指標図鑑
PER(株価収益率)(会社の値段)
利益の何年分の値段が付いているか。株価が1株あたり利益(EPS)の何倍になっているかを示します。PER 15倍なら、今の利益がそのまま続くとして15年分の値段が付いているという意味です。会社の値段を利益で測る、最も基本的なものさしです。
PBR(株価純資産倍率)(会社の値段)
解散したときの価値と比べて、何倍か。株価が1株あたり純資産の何倍かを示します。PBR 1倍とは、今すぐ会社をたたんで資産を配ったときの金額と、株価が同じ状態を意味します。1倍割れは、市場がその会社の資産を活かせないと見ていることになります。
PSR(株価売上高倍率)(会社の値段)
まだ利益が出ていない会社を測る。株価を1株あたり売上高で割った数字です。赤字だとPER(株価収益率)が使えないため、成長途上の企業を比べるときに使われます。
EV/EBITDA倍率(会社の値段)
借金まで含めて、会社を丸ごと買う値段。EV(企業価値)は時価総額に有利子負債を足し、現金を引いた金額——つまりその会社を借金ごと買い取るのに必要な額です。それをEBITDA(利益に減価償却などを足し戻したもの)で割ります。
配当利回り(会社の値段)
株価に対して、1年でいくら配られるか。1年間の配当金を株価で割った数字です。株価1,000円で年間配当30円なら3%です。買った値段で固定されるので、安いときに買えば自分にとっての利回りは高いまま続きます。
配当性向(会社の値段)
稼いだ利益の何割を配っているか。配当の総額を当期純利益で割った割合です。100%を超えていれば、稼いだ以上を配っていることになり、その原資は過去の蓄えか借入です。
EPS(1株あたり利益)(会社の中身)
1株が1年で稼いだ金額。当期純利益を発行済株式数で割った数字です。株価はこの数字の何倍か(PER)で語られるので、EPSが伸びれば同じPERのままでも株価は上がります。株価を動かす土台の数字です。
ROE(自己資本利益率)(会社の中身)
株主の出したお金を、どれだけ増やせたか。当期純利益を自己資本で割った割合です。株主が預けた元手に対して、1年で何%の利益を生んだかを示します。日本では改善が長く課題とされてきた指標です。
ROA(総資産利益率)(会社の中身)
持っている資産すべてで、どれだけ稼げたか。利益を総資産で割った割合です。借りたお金も含めた手元にある資産全部を使って、どれだけ効率よく稼いだかを示します。ROE(自己資本利益率)と違い、借金で数字を良く見せることができません。
自己資本比率(会社の中身)
総資産のうち、返さなくていいお金の割合。自己資本を総資産で割った割合です。高いほど借金への依存が小さく、不況に耐えやすいと読めます。倒産に直結するのは赤字そのものではなく資金繰りなので、この数字は生存力の指標です。
営業キャッシュフロー(会社の中身)
利益より嘘をつきにくい数字。本業で実際に出入りした現金の増減です。会計上の利益は、売った時点で計上されるため、まだ代金を回収していなくても利益になります。営業CFは現金が本当に入ったかを見る数字なので、実態に近くなります。
時価総額(会社の中身)
その会社に市場が付けている値段の総額。株価×発行済株式数です。その会社を丸ごと買うのに必要な金額(借金を除く)を意味します。株価の高い・安いは1株の値段でしかなく、会社の規模を表すのは時価総額のほうです。
信託報酬(ファンドのコスト)
持っている間ずっと、毎日引かれる。投資信託を保有している間、毎日差し引かれる運用管理費用です。年率で表示され、基準価額から自動的に引かれるので請求書も明細も来ません。だから存在を忘れやすいのに、長期では最も効くコストです。
実質コスト(ファンドのコスト)
本当に引かれた合計。運用報告書にしかない。信託報酬に加えて、ファンドの中で発生した売買委託手数料・有価証券の保管費用・監査費用などを含めた、実際にかかった費用の合計です。目論見書ではなく運用報告書に載っています。
購入時手数料(ファンドのコスト)
