マルチビタミン

ビタミン・ミネラル

食事の抜けをならす保険役

役割

各種ビタミンとミネラルを一日分の目安量前後でまとめた製品です。外食や欠食が続いた日、減量で食事量を絞っている時期に、微量栄養素の落ち込みをならすための保険であり、食事そのものの代わりにはなりません。

摂り方

1日1回、朝食など脂質を含む食事と一緒に摂ると、脂溶性のものまで吸収が安定します。含有量が食事摂取基準の100〜200%程度に収まる製品を選び、亜鉛のような単体サプリと重ねるときは合計量を必ず確認してください。

注意

複数のサプリを併用すると同じ成分が重複し、知らないうちに上限量を超えることがあります。特にビタミンA、鉄、亜鉛は注意が必要です。妊娠中の方はビタミンAの過剰が問題になるため、専用の製品を選ぶか医療者に相談してください。

解説動画: マルチビタミンミネラルは飲む意味があるのか/高須幹弥(高須クリニック)

概要: マルチビタミンミネラルのサプリの是非を医師が語る回。結論は肯定寄りだが、決めた量を毎日きっちり飲むというより、カップ麺やチャーハンで済ませた日、ダイエット中など食事で栄養が偏った日に飲むという使い方をしている。飲む日と飲まない日があってよいという構えである。

否定派の言い分にも理はある: 不要論の根拠は、栄養は食事が基本だという点と、食事とサプリが重なって特定の栄養素が過剰になるという点の二つ。実際、脂溶性のビタミンAは脂肪組織に溜まって頭痛やめまいを起こし、鉄は肝臓や心臓に蓄積して臓器障害を、亜鉛は吐き気を招くことがある。がんや心疾患、糖尿病を防ぐ効果は多くの研究で示されていないことも認めている。

食事に勝るものはない: 普通の食事にはサプリに入っていない食物繊維やポリフェノール、まだ分かっていない成分が含まれる。噛んで唾液を出し、消化液が出て消化管が動いて吸収されるという一連の過程そのものにも意味があり、錠剤を水で流し込むだけではそこが省かれてしまう。何でもサプリで特定の栄養素を摂れば済むとは考えないことが前提だとする。

それでも現代人には足りていない: 統計を見ると日本人の多くはビタミンA・B1・B2・B6・C、カルシウム、マグネシウム、亜鉛が不足しがちで、その結果として免疫の低下、疲労感、食欲不振、皮膚炎や口角炎が起きると指摘する。女性は鉄、屋内中心の生活ではビタミンD、50歳を超えると吸収が落ちるビタミンB12も足りなくなりやすい。本来は足りないものだけを単体で補うのが理想だが、何が足りないかは自分では分からないので、広く含むマルチが都合がよいという理屈である。

飲むタイミング: 1日分をまとめず2〜3回に分けて数時間おきに飲むのを勧める。水溶性ビタミンは尿から出ていき体内に留まりにくいからである。脂溶性のA・D・E・Kは脂の多い食事と一緒だと吸収が上がるので食後がよく、逆にカルシウムやマグネシウムはアルカリ性で胃酸を中和してしまうため食間がよい。ビタミンCは睡眠中に吸収率が2割ほど上がるので寝る前も有効。ただし栄養素ごとに最適が違うため、本人は細かくは気にしていないという。