インクラインダンベルフライ

胸

器具: ダンベル / 難易度: 中級

インクラインダンベルフライは、鎖骨側を伸ばして寄せるフライ

効く筋肉

大胸筋の上部(鎖骨側)が主役で、三角筋前部と上腕二頭筋も働きます(ScottHermanFitnessの解説)。鍛錬者30人が60%1RMの重さで0〜60度の5段階でベンチプレスを行った研究では、大胸筋上部の活動は30度で最大でした。著者は、45度を超えると三角筋前部の活動が有意に高まり、大胸筋の筋パフォーマンスは下がると結んでいます。

やり方

ベンチは30度に設定します。GENT Fitnessは、胸を張ってアーチを作れる人なら45度でもよいが、硬い人が多いので30度を勧めています。肩甲骨を寄せて下げ、胸を張って始め、肘を遠くへ落とす意識で胸の上側が伸びるところまで下ろします。VALX 山本義徳 筋トレ大学は、重さは軽めでよく、10回を無理なくできる重さで10〜15回を目指すよう話しています。

フォームの注意点

ScottHermanFitnessは、肩に痛みが出るときは、寝る前に肩甲骨を寄せて下げていないことが多いと話し、途中でずれたら腕を真上に伸ばして止め、直すよう勧めています。また同チャンネルの別の動画は、ダンベルを常に胸の上に保ち、首や顔のほうへ流れたら止めて直すよう勧めています。GENT Fitnessは、きつくなると伸ばす位置を浅くしがちだが、この種目はストレッチを優先するよう勧めています。

バリエーション・代替種目

インクラインダンベルプレスは三角筋前部への刺激も強く、VALX 山本義徳 筋トレ大学は上部だけを狙うならフライのほうがよいと話しています。同じ動画は、上部を優先する日は最初に、全体を育てたい日はフラットの種目を先に行い、余力があればケーブルクロスオーバーで収縮を足すとしています。経験のある選手8人の研究では、95%1RMのベンチプレスの前にこのフライで追い込んでも、大胸筋と三角筋前部の活動は変わりませんでした。

出典

  1. 論文・英語 Rodríguez-Ridao D ほか(2020) Effect of Five Bench Inclinations on the Electromyographic Activity of the Pectoralis Major, Anterior Deltoid, and Triceps Brachii during the Bench Press Exercise
  2. 論文・英語 Gołaś A ほか(2017) Effects of Pre-exhaustion on the Patterns of Muscular Activity in the Flat Bench Press
  3. 動画・英語 ScottHermanFitness How To: Incline Dumbbell Fly || Hit Your Chest HARD!
  4. 動画・英語 ScottHermanFitness HOW TO: Incline Dumbbell Fly || PERFECT FORM (GROWTH & STRENGTH)
  5. 動画 VALX 山本義徳 筋トレ大学 インクラインダンベルフライで正しく効かせるために注意しなければいけない点とは【胸トレ】
  6. 動画 GENT Fitness 【胸トレ】胸上部の広がりをつくる!インクラインダンベルフライのやり方

解説動画: 【筋トレ】大胸筋上部の盛り上がりを作るための種目がこれです。胸をデカく見せるための筋トレ/VALX 山本義徳 筋トレ大学

上部は屈曲と内旋で働く: 動画はまず大胸筋上部の働きから整理します。腕を前へ上げる肩関節の屈曲と、腕を内側へひねる内旋の二つが上部の仕事で、三角筋前部にも同じ働きがあると述べます。だから腕を斜め上へ屈曲させながら内側へひねる動きが、上部と三角筋前部の両方を働かせるのに向くという話につながります。鎖骨まわりが発達しているかは海外の選手と並んだときに差になったとも語ります。

角度は30度に抑える: 上部のためにインクラインベンチプレスをやる人は多いものの、ベンチの角度が高くなると刺激が上部から三角筋前部へ移ってしまうと言います。筋電図の測定でも出ているそうで、上部に強く効かせたいなら30度ほどに抑えます。またインクラインでは肘を張ると水平屈曲が主になって中部寄りになるため、肘を少し落として脇を締め、斜め上へ挙げるように勧めます。

上げながら親指を近づける: ダンベルフライでも同じく内旋を意識します。下ろすときは外側へ開き、上げながら親指同士を近づけていく動かし方で、こうすると胸の上側が盛り上がっていくのが分かると説明します。実演した人はそれまで手首で動かしがちだったと振り返り、肘の内旋を意識した瞬間に上で効く場所がはっきりして、意識のしかたそのものが変わったと話しています。

外側と内側を続けて狙う: フライという名前の通り、ストレッチのかかる位置で負荷が乗る種目で、効くのは上部でも外側だと述べます。上部の内側が弱い人は多いため、フライのすぐあとに手幅を狭めたインクラインプレスを続けるスーパーセットを紹介します。フライで外側、プレスで内側と分かれるので、上部を全体的に発達させるのに向く組み方だと言います。実演でも二種目を続けて行っています。

高角度はニュートラルで: 最後に、ベンチの角度を75度ほどまで立てたフライを示します。プレスだと角度を上げるほど三角筋に負担が移りますが、フライなら角度を高くしても大胸筋に入りやすいと述べます。ただし高い角度で内旋を強めると肩への刺激が強くなりすぎるため、手のひらを向かい合わせにするニュートラルグリップで行い、肩の負担を抑えたまま上部を伸ばします。