マルトデキストリン

増量・パフォーマンス

マルトデキストリンは、吸収の速い粉末タイプの糖質

役割

でんぷんを分解して作られた甘さが控えめで水に溶けやすい糖質です。運動中や直後のエネルギー補給、体重を増やしたいときのカロリー上乗せに使いやすく、固形物が入らない時間帯でも胃に負担をかけにくいのが利点です。ブドウ糖が鎖状に連なった多糖で、海外の解説チャンネル「School of Sports Nutrition」は、体内で分解されながらもブドウ糖とほぼ同じ速さで吸収されると説明しています。

摂り方

増量目的ならトレーニングの前後に30〜60gをプロテインや水に溶かして。長時間の運動中に使うなら1時間あたり30〜60gを目安に少しずつ。普段の食事で必要なカロリーが摂れている人は、無理に足す必要はありません。持久系が2.5時間を超えるなら、単独より果糖を混ぜた方が多く摂取できるとする総説があり、マルトデキストリンと果糖を混ぜて1時間120gを摂らせた研究では、3時間後の出力の落ち込みが60gや水だけの場合より小さかったと報告されています。

注意点

血糖値を上げやすい糖質なので、座って過ごす日にまで習慣で足すと体脂肪が増えます。使う場面を運動の前後に限るのが基本です。糖尿病など血糖の管理が必要な方は自己判断で使わず、必ず医療者に相談してください。甘みが控えめなぶん摂取量に気づきにくく、海外の解説チャンネル「School of Sports Nutrition」は、より甘いデキストロースより大量に摂りがちな点に注意を促しています。

出典

  1. 論文・英語 Morton JP ほか(2026) From Metabolism to Medals: Contemporary Perspectives and Revisiting Carbohydrate Guidelines for Fueling Endurance Athletes during Exercise
  2. 論文・英語 Norte BR ほか(2026) Graded Carbohydrate Ingestion up to 120 g·h⁻¹ Attenuates the Reduction in Critical Power Following 3 h of Moderate-Intensity Exercise in a Dose-Dependent Manner
  3. 動画・英語 School of Sports Nutrition MALTODEXTRIN VS DEXTROSE. WHICH IS BETTER FOR ENDURANCE ATHLETES?

解説動画: マルトデキストリンとは何か、選び方と摂るタイミング/NEXTFIT Kento 【身体を変える栄養学】

概要: トレーニング中の糖質補給に使うマルトデキストリンを解説する回。いわゆる粉飴で、正体はでんぷんを酵素で分解した糖質。吸収効率だけならブドウ糖が最も良いが、甘すぎて一度に量を摂れない。マルトデキストリンはブドウ糖の10分の1ほどの甘さなので、大量に摂っても飲みやすいのが利点である。

何のために飲むのか: トレーニングを続けると蓄えた筋グリコーゲンが使われて血糖値が下がり、パワーが出なくなる。そこを補ってトレーニング中から終わった後まで血糖値の高い状態を保つのが目的である。血糖値の上がりやすさを示すGI値は白米が約55なのに対しマルトデキストリンは105。粒子がもともと細かく消化にほとんど時間がかからないため、下がった血糖値を急いで戻したい場面に向く。

買うときに間違えやすい点: デキストリンには血糖値の上昇を助けるものと抑えるものがあり、目的が正反対になる。トクホの飲料などに入っている難消化性デキストリン、それに近い多分岐デキストリンを買うと、上げたい血糖値をむしろ抑えてしまう。標準的なマルトデキストリンかどうかを表示で確かめてから買うよう念を押している。

量とタイミング: 量は普段のプロテイン1回分と同じくらいでよく、投稿者は1回30〜50gを目安にしている。飲むのはトレーニング中に1回と、終わった直後に1回。摂ってから約30分で血糖値がピークになり、そこからまた下がっていく。眠気を感じた時点ですでに血糖値は落ちているので、眠気を感じるか感じないかの手前で摂るのを目安にしている。

ウェイトゲイナーとの関係: バルクアップ向けのウェイトゲイナー型プロテインには初めからマルトデキストリンが入っていることが多く、必ず別に買う必要はない。投稿者はタンパク質含有率80〜90%のプロテインを選び、糖質は別途マルトデキストリンで足すやり方をとっている。製品は1kgあたり1000〜1600円ほどが目安で、シンプルな製品でも効果は変わらないとしている。