ビタミンD
ビタミン・ミネラル
ビタミンDは、日光と食事でつくる骨の土台
役割
腸からのカルシウム吸収を助け、骨の維持に欠かせない脂溶性ビタミンです。ビタミンD補充を対照と比べた30試験(平均61歳・5,615人)の統合(Beaudartら、2014年)では、筋力に小さいが有意な効果があり、筋量と筋パワーには有意な効果がありませんでした。競技者を調べた14試験(482人)の系統的レビュー(Wyattら、2024年)では、筋力や無酸素パワーを測った7試験のうち5試験で、補給群が非補給群より高くなりました。
摂り方
食事では魚(D3)やきのこ類(D2)から摂れます。日本人の食事摂取基準(2025年版)の目安量は成人で1日9.0μgです。日光でも作られ、量は季節や屋外の時間で大きく変わります。北海道と熊本の観察研究では、夏でも約半数が血中の25(OH)Dが参照値の20ng/mLを下回っていました。サプリを使う場合は脂溶性なので食事と一緒に摂り、IU表記の製品は1μg=40IUで換算し、まず血液検査で不足を確かめると確実です。
注意点
脂溶性で体にたまるため、自己判断の大量摂取は高カルシウム血症を招くおそれがあります。耐容上限量は成人で1日100μgで、1日1,250μgで高カルシウム血症になった症例が報告されています。多量の摂取を続けると腎障害や軟組織の石灰化障害も起こるとされますが、日光による皮膚での産生では過剰症は起こりません。腎疾患やサルコイドーシスのある方、カルシウム剤を併用する方は必ず医療者に相談してください。
出典
- 論文・英語 Beaudart C ほか(2014) The effects of vitamin D on skeletal muscle strength, muscle mass, and muscle power: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
- 論文・英語 Wyatt PB ほか(2024) Effects of Vitamin D Supplementation in Elite Athletes: A Systematic Review
- 公的機関 厚生労働省(2024) 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 ビタミン(脂溶性ビタミン)
解説動画: ビタミンDはどれだけ摂ってよいか、腎臓と子どもの疑問/胃と腸の健康解説 内視鏡チャンネル
ほとんどの人が足りていない: 医師二人が視聴者のビタミンD質問に答える回。都内の大学病院で健康診断を受けた約5000人のうち98%がビタミンD不足だったというデータを挙げ、日光を浴びない生活習慣がここまで露骨に数字に出ることに驚いている。自分たちの外来でも、健康意識が高い層ですら3分の2が欠乏していたという。
1日の目安量と上限: 勧めているのは1日4000IU。厚生労働省の基準はあくまで生命維持に必要な最低ラインで、栄養学的には少なすぎるという立場である。上限については1日1万IUまでは高カルシウム血症の報告がないとされており、4000IUはそれよりはるかに低い。参考として、骨粗鬆症で処方されるビタミンDは1日0.75μg=30IU程度しかなく、量としては桁が違うと指摘している。
腎臓に負担という心配: 腎臓の医師にビタミンDは腎臓に溜まるからサプリでも摂るなと言われた、という相談が寄せられている。これに対してはビタミンD自体が腎臓を痛めるのではなく、摂りすぎてカルシウムが高くなり高カルシウム血症になった結果として腎機能が落ちるという仕組みだと説明する。上限が数値で示されている以上、勧めている量ならそこまで神経質になる必要はないとしている。
子どもに飲ませてよいか: 子どもについても許容の上限は示されている。目安は保育園・幼稚園の年齢で1200IU、小学生で2400IU、中学生で3200IU、高校生で3600IUまで、18歳以上は大人と同じ4000IUまで。市販のサプリは1日1000IU程度のものが多いので問題ない。薬の量の考え方としては14歳でほぼ大人と同量、7歳でその半分という目安があり、そこまで厳密に体重で刻まなくてよいとしている。