ベータ

リスクの測り方

見る対象: 株

市場が1動くとき、これはいくつ動くか

何の数字?

市場全体(指数)の動きに対する感応度です。その株の値動きの大きさそのものではなく、市場と連動する度合いを測ります。株と指数の過去のリターンを並べ、回帰分析で引いた直線の傾きで、ベータ1.0なら市場と同じだけ動き、1.5なら1.5倍動くという意味になります。0.7なら市場より穏やかです。指数の全銘柄を時価総額で加重して平均すると1になります。

読み方の目安

景気に左右されやすい事業ほど高く、されにくい事業ほど低く出ます。ニューヨーク大学のDamodaran(1999年)は、ほかが同じなら住宅・自動車の会社は食品・たばこの会社より高く、固定費の重い会社や借金の多い会社も高めになると説明します。上がると見れば高ベータ、下がると見れば低ベータという使い方もありますが、MoneyWeekの動画は、ごく粗い戦略だと述べています。

これだけで判断すると危ない理由

測り方しだいで値は大きく変わります。Damodaran(1999年)が示した米国株の例では、指数の選び方により0.99〜1.14、リターンを測る間隔(日次〜年次)により0.44〜1.38でした。推定した期間の平均的な姿を映すので、今の会社とは限りません。FamaとFrenchの論文(1992年)の要旨は、規模の影響と切り離して調べるとベータと平均リターンの関係は平らだったと述べます。

どこで見られるか

証券会社の詳細情報や株式のスクリーニングツール。測定期間によって値が変わります。

出典

  1. 論文・英語 Aswath Damodaran(New York University Stern School of Business)(1999) Estimating Risk Parameters
  2. 論文・英語 Eugene F. Fama, Kenneth R. French(The Journal of Finance)(1992) The Cross-Section of Expected Stock Returns
  3. 動画・英語 MoneyWeek(YouTube) What is Beta? - MoneyWeek Investment Tutorials

解説動画: 【1次・聞き流し|ポートフォリオ・デリバティブ③】財務・会計 証券のリスクとβ(ベータ)値『リスクの分解・β値・CAPM(資本資産価格モデル)』/診断士 聞き流しラボ スキマ時間で最短合格

分散で消えないリスク: 投資のリスクは分散投資で消せる個別のリスクと、どれだけ分散しても消せない市場全体のリスクに分かれる。リターンが期待できるのは後者だけで、分散を怠って自分で追ったリスクに市場は報酬を払わない。ここが出発点になる。

市場を1とした物差し: ベータは市場全体が1%動いたとき、その株が何%動く傾向かを示す。市場全体は1で、市場平均に連動するインデックスファンドも1に近い。1.5なら市場が10%上げれば15%上げ、下げるときも15%下げるという性格になる。

過去から測った数字: 注意点も置かれる。ベータは過去のデータから計算した数字で、事業の中身や市場の構造が変われば予測する力が弱まることがある。リスクの大きさから期待できるリターンを1本の式で導く考え方の、土台にある物差しだと結ぶ。