標準偏差(リスク)

リスクの測り方

見る対象: ファンド

投資でいうリスクは、危険度ではなく振れ幅

何の数字?

リターンがどれだけばらつくかを示す数字です。投資の世界でリスクと呼ぶのは「損する確率」ではなく「上下の振れ幅」です。資産運用業協会もリスクを「リターンの振れ幅」と説明します。年率リスク20%なら、リターンが正規分布に近い場合、1年の成績は約68%の確率で平均±20%に、約95%の確率で±40%に収まります。

読み方の目安

MSCIワールド指数の年率標準偏差は、2026年8月末時点で3年が12.24%、5年が15.21%、10年が14.86%でした(提供元MSCIのページ)。測る期間で数字が変わるので、比べるときは期間を揃えます。両学長(リベラルアーツ大学)は、日本株のリターン4%・リスク18%という例で、約70%の確率で−14〜+22%に収まると説明しています。

これだけで判断すると危ない理由

標準偏差の「68%・95%」は正規分布に近いときの目安です。Chakrabortiら(2011)のレビューは、収益率の「裾が厚い」ことを広く認められた特徴に挙げ、LonginとSolnik(2001)は下落側では正規分布が退けられ、上昇側では退けられなかったと報告しています。また上と下を同じように扱うため、上昇の振れもリスクに数えます。

どこで見られるか

運用報告書、運用会社の月次レポート。過去何年で測った数字かを確認してください。

出典

  1. 公的機関 一般社団法人 資産運用業協会 リスクとリターン
  2. 資料 時事通信社(大和証券の用語集に掲載) 標準偏差(金融・証券用語解説集)
  3. 資料・英語 MSCI(指数の提供元)(2026) MSCI World Index
  4. 論文・英語 Anirban Chakraborti, Ioane Muni Toke, Marco Patriarca, Frédéric Abergel(Quantitative Finance)(2011) Econophysics review: I. Empirical facts
  5. 論文・英語 François M. Longin, Bruno H. Solnik(The Journal of Finance)(2001) Extreme Correlation of International Equity Markets
  6. 動画 両学長 リベラルアーツ大学 必ず知っておくべきリスクとリターンの考え方【お金の勉強 株式投資編】:(アニメ動画)第353回
  7. 動画・英語 Jeremy Blitz-Jones Standard Deviation - Explained and Visualized

解説動画: 【投資信託】リスクの高低はどう見分ける?│投資Q&A/金融経済教育推進機構 (J-FLEC) チャンネル

リスクとリターンの位置関係: 横軸にリスク、縦軸にリターンを取ると、株式はハイリスク・ハイリターン、債券は株式に比べてローリスク・ローリターンの位置に来る。投資信託はその間のどこかに入る。

袋の中身で決まる: 投資信託を株式や債券が入った袋だと考える。株がほとんどの投資信託は株式寄りの性格に、債券が多い投資信託は債券寄りの性格になり、半々ならちょうど真ん中あたりになる。

見るべき場所: 商品名や運用方針の言葉ではなく、袋の中身がどうなっているかに注目する——これがリスクの高低を見分ける方法だという結論。数字を読む前段として役に立つ。