EPS(1株あたり利益)

会社の中身

見る対象: 株

1株が1年で稼いだ金額

何の数字?

当期純利益(普通株主に帰属する分)を、期中平均株式数で割った数字です。企業会計基準第2号では、分母は期中平均の発行済株式数から自己株式(会社が買い戻して持つ株)を除いて数えます。たとえば当期純利益が100億円で期中平均株式数が1億株なら、EPSは100円です。株価はこの数字の何倍か(PER)で語られるので、株価の土台になる数字です。

読み方の目安

水準よりも伸びているかどうかが重要です。数年ぶんを並べて、着実に増えているか、大きく振れているかを見てください。株式分割や併合があった場合、財務諸表は表示する最も古い期の期首に行われたと仮定して株数を数える決まり(適用指針)です。並んだ各期が分割後の株数でそろうので、期をまたいだ1株あたりの推移を追えます。

これだけで判断すると危ない理由

自社株買いをすると、利益が増えなくてもEPSは上がります(分母が減るため)。逆に増資などで株が増えると希薄化でEPSは下がります。新株予約権などの行使を仮定して計算した潜在株式調整後EPSが、EPSを下回れば希薄化効果ありとされます。米国の財務担当者401人への調査(Graham ら、2004年)では、対外的に示す指標として利益、とくにEPSを重んじる企業が多いという回答でした。数字が動いた理由が本業か株式数かを確認してください。

どこで見られるか

決算短信の1ページ目に載っています。

出典

  1. 公的機関 企業会計基準委員会(2002) 企業会計基準第2号 1株当たり当期純利益に関する会計基準
  2. 公的機関 企業会計基準委員会(2002) 企業会計基準適用指針第4号 1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針
  3. 論文・英語 John R. Graham, Campbell R. Harvey, Shiva Rajgopal(NBER Working Paper)(2004) The Economic Implications of Corporate Financial Reporting

解説動画: 【1株当たり当期純利益(EPS)ってなに?】株式投資の基礎知識(入門編)2/公認会計士ひねけんの株式投資チャンネル

計算はただの割り算: 公認会計士による解説。EPS(1株当たり当期純利益)は当期純利益 ÷ 発行済株式数。利益100円の会社の株式が10株なら、1株あたりの取り分は10円になる、という最小のモデルで説明される。

何を意味しているか: 株主にとって、1株持っていたらどれだけの取り分があるのかを意味している。会社全体の利益(当期純利益)と、1株あたりの概念(EPS)を分けて押さえることが要点だと繰り返される。

株価・時価総額との対応: 株価は1株あたりの概念、時価総額は会社全体の概念。同じように、EPSは1株あたり、当期純利益は会社全体。この対応関係で整理すると、指標の意味を取り違えにくくなる。数字は会社のIR資料に掲載されている。