脂質・炭水化物が総エネルギーに占める割合(%エネルギー)のことです。1gあたりの換算は、たんぱく質と炭水化物が4kcal、脂質が9kcalです。厚生労働省の食事摂取基準(2025年版)が18〜49歳に示す目標量は…

タンパク質の必要量(食事の基本)

タンパク質の必要量は、体重から逆算する一日の量。筋肉は日々合成と分解を繰り返しており、合成が分解を上回るのに要る材料の量が必要量です。国際スポーツ栄養学会は2017年の位置声明で、筋肉をつけ保つ量を体重1kgあたり1日1.4〜2.0gとし、減量中はさらに多く要るとしました。…

増量(バルク)(食事の基本)

増量(バルク)は、筋肉を増やすための余剰期。消費カロリーを上回る食事を続け、筋肉を増やしやすい環境を作る期間のことです。健康な男性73人が週4日の筋トレを8週間続けた試験では、約2,000kcalの補助食を毎日足した2群が、足さない群より体重も除脂肪量も増えました(Rozenekら、2002年)。ただし…

減量(カット)(食事の基本)

減量(カット)は、筋肉を守って脂肪を削る期間。消費カロリーを下回る食事を続けて体脂肪を減らしていく期間です。エネルギーが不足した状態で筋トレを3週間以上続けた無作為化試験のメタ分析(Murphy と Koehler、2022年)では、除脂肪量の伸びは不足のない群より小さく、筋力の伸びには有意な差がありませんでした。…

水分補給(食事の基本)

水分補給は、力の出方も回復も左右する土台。水分補給は、汗で失う水分を補い、体の水分量を保つことです。脱水すると筋力は約2%、パワーは約3%、30秒〜2分の全力運動の持久力は約10%下がる傾向があると、総説(Judelson ら、2007年)はまとめます。同じ著者らの実験(2007年)では…

食物繊維(食事の基本)

食物繊維は、腸と満腹感を整える食事の土台。消化されずに大腸まで届く炭水化物で、水に溶ける水溶性と溶けない不溶性があります。便通や満腹感に関わり、無作為化試験を集めた総説(Wanders ら、2011年)では、食欲が下がった比較は粘性の高い繊維(ペクチン、β-グルカン)で59%、粘性の低い繊維で14%でした。…