カゼインプロテイン

プロテイン

カゼインプロテインは、ゆっくり届く夜向きのたんぱく源

役割

牛乳のたんぱく質のおよそ8割を占め、胃で固まってゲル状になり、アミノ酸を少しずつ長く送り出します。食事の間隔が空くときや就寝前に向く成分です。健康な成人が1回の食事で摂り、7時間追った実験(Boirieら、1997年)では、ホエイは血中アミノ酸が急に上がって短く終わり、全身のたんぱく質の分解を抑えたのはカゼインだけ(34%)でした。

摂り方

就寝前に30〜40gのカゼインは夜間の筋たんぱく質合成を増やす、と国際スポーツ栄養学会(ISSN)の位置声明(Jägerら、2017年)は述べています。若い男性44人の12週間の筋トレ(Snijdersら、2015年)では、就寝前にたんぱく質27.5g・炭水化物15gを摂った群のほうが、プラセボ群より大腿四頭筋の断面積が+8.4対+4.8cm²と大きく増えました。とろみが強いので水は多めに溶かします。

注意点

牛乳アレルギーのある人は摂れません。筋トレ後に必須アミノ酸10g分を飲んだ若い男性18人の実験(Tangら、2009年)では、筋たんぱく質の合成はホエイがカゼインより122%高くなりました。PictureFit(YouTube)は、数週間を超える研究では両者の差が縮み、決め手は総摂取量だと話し、カゼインは満腹感が強いとも指摘します。就寝前に胃が重いときは量を減らします。

出典

  1. 論文・英語 Boirie Y ほか(1997) Slow and fast dietary proteins differently modulate postprandial protein accretion
  2. 論文・英語 Jäger R ほか(2017) International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise
  3. 論文・英語 Snijders T ほか(2015) Protein Ingestion before Sleep Increases Muscle Mass and Strength Gains during Prolonged Resistance-Type Exercise Training in Healthy Young Men
  4. 論文・英語 Tang JE ほか(2009) Ingestion of whey hydrolysate, casein, or soy protein isolate: effects on mixed muscle protein synthesis at rest and following resistance exercise in young men
  5. 動画・英語 PictureFit WHEY vs CASEIN
  6. 動画・英語 PictureFit Casein - Better Than Whey Protein?

解説動画: ホエイ・カゼイン・ソイの選び分けとカゼインの役割/OCEANS

概要: 売り場に並ぶホエイ・カゼイン・ソイの違いを、日本体育大学の岡田隆が整理する。ホエイとカゼインは牛乳由来の動物性、ソイは大豆由来の植物性で、動物性のほうがロイシンというアミノ酸の含有量が高く筋肉作りに有効。植物性はロイシンが少なく、筋肉作りではホエイほどの効果は出せない。何も考えずに選ぶならホエイでよい、というのが基本方針。

カゼインはスロープロテイン: カゼインは牛乳の中で大きな体積を占めるタンパク質で、胃酸などと組み合わさると凝固する性質がある。胃の中で固まるためゆっくり時間をかけて吸収され、血中のアミノ酸レベルが一気に上がらない。そのため長時間何も食べられないときに、血中のアミノ酸レベルを持続的に保っておきたい場面では有効だが、レベルをぐっと上げて筋肉を一気に成長させる作用は得にくい。イメージとしてはスロープロテインと考えるとよい。

どれを選ぶか: 筋肉に速やかにアミノ酸を届けられるのはホエイで、筋合成には最強という評価。ダイエット目的の人もソイを選びがちだが、体脂肪が落ちたあとに筋肉がないと美しい体にならないため、ホエイが第一選択になる。カゼインは長時間栄養が摂れない生活が想定される人に、ソイは植物性を摂りたい人に向く。動物性と植物性の比率を1対1に近づけることが健康面では重要とも言われているので、その調整にソイを使うのもよい。

飲むタイミングは小分けが基本: トレーニング後30分のゴールデンタイムは間違いではないが、1日のタンパク質量が確保できていれば差は大きくないというのが最近の主流。目安は体重70kgの人で1日70g、筋トレをするならその1.6〜2倍。ただし一度にまとめて摂ると消化しきれず、未消化のタンパク質が大腸に流れ込んで腸内細菌に腐敗されるため、焼肉の翌日に匂いの強い便やガスが出るのと同じことが起きる。1日の量を小分けにして均等に摂り、食事で取りにくい時間帯にプロテインを充てるのがよい使い方になる。