信託財産留保額

ファンドのコスト

見る対象: ファンド

解約するときに置いていくお金

何の数字?

解約するときに基準価額から差し引かれ、ファンドの中に残るお金です。0.1〜0.3%程度が一般的で、低コストのインデックス型では無料にしていることが多いです。販売会社や運用会社の収入になるのではなく、残る投資家のために置いていく設計です。口座に振り込まれる解約代金から自動で差し引かれるので、別に支払う必要はありません。

読み方の目安

解約する人が出ると、ファンドは中身を売って現金を作る必要があり、その売買コストは残った人全員が負担します。留保額はその不公平をならすための設計です。英国の社債ファンドを調べた研究(Jinら、2021)では、解約時に価格を調整する仕組み(スイングプライシング)を導入すると、先に逃げた人ほど得をする状態が薄れ、相場が荒れた局面での解約の急増が和らいだと報告しています。

これだけで判断すると危ない理由

短期で売り買いを繰り返すと、そのたびに引かれます。長期保有が前提の設計であることを、この項目自体が示しています。米国の投信を調べた研究(Greeneら、2007)では、解約手数料を導入したファンドほど、その後の資金フローの変動が小さくなる傾向が確認されました。この研究は米国の投信が対象で、日本の留保額とは制度が異なります。ゼロだから良い商品、あるから悪い商品という単純な話ではありません。

どこで見られるか

目論見書の「ファンドの費用」欄。

出典

  1. 論文・英語 Dunhong Jin, Marcin T. Kacperczyk, Bige Kahraman, Felix Suntheim(The Review of Financial Studies)(2021) Swing Pricing and Fragility in Open-End Mutual Funds
  2. 論文・英語 Jason T. Greene, Charles W. Hodges, David A. Rakowski(Journal of Banking & Finance)(2007) Daily mutual fund flows and redemption policies
  3. 動画 投資うさぎ「会話で解説」 えっ!こんなに減るの?〜投資信託の隠れコストの影響とは!?

解説動画: #9投資信託の選び方【知って得する!資産運用の基礎知識】/金融経済教育推進機構 (J-FLEC) チャンネル

解約時に引かれることがある: 信託財産留保額は解約時に控除される費用。ファンドによって有無も率も異なるので、投資信託説明書で確認しておくこと、と明示されている。

目論見書の4つのチェックポイント: 確認すべきは、ファンドの目的と特色/投資のリスク/運用実績/手続きと手数料の4つ。留保額はこの4つ目に載っている。記載順も項目もほぼ統一されているので、複数のファンドを横に並べて比べられる。