買った瞬間にマイナスから始まる分。投資信託を買うときに販売会社へ払う手数料です。1〜3%が設定されている商品がありますが、同じ商品でも販売会社によって違い、ネット証券では無料(ノーロード)が主流になりました。
信託財産留保額(ファンドのコスト)
解約するときに置いていくお金。解約するときに基準価額から差し引かれ、ファンドに残るお金です。0.1〜0.3%程度が一般的で、無いファンドも多くあります。販売会社の収入になるのではなく、残る投資家のために置いていく設計です。
純資産総額(ファンドのコスト)
小さすぎると、途中で終わる。そのファンドが預かっている資産の合計です。規模が大きいほど運用が安定し、繰上償還のリスクが下がります。増えているか減っているかの傾向も、資金が集まっているかを示します。
為替ヘッジコスト(ファンドのコスト)
為替の振れを消すと、金利差ぶん取られる。外貨建て資産の為替変動を打ち消す(ヘッジする)ためにかかる費用です。おおむね2国間の短期金利の差で決まり、日本より金利の高い国の資産をヘッジするほど高くつきます。
標準偏差(リスク)(リスクの測り方)
投資でいうリスクは、危険度ではなく振れ幅。リターンがどれだけばらつくかを示す数字です。投資の世界でリスクと呼ぶのは「損する確率」ではなく「上下の振れ幅」です。年率リスク20%とは、1年の成績がおおむね平均±20%の範囲に収まりやすい、という意味になります。
シャープレシオ(リスクの測り方)
同じ揺れで、どれだけ稼いだか。リターンから安全資産の利回りを引き、それを標準偏差(リスク)で割った数字です。1の振れ幅あたり、どれだけのリターンを得たかという効率を示します。リターンだけを比べるより公平です。
最大ドローダウン(リスクの測り方)
いちばん高いところから、いちばん下まで。過去の高値から安値まで、最大でどれだけ下げたかを示す数字です。標準偏差より直感的で、自分がその下落に耐えられるかを想像しやすいのが利点です。
ベータ(リスクの測り方)
市場が1動くとき、これはいくつ動くか。市場全体(指数)の動きに対する感応度です。ベータ1.0なら市場と同じだけ動き、1.5なら1.5倍動くという意味になります。0.7なら市場より穏やかということです。
トラッキングエラー(リスクの測り方)
指数どおりに動けているか。インデックスファンドの成績が、目標とする指数からどれだけずれたかを示す数字です。小さいほど、指数に忠実ということになります。
相関(リスクの測り方)
分散が効くかどうかは、これで決まる。2つの資産が同じ方向に動く度合いを-1から+1で表します。+1なら完全に同じ動き、-1なら正反対、0なら無関係です。分散投資が意味を持つのは、相関の低いものを組み合わせたときだけです。
騰落レシオ(相場の温度感)
上がった銘柄と下がった銘柄の比。一定期間(25日が一般的)の値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で割り、100倍した数字です。市場全体が買われすぎか売られすぎかの体温計として使われます。
VIX指数(恐怖指数)(相場の温度感)
市場が今後どれだけ荒れると見ているか。S&P500のオプション価格から算出される、今後30日間に市場が予想する変動の大きさです。将来の値動きへの警戒が強まると上がるため、恐怖指数と呼ばれます。
益回りと長期金利(相場の温度感)
株と国債、どちらが割に合うか。益回りはPER(株価収益率)の逆数で、株価に対して1年でどれだけ利益を生んでいるかを示します。これを10年国債の利回りと比べることで、株式が債券に対して割高か割安かを大づかみにできます。
空売り比率・信用倍率(相場の温度感)
売り手がどれだけ溜まっているか。信用取引で売られている株の量と、買われている量の関係を見る指標です。信用倍率が1倍を下回れば、売り建てのほうが多い状態を意味します。売られた株はいつか買い戻す必要があるため、将来の買い需要の予備軍でもあります。