HMB

増量・パフォーマンス

HMBは、ロイシンからできる代謝物

役割

ロイシンが体内で代謝されてできる物質で、筋たんぱくの分解を抑える方向に働くと考えられています。国際スポーツ栄養学会の2024年の声明は、未経験者では筋力とパワーが高まりうる一方、鍛えた人では結果が割れるとしています。高齢者では、9試験896人を統合した2022年のメタ分析(HMB入りの製品を含む)で筋力の指標が高まっていました。

摂り方

国際スポーツ栄養学会の声明は1日に体重1kgあたり38mg(70kgなら約2.7g)を挙げ、研究の範囲は1日1.5〜6gです。運動の前後の近い時間に摂ると有利かもしれないとされます。ロイシンのうちHMBに変わるのは約5%と少なく、狙って増やすならサプリになりますが、まずは食事のたんぱく質とクレアチンを優先したほうが無難です。

注意点

スポーツ選手の試験を統合した2022年のメタ分析(Hollandら)では、除脂肪体重への効果は小さく有意ではなく、たんぱく質の摂取が1日に体重1kgあたり1.6g未満の場合に限られるようでした。期待値は控えめに持ってください。クレアチンの代わりになる成分ではありません。持病のある方や治療中の方は医療者に相談しましょう。

出典

  1. 論文・英語 Rathmacher JA ほか(2024) International society of sports nutrition position stand: β-hydroxy-β-methylbutyrate (HMB)
  2. 論文・英語 Holland BM ほか(2022) Does HMB Enhance Body Composition in Athletes? A Systematic Review and Meta-analysis
  3. 論文・英語 Lin Z ほか(2022) Effect of β-hydroxy-β-methylbutyrate (HMB) on the Muscle Strength in the Elderly Population: A Meta-Analysis

解説動画: HMBはロイシンから生まれる物質という位置づけ/ザ・きんにくTV 【The Muscle TV】

ロイシンが変化してできる: HMBはBCAAを構成する必須アミノ酸のひとつロイシンが、体内でいろいろに代謝されていく過程の一部が変化したもので、正式にはβヒドロキシβメチル酪酸という。つまり単独で存在する特別な成分ではなく、ロイシン由来の物質としてサプリメントになっている、という説明のしかたをしている。

報告されている効果: HMBには筋肉の分解を抑える働きと、筋肉を合成させるシグナル、つまり合図を出す働きが報告されている。BCAAの解説の流れの中で、ロイシンが持つ働きの延長として紹介されている。

摂れば筋肉が増えるわけではない: これを摂れば筋肉がモリモリ増えるといった過剰な広告があり、誤解している人が多いと注意を促す。合成のシグナルが出ても、そのときに血中にタンパク質やアミノ酸という材料がなければ筋肉は合成されない。さらにトレーニングをしなければ筋肉は成長しない。それだけで筋肉がつくサプリメントは存在しないという前提で、あくまで栄養補助食品として、しっかりした食事とトレーニングの上に乗せるものだと締めくくっている。