マグネシウム
ビタミン・ミネラル
筋肉の収縮と弛緩を支える
役割
体内の300を超える酵素反応にかかわるミネラルで、筋肉の収縮と弛緩、神経の伝達、エネルギー産生に関与します。骨の構成成分でもあり、体内の約6割は骨に存在します。発汗の多い人や飲酒量の多い人では不足しやすくなります。
摂り方
食事では海藻、ナッツ、大豆製品、玄米が摂りやすい供給源です。推奨量は成人男性で1日340〜370mg、女性で270〜290mg。サプリを使うなら1日100〜300mg程度を夕方以降に分けて摂ると、おなかがゆるくなりにくくなります。
注意
酸化マグネシウムなど一部の形は緩下作用が強く、量が多いと下痢になります。腎機能が低下している方では高マグネシウム血症のリスクがあるため、自己判断で摂らないでください。便秘薬を常用している方も医療者に相談しましょう。
解説動画: マグネシウムの7つの働きと不足したときのリスク/薬剤師けいのお薬相談室
概要: 薬剤師がマグネシウムの役割をまとめた回。骨や歯をつくるミネラルで、体内には約25gあり、その半分以上が骨の中に存在する。体内では作れないため食品から摂る必要があり、不足すると吐き気・震え・脱力感・眠気・食欲不振といった低マグネシウム血症の症状が出ることがある。
骨はカルシウムだけでは作れない: マグネシウムは骨芽細胞に働きかけて骨に入るカルシウムの量を調節しており、骨密度を保つ役割を担っている。つまりカルシウムばかり摂っても、マグネシウムが足りなければ正常な骨は作れない。不足が続けば骨量が減り、骨折につながる骨粗鬆症のリスクが高くなるため、高齢者は特に注意が要る。
血糖・血圧・心臓への働き: 摂取量が多い人は2型糖尿病の発症リスクが10〜35%低いとされ、1日100mgの上乗せでも8〜12%下がると紹介する。体内のカルシウム濃度のバランスを保って血管の収縮と拡張を調節するため、天然のカルシウム拮抗薬とも呼ばれ高血圧の予防に役立つ。血圧が抑えられれば動脈硬化の進行も遅くなり、狭心症や心筋梗塞の予防にもつながる。血小板が固まるのを抑えて血栓をできにくくする働きもある。
神経とエネルギー代謝: 神経の興奮を抑えて精神状態を安定させる働きがあり、摂取量の多い人は少ない人より抑うつ状態が37%少ないというデータを挙げる。神経の伝達にも関わるため、不足すると神経が過敏になったり、意図せず筋肉が震えたりしびれたりする。さらに酵素を活性化することで食事から摂った栄養をエネルギーに変える代謝を助ける。
摂り方と覚え方: 推奨量は年齢と性別で異なる。多く含むのは野菜・豆類・海藻・魚介・種実・果物で、「そばのひ孫と孫は優しい」という語呂で含有食材をまとめて覚える方法を紹介している。食べる以外では、硫酸マグネシウムを溶かすエプソムソルトという入浴剤があり、お湯に対して0.1%の濃度が実感しやすいとされる。皮膚から入れる場合は肌のバリア機能、むくみ、筋肉のこりや疲労、睡眠の質などへの効果が期待できるという。