タンパク質の必要量

食事の基本

タンパク質の必要量は、体重から逆算する一日の量

役割

筋肉は日々合成と分解を繰り返しており、合成が分解を上回るのに要る材料の量が必要量です。国際スポーツ栄養学会は2017年の位置声明で、筋肉をつけ保つ量を体重1kgあたり1日1.4〜2.0gとし、減量中はさらに多く要るとしました。一般向けの目安(WHOの0.8g/kg)は筋トレを想定しておらず、足りないと Jeff Nippard(YouTube)は説明します。

摂り方

筋肥大を狙う増量期の目安は体重1kgあたり1.6〜2.2g(70kgなら112〜154g)と Jeff Nippard は説明します。Schoenfeld と Aragon のレビュー(2018年)は、1食0.4g/kg(70kgなら28g)を1日4食以上とれば1.6g/kgに届くとします。1日の合計が届いていれば、2食でも6食でも筋肉はつくとも Nippard は述べます。

注意点

多いほど筋肉が比例して増えるわけではありません。Morton らのメタ分析(2018年)は、筋トレにたんぱく質の補給を足した49試験で、約1.6g/kg/日を超えても除脂肪量の伸びは上乗せされなかったとします。健康な成人の28試験では、1.5g/kg以上でも腎機能の指標(GFR)の変化に差がなく(Devries ら、2018年)、腎疾患のある方は医療者の指示に従ってください。

出典

  1. 論文・英語 Jäger R ほか(2017) International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise
  2. 論文・英語 Morton RW ほか(2018) A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults
  3. 論文・英語 Schoenfeld BJ, Aragon AA(2018) How much protein can the body use in a single meal for muscle-building? Implications for daily protein distribution
  4. 論文・英語 Devries MC ほか(2018) Changes in Kidney Function Do Not Differ between Healthy Adults Consuming Higher- Compared with Lower- or Normal-Protein Diets: A Systematic Review and Meta-Analysis
  5. 動画・英語 Jeff Nippard The Smartest Way To Use Protein To Build Muscle (Science Explained)

解説動画: 1日のタンパク質の目安量と、増やすときの注意点/あこの栄養学チャンネル【女性のための栄養学】

目安は体重の数字をグラムに置き換える: 1日に摂りたいタンパク質は体重kgの数字をそのままgに読み替えた量が目安になる。体重60kgなら60gである。厳密には体重×1.08という数字もあるが、1倍で考えて差し支えない。ただし低体重の人や肥満傾向の人はこの計算が実態と合わないため、女性ならおよそ50〜60gを目安にするとよいとしている。

食材の重さと取り違えない: よくある誤解が、タンパク質60g=鶏肉60gと考えてしまうこと。肉には脂質も糖質も含まれるので中身は同じではない。ざっくりした目安として肉80gでタンパク質14〜16g、魚は切り身1切れで12〜14g、卵1個と納豆1パックはそれぞれ5g程度。この感覚を持っておくと、自分が1食で摂れている量におおよその見当がつくようになる。

いきなり倍にしない: 話を聞いてやる気になり、いきなり今までの2倍を摂ろうとする人がいるが、これは腸内環境を荒らし、肝臓や腎臓の負担にもなる。まずはひと口分だけタンパク質食材を増やすところから始め、そこから徐々に上げていく。急がば回れの進め方が結局は重要だとしている。

食物繊維とセットで摂る: タンパク質が未消化のまま腸に届くと負担になるため、増やすときは野菜・きのこ・海藻・雑穀といった食物繊維を組み合わせる。ただし摂りすぎると逆にタンパク質の吸収が悪くなるので、1食で玄米300gや焼き芋を1本以上といった食べ方は避ける。葉物野菜なら大きめのボウルに山盛りでも過剰にはならない。タンパク質を増やすとマグネシウムやビタミンB群の消費も増えるが、これらも同じ食材群で補える。