実質コスト
ファンドのコスト
見る対象: ファンド
本当に引かれた合計。運用報告書にしかない
何の数字?
信託報酬に、信託報酬の外で払われる売買委託手数料・有価証券取引税・保管や監査などのその他費用を足した、そのファンドで実際にかかった費用の合計です。運用状況で変わるため目論見書には料率を事前に書けず、決算ごとの運用報告書に期間中の実績の金額が載ります。他のファンドを組み入れて運用する型は、組み入れ先の運用費用も上乗せされます。
読み方の目安
バンクアカデミー(YouTube)の例では、ある米国株型ファンドの信託報酬は目論見書で0.132%、運用報告書の実績で0.128%でした。これに隠れコスト0.063%と組み入れ先のETFの運用費用0.03%が加わり、実質コストは年0.221%と計算しています。また研究者3人(2013年)は、投資信託の保有と売買のデータから年間の売買コストを推計し、平均で経費率より高く成績に悪影響を与えていたと報告しています。
これだけで判断すると危ない理由
信託報酬だけで比べると順位が入れ替わることがあります。鳥海翔の騙されない金融学(YouTube)は、ある時点の比較で、信託報酬では全世界株型が安く見えたのに、隠れコストを足すとS&P500型のほうが安かった例を示し、隠れコストだけで0.1%以上の差が開くこともあると述べています。運用報告書の期間は1年とは限らないので、比べるときは1年分に直します。実質コストは過去の実績で、翌期には変わることもあります。
どこで見られるか
交付運用報告書の「1万口当たりの費用明細」に、信託報酬・売買委託手数料・有価証券取引税・その他費用が並び、運用会社のサイトで見られます。総経費率は2019年9月30日から運用報告書に載り、日興アセットマネジメントの資料では2024年4月21日から目論見書にも順次載ります。ただし総経費率は売買委託手数料と有価証券取引税を原則除き、運用を始める前のファンドには載りません。
出典
- 動画 BANK ACADEMY / バンクアカデミー 【重要】投資信託の隠れコストの調べ方!初心者向けに手数料を完全網羅
- 動画 鳥海翔の騙されない金融学 投資信託には隠れコストがある事をご存知ですか?全世界シリーズより手数料が安いファンドについて解説します!
- 公的機関 投資信託協会(2018) 「投資信託及び投資法人に係る運用報告書等に関する規則」の一部改正(参考2)
- 資料 日興アセットマネジメント(2024) 購入前の確認がより便利に!総経費率の掲載が目論見書でもスタート(こよみ Vol.182)
- 論文・英語 Roger M. Edelen, Richard B. Evans, Gregory B. Kadlec(Financial Analysts Journal)(2013) Shedding Light on "Invisible" Costs: Trading Costs and Mutual Fund Performance
解説動画: #9投資信託の選び方【知って得する!資産運用の基礎知識】/金融経済教育推進機構 (J-FLEC) チャンネル
買った後に届くもの: 決算ごとに交付運用報告書が手元に届く。そこには、その決算までの期間にどのような運用を行ったかという運用経過と、今後の運用方針が記載されている。実際にいくらかかったかを確認できるのはここ。
トータルリターン通知制度: 2014年12月から始まった制度で、投資した金額と分配された分配金などを合計で考えたときのリターンがどうなっているかを表示する。分配金を受け取っていると成績を勘違いしやすいので、この数字で見るのが正確。
基準価額のブラインド方式: 基準価額は1日1回、申し込みを締め切った後に公表される(ブラインド方式)。すでに保有している投資家の利益が損なわれるのを防ぐためだと理由まで説明されている。