シャープレシオ

リスクの測り方

見る対象: ファンド

同じ揺れで、どれだけ稼いだか

何の数字?

リターンから安全資産の利回りを引き、それを標準偏差(リスク)で割った数字です。1の振れ幅あたり、どれだけ超過リターンを得たかを示し、リターンが同じでも値動きの荒いほうは低く出ます。名前の由来のシャープ本人は1994年の論文で、安全資産に限らず、比べる相手(ベンチマーク)との収益の差で測る形も示しました。

読み方の目安

年率の超過リターン6%・標準偏差15%なら0.40です(シャープ1994年の例)。借入の金利を考えなければ、運用額を増やしてもリターンと標準偏差が同じ倍率で増え、値は変わりません。良し悪しの目安は話し手で違い、Volatility Trading Strategies(動画)は1前後を良好、Wall Street Quants(動画)は2以上を目標と話します。

これだけで判断すると危ない理由

標準偏差しか見ないため、ほどほどの利益が続いてときどき大暴落する形は、高く出やすくなります。Goetzmann らの論文(2002年・査読前)は、オプションを使う戦略で比率を上げられると指摘しました。仕組債のような商品にも注意が要ります。Lo は2002年の論文で、月次の値に√12を掛けて年率にできるのは特別な場合だけで、月ごとの成績に自己相関があるヘッジファンドでは最大65%過大になりうると示しました。

どこで見られるか

運用会社の月次レポート、投資信託の比較サイト。何年で測り、何を安全資産の金利にしたかを確かめてください。MSCIコクサイ(先進国株)の提供元自身のページは、2026年8月末時点で3年1.19・5年0.54・10年0.74と、同じ指数でも測る期間で差が大きく、安全資産の金利の注記も付いています。

出典

  1. 論文・英語 William F. Sharpe(The Journal of Portfolio Management)(1994) The Sharpe Ratio
  2. 論文・英語 William Goetzmann, Jonathan Ingersoll, Matthew I. Spiegel, Ivo Welch(NBER Working Paper)(2002) Sharpening Sharpe Ratios
  3. 論文・英語 Andrew W. Lo(Financial Analysts Journal)(2002) The Statistics of Sharpe Ratios
  4. 動画・英語 Wall Street Quants(YouTube) The Sharpe Ratio Explained (by a quant trader)
  5. 動画・英語 Volatility Trading Strategies(YouTube) The Sharpe Ratio: Risk Adjusted Return Series part 1
  6. 資料・英語 MSCI(2026) MSCI Kokusai (World ex Japan) Index

解説動画: 「機関投資家の投資分析手法」シャープレシオを解説/よしぞう 株式分析チャンネル

何を測る数字か: 投資信託がリスクに見合った収益を上げているかどうかを評価するための指標で、効率係数とも呼ばれる。アメリカの経済学者ウィリアム・シャープによって考案された。

計算のかたち: シャープレシオ=リターン ÷ リスク(標準偏差)。標準偏差とは値動きが上下にどれだけ振れるかの大きさで、たとえば国債は満期まで持てば収益がほぼ確定するのでリスクが小さい、という対比で説明される。

大きいほど良い、の意味: 数値が大きいほど運用成績が良いことを示す。同じリターンなら、揺れが小さかったほうが数字は大きくなる——リターンの絶対額だけを比べるより公平になる、という考え方。