ディップス
胸
器具: 自重 / 難易度: 上級
ディップスは、上半身のスクワットと呼ばれる自重種目
効く筋肉
前傾姿勢で行うと大胸筋の下部が主役になり、体を起こすほど上腕三頭筋の比重が増えます。健康な成人男性10人が肘の角度を75度・85度・95度に変えて平行棒ディップスを行った研究(Çınarlıら、2021年)では、肘を深く曲げる75度で上腕三頭筋の活動が最も高く、大胸筋の活動は角度による差がありませんでした。自重で高い負荷をかけられる押す種目の代表格です。
やり方
平行棒の上で肘を伸ばして体を支え、上体を30度ほど前傾させ脚を軽く後ろへ引きます。肩甲骨を寄せたまま肩が肘と同じ高さになるまで下ろし、胸で押し上げます。Buff Dudesは、下ろす前に膝を軽く曲げて体幹を締めておくと、体が前後に揺れるのを抑えられると説明しています。6〜10回を3セット、余裕が出たらベルトで加重します。
フォームの注意点
肩が耳に近づくほど深く落とすと、肩関節の前側を強く痛めます。下ろす深さは上腕が床と平行になるまでを上限とし、体を揺らして反動を使わないようにします。Calisthenicmovementは、肘を真横ではなく体の後ろ寄りに開くことと、背中を丸めないことも挙げています。男性13人でベンチ・平行棒・リングのディップスを比べた研究(McKenzieら、2022年)では、ベンチはほかより肩を伸ばす可動域が大きく必要だとしています。
バリエーション・代替種目
まだ上がらないうちはチューブを踏んで補助をつけるか、足を床に残したベンチディップスから始めます。同じ研究(McKenzieら、2022年)では、上腕三頭筋の活動は平行棒とリングでほぼ同じ強さがあり、ベンチより高くなっています。Calisthenicmovementは、リングは慣れてから使うのがよいとしています。器具で近い刺激を得るならデクラインベンチプレスが候補になります。
出典
- 論文・英語 Çınarlı FS ほか(2021) Effect of elbow angle on triceps brachii and pectoralis major muscle activity during parallel bar dip
- 論文・英語 McKenzie A ほか(2022) Bench, Bar, and Ring Dips: Do Kinematics and Muscle Activity Differ?
- 動画・英語 Buff Dudes How To Do Dips - Chest & Triceps Exercise
- 動画・英語 Calisthenicmovement The Perfect Dip - Do it right
解説動画: ディップスで大胸筋を狙う:三頭に逃がさないフォームの違い/山岸秀匡の結論【筋トレ切り抜き】
概要: 大胸筋が弱点だと感じている人にこそディップスを勧めている。ベンチプレスやダンベルプレスを胸のメイン種目に置きたくなるところだが、胸の第一種目に持ってきてもいいほど重要な種目という位置づけ。同じディップスでもフォーム次第で上腕三頭筋にも大胸筋にも寄せられるため、今回は大胸筋、特に下部を狙う使い方との違いを解説している。
上腕三頭筋を狙うフォーム: 三頭筋に入れたいときは胸を張り、上体を立てたまま体を沈めて、肘の曲げ伸ばしで押し上げる。ディップスは三頭筋の種目として正統的に使ってもよく、この姿勢だと自然に三頭へ入る。胸を張って収縮させるという点は、他の三頭種目と共通する感覚として説明している。
大胸筋に効かせるフォーム: 大胸筋を狙うときは逆に胸をすぼめる。肩を前に出し、足を後ろに残して体を前に倒すようにし、体を丸め込むイメージで動作する。横から見ると三頭狙いのときと上体の角度がはっきり違い、この姿勢をとることで大胸筋の下部が収縮しやすくなる。胸を張るか、すぼめて前傾するかが、そのまま効く場所の違いになる。