ROA(総資産利益率)
会社の中身
見る対象: 株
持っている資産すべてで、どれだけ稼げたか
何の数字?
利益を総資産で割った割合です。会社が持つ資産全部を使って、どれだけ稼いだかを示します。財務省の資料は、総資本経常利益率を一般にROAと呼ぶと説明し、売上高に対する利益の率(売上高利益率)と、資産を回す速さ(総資本回転率)の積に分けます。分子は純利益のほか経常利益や営業利益も使われ、分母も期末の総資産と期首・期末の平均があり、どれを使うかで数字が動きます。
読み方の目安
財務総合政策研究所が法人企業統計調査から示した数字では、2018年度の総資本経常利益率は全産業・全規模で4.7%でした。製造業は資本金1,000万円未満で3.6%、10億円以上で6.2%、非製造業は3.0%〜6.0%と、水準は業種と規模で違い、年度でも動きます。PIVOT(チャンネル)で、ファンドマネージャーの奥野一成さんは、ROAが国債の利回りを下回るなら事業をする意味が薄い、と話しています。
これだけで判断すると危ない理由
業種や規模がちがう会社のROAは並べられません。ROE(自己資本利益率)はROAに財務レバレッジ(総資産÷自己資本)を掛けた値で、借入を増やすと膨らみます。PIVOT(チャンネル)で奥野一成さんは、通信大手3社の5年平均のROEが最も高い会社が、ROAでは最も低かった例を示しました。ROEが高くROAが低い会社は、財務レバレッジで押し上げられていると読めます。利益が同じでも、資産を売って減らせばROAは上がります。
どこで見られるか
決算短信の貸借対照表と損益計算書から計算できます。
出典
- 公的機関 財務総合政策研究所(財務省) 「法人企業統計調査からみる日本企業の特徴」資料2 総資本経常利益率
- 資料・英語 Julie Dahlquist, Rainford Knight(OpenStax)(2022) Principles of Finance — 6.6 Profitability Ratios and the DuPont Method
- 動画 PIVOT 公式チャンネル 【ソフトバンクで学ぶROE】投資する時に見るべきはROA/ROE(自己資本利益率)の基礎知識/大手通信3社のROE・ROA比較からわかること/借金する会社の節税メリット/【奥野一成】
- 動画・英語 The Finance Storyteller Return On Assets explained
- 動画・英語 The Organic Chemistry Tutor Return on Assets (ROA) and Return on Equity (ROE) - Fundamental Analysis
解説動画: ROICとは?ROE、ROAとの違いを分かりやすく解説!/できる人の会計力講座【新時代の必須スキル】
ROAが見ているもの: 会社にある資産をぜんぶ使って、どれだけ効率よく利益を上げたかを表す数字。分子は当期純利益で説明されるが、実務では営業利益や経常利益を使う流派のほうが多い気がする、と補足が入る。
お化粧ができない: ROE(自己資本利益率)は借入で資金を調達して自社株買いをすれば分母が縮み、数値を意図的に作れてしまう。ROAは分母が総資産なので、資本構成を変えても数値は動かないという利点がある。
目安と共通の弱み: 目安は当期純利益で見るなら3.5%、営業利益や経常利益で見るなら5%程度。ただし単年ではなく5年ほどの平均で見るべき数字で、研究開発や人材への投資を削れば短期的には上がってしまう。