EAA

アミノ酸

体で作れない9種をまとめて

役割

体内で合成できない9種類の必須アミノ酸をまとめたサプリで、筋たんぱく質の合成に必要な材料がひと通りそろっています。食事量が落ちる減量期や、朝一番の空腹時など、材料が不足しがちな時間帯を手早く埋める目的で使われます。

摂り方

1回10〜15gを、トレーニングの前後や空腹の時間が長くなるときに、水500ml程度に溶かして少しずつ飲みます。普段の食事でたんぱく質が足りている人は、まず食事とプロテインを優先したほうが費用対効果は高いです。

注意

味が濃く酸味の強い製品が多く、濃いまま一気に飲むと胃もたれや下痢を起こすことがあります。うすめて時間をかけて飲むのが無難です。酸が歯に触れる時間が長くなるため、飲み終えたあとに水で口をゆすいでおくと安心です。

解説動画: EAA不要論への反論と、食事回数の穴を埋める使い方/山澤礼明【筋肉チャンネル】

概要: 体作りの食事は3時間に1回、1日6食が理想とされる。長時間タンパク質が入らないと血中アミノ酸濃度が下がり、筋肉を合成したいタイミングに材料がない状態になるため。ただし6食には問題が2つあり、減量中は総カロリーを6分割すると1食が少なすぎて満足度が下がりきついこと、そして筋トレ前の食事は最低3時間空けたいことが挙げられる。

筋トレの前後は間隔が空く: 激しい筋トレでは鍛えている部位に血流が回るため、2時間前に食べると消化に血流が足りず消化不良で気持ち悪くなる。終わったあとも胃に血流が戻るまで最低15分は空けたい。筋トレ4時間前に食事、2時間のトレーニング、その後に食事となると6時間ほど空いてしまうので、本人の場合は1日4食がベストになる。

アミノ酸で回数を6回分にする: 4食のデメリットは、タンパク質が入る回数が4回しかないこと。そこを埋めるのがEAAで、朝と筋トレ中の2回飲むことで1日4食でも6回分の栄養摂取になる。理由は吸収の速さで、肉などの固形物は食べ終わってから血中濃度が上がるまで3時間ほどかかるのに対し、EAAなら15分で血液中に回る。起床後の準備時間も含めると朝食の栄養が届くのは3時間半後になるため、その空白を埋められる。

飲まなくても筋肉はつくが差はつく: EAAは金の無駄という主張に対しては、同じ人が食事回数を増やせと言っているなら矛盾していると反論する。飲まなくても筋肉はつくし減量もできるが、争点はEAAを飲むかどうかではなく100点満点の栄養摂取を目指し続けているかどうかで、それを1年、2年と続けた人とタイミングを考えずに食べている人では差がつくという立場。EAAがない人は1日4食+筋トレ前にプロテインを1回で最低5回、増量中はプロテインを2回にするとよい。本人の筋トレ中のドリンクはピンクソルト2g、糖質30g、EAA30g。

解説動画(海外・英語): AMINO ACID SUPPLEMENTS! BCAA (Branched-Chain Amino Acid) Benefits Explained by ER Doctor/Doctor ER

体内で作れない9種類が必須アミノ酸(EAA): 救急医の Jordan Wagner が、必須アミノ酸を中心にアミノ酸全般を解説した回。アミノ酸はつながってタンパク質になる有機化合物で、食べたタンパク質は消化されるとアミノ酸に戻る。体はそれを材料に、成長や組織の修復、筋肉づくり、その他さまざまな体内の働きに使うタンパク質を作り直し、エネルギー源としても使う。アミノ酸は必須・非必須・条件付き必須の3群に分けられ、この動画が扱うのは体内で作れず外から摂るしかない必須アミノ酸。9種類あり、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン。名前を全部覚える必要はないが、体の機能の要になっている点だけ押さえておけばよいという。供給源は肉・卵・キヌア・大豆などの食品か、粉末のサプリメントドリンク。

気分と睡眠に関わるトリプトファンの話: 動画が挙げる利点の1つ目は気分と睡眠。必須アミノ酸の1つであるトリプトファンは、神経伝達物質として働くセロトニンを作るのに必要で、セロトニンは気分や睡眠、日々のふるまいといった精神面の調整に関わる。トリプトファンを補うことで抑うつの症状が軽くなり、気分や睡眠が改善したとする研究が複数あると紹介している。ただしこれはあくまで栄養の話で、気分の落ち込みや不眠が続くときにサプリで対処しようとするのは順序が違う。まず医療者に相談したい。処方薬を使っている人は相互作用の可能性もあるため、自己判断で足さないこと。

体脂肪と筋肉痛への主張。ただし根拠の多くはBCAA研究: 2つ目は減量。ヒトと動物の研究のいくつかで必須アミノ酸が脂肪の減少を促す可能性が示されており、8週間の研究では1日14gの分岐鎖アミノ酸(BCAA)を摂ったグループが、ホエイプロテインやスポーツドリンクのグループに比べて体脂肪率を有意に下げたという。3つ目は筋肉痛。運動の12〜24時間後に現れ最大72時間続く遅発性筋肉痛は、原因が完全に解明されているわけではないが、運動でできた筋肉の微細な断裂の結果と考えられている。BCAAは筋の損傷を減らすことが示されており、特に運動前に摂ると回復が早まる可能性があるとして、トレーニング中のボトルに溶かして飲む使い方を勧めている。ここで引用されている研究の多くはEAA全体ではなくBCAAのものである点は、読むときに区別しておきたい。

筋肥大への効果と、ホエイと比べたときの数字: 4つ目は筋肥大。BCAAの中のロイシンが、筋タンパク質合成(筋肉が作られる過程)を促す体内の経路を活性化する。ある研究では、筋トレ後に5.6gのBCAAを含む飲料を摂った人は、プラセボ飲料の人に比べて筋タンパク質合成の増加が22%大きかった。ただし動画自身が断っているとおり、同程度のBCAAを含むホエイプロテイン(WPC/WPI)を飲んだ別の研究と比べると、この増え方はそちらより約50%小さい。分岐鎖の3種だけを足すより、9種そろったタンパク質源のほうが合成の押し上げは大きいと読める数字で、EAAというカテゴリを考えるうえで重要な比較といえる。まず食事でタンパク質を確保し、その補助としてサプリを置くという順番になる。

肝臓に関する言及と、日本で読むときの注意: 5つ目として、BCAAが肝硬変の人の状態を良くする可能性に触れている。肝硬変ではおよそ50%の人が、肝臓が血液中の毒素を処理できなくなって起きる肝性脳症を発症するとされ、治療の主軸はラクツロースなどの糖類だが、研究者は合併症を防ぐ栄養面の介入としてアミノ酸を挙げている、という紹介だ。これは医療者の管理下で行う話で、市販サプリで代用できるものではない。動画の結び自体も、健康な人が現代の食生活で必須アミノ酸不足になることはまれで、毎日いろいろなタンパク質源を食べるのが最善、そしてサプリを使う前に必ず医師に相談をとしている。なお動画には米国のアミノ酸製品の紹介(クレアチンやカフェインを含む配合を、割引コード付きで薦めている)が入っており、配合も入手経路も日本の事情とは異なるため、そのまま当てはめないほうがよい。