ワイドプッシュアップ

胸

器具: 自重 / 難易度: 初級

ワイドプッシュアップは、手幅を広げて腕の関与を減らす腕立て

効く筋肉

男性12人が手幅を50%・100%・150%に変えて8筋を測った研究(Kim ら、2016年)では、大胸筋は狭い・中間で高く、上腕三頭筋は狭いとき高く、前鋸筋は150%で最も高くなりました。40人の研究(Cogley ら、2005年)も、大胸筋・上腕三頭筋とも広い手幅より狭い手幅が高いとしています。腕の関与を抑えたいときの選択肢です。

やり方

手は肩幅の1.5倍ほどに置き、頭から足まで一直線を保ちます。胸が床に触れる手前まで下ろして息を吸い、腕を伸ばしきるまで吐きながら押し戻します。ザ・きんにくTVは、この手幅で10〜15回を3セットから、ゆっくりした速さで始めるよう勧めています。CALISLIFE自重トレは、下ろすときに肩甲骨を寄せ、上げるときに外へ開く意識を挙げています。

フォームの注意点

肘を真横(約90°)に開くと肩関節の負担が大きく、けがにつながる可能性が高いと、CALISLIFE自重トレは説明し、脇を約45°に保って目線は少し斜め前に置くよう勧めています。Howcast の Max Tapper は、手幅を広げるほど動く範囲が狭まるだけで、胸に力が入らなくなるほどは広げないよう注意しています。

バリエーション・代替種目

手幅を狭めたナロープッシュアップは、先の2件で広い手幅より大胸筋・上腕三頭筋の活動が高く、標準・ダイヤモンド・ワイドを比べた男性20人の研究(Intziegianni ら、2026年)ではダイヤモンド型が両筋とも最も高くなりました。きついときはインクラインプッシュアップのように手を台や壁につくか、CALISLIFE自重トレが勧める膝つきで負荷を下げます。

出典

  1. 論文・英語 Kim YS ほか(2016) Effect of the push-up exercise at different palmar width on muscle activities
  2. 論文・英語 Cogley RM ほか(2005) Comparison of muscle activation using various hand positions during the push-up exercise
  3. 論文・英語 Intziegianni K ほか(2026) Electromyographic Activation of the Pectoralis Major and Triceps Brachii Muscles During Standard, Diamond, and Wide Hand Position Push-Ups
  4. 動画・英語 Howcast How to Do a Wide Grip Push-Up | Chest Workout
  5. 動画 ザ・きんにくTV 【The Muscle TV】 【自宅筋トレ】なかやまきんに君の正しい腕立て伏せを学ぼう。
  6. 動画 CALISLIFE自重トレ 【腕立て伏せ解説】正しいフォームと大胸筋に効かせるポイント!

解説動画: プッシュアップの手幅とフォーム:胸に効かせる広げ方/バズーカ岡田の筋トレラボ

概要: プッシュアップは大胸筋をメインに、三角筋前部と上腕三頭筋を同時に鍛えられる種目。さらに体幹をまっすぐ固めるための腹筋群や股関節前の腸腰筋、姿勢を保つ前鋸筋・小胸筋も動員される。自分の体を支える前鋸筋や小胸筋はベンチプレスよりプッシュアップの方が鍛えられるため、ジムで挙げている人にも取り入れる価値があると述べている。

手幅の決め方: 前ならえのように腕をまっすぐ前へ上げたときの幅が、胸を鍛える上で最も狭いナローポジションになる。これより内側に入ると大胸筋には効きにくく、上腕三頭筋の関与が強くなる。ここから手のひら1個分、2個分、3個分と外へ広げると肘の曲がりが浅くなり、腕の後ろより胸に効く感覚が強まる。体格によって適した幅は違うので、肩の前側にストレスがなく胸に力が入る幅を選ぶ。手は両肩を結ぶ線より下に置く。

フォームと深さ: 足首・膝・腰・肩までが一直線になるように体を支え、その姿勢のまま胸を地面すれすれまで下ろす。きつくなると一直線が崩れたり、最初からお尻が上がったり、下ろす深さが浅くなったりしやすい。可動域を狭くするパーシャルにも別の効果はあるが、基本は深く下ろす。筋力がない人は膝をついたイージーバージョンにし、上級者は限界がきてから膝をついて追い込む使い方ができる。

テンポとセットの組み方: 下ろし1秒・上げ1秒のリズムが力も抜けにくく行いやすい。3秒ずつのスローは大胸筋から負荷が抜けない代わりに精神力がいり、速く行うのは一瞬で強い力を出す練習になるので競技者向き。自重種目は回数を決めず、限界まで追い込むオールアウトを3セット、インターバルは1〜2分を目安にする。

終わった後のチェック: セットの後に胸が疲れているのか、腕の後ろが疲れているのかを自分で確かめる。胸の疲れが腕より高い状態で終われていればよい。もうひとつは肩の前側と肘の先端に違和感がないかである。前ならえの位置から手のひら2〜3個分外へ広げ、その下に手を置けばおおむね問題ないとしており、分からない場合は腕を上げていって肩の前が突っ張る手前の高さを探すとよい。