空売り比率・信用倍率

相場の温度感

見る対象: 相場

売り手がどれだけ溜まっているか

何の数字?

空売り比率は、その日の売買代金のうち空売りが占める割合で、東証が日々公表します。信用倍率は信用取引の買い残を売り残で割った値で、1倍を下回れば売り建てのほうが多い状態です。前者はその日の売買の偏り、後者は未決済のまま残っている量を映します。売られた株はいつか買い戻す必要があるため、将来の買い需要の予備軍でもあります。

読み方の目安

売りが積み上がった銘柄に好材料が出ると、買い戻しが殺到して急騰することがあり、これを踏み上げと呼びます。2021年 ミーム株と暗号資産の熱狂では、この構造が極端な形で表面化しました。ひげづら株ちゃんねるは買い残を出来高や浮動株と比べる見方を、株の買い時を考えるチャンネルは銘柄ごとに水準が違うので過去の推移で見る見方を紹介し、どちらも買い残が増えるのに株価が下がる形を悪いパターンとしています。

これだけで判断すると危ない理由

売り方が多いこと自体は、上がる理由になりません。Asquith らは米国の株式で空売り残高を調べ、残高の多い銘柄を均等に組み入れた組は概ね振るわないが、時価総額で重みを付けるとその傾向は見られず、短い期間の切り取りは誤解のもとと述べました。Rapach らは、米国の空売り残高が市場全体のリターンを予測する力で最も強い部類だと主張し、売り方は将来の収益を先読みできる情報を持つ取引者だと結論づけました。空売りは損失に歯止めがない取引です。

どこで見られるか

信用残は取引所や証券会社が週次で公表し、東証の空売り集計は立会市場で成立した株式・ETF・REIT・新株予約権証券を対象にします。金融庁の2013年の解説では、空売りの残高が発行済株式の0.2%以上で報告が必要、0.5%以上で公表され、前日終値より10%以上下がった銘柄は直近の公表価格以下での空売りが禁じられます。制度は変わりうるので、最新は取引所で確かめてください。

出典

  1. 論文・英語 Paul Asquith, Parag A. Pathak, Jay R. Ritter(NBER Working Paper)(2004) Short Interest and Stock Returns
  2. 論文・英語 David E. Rapach, Matthew C. Ringgenberg, Guofu Zhou(Journal of Financial Economics)(2016) Short interest and aggregate stock returns
  3. 公的機関 金融庁(2013) アクセスFSA 第123号
  4. 資料 野村證券 空売り比率 | 証券用語解説集
  5. 動画 ひげづら株ちゃんねる(YouTube) 【信用倍率の見方】買ったら大損失パターン含め全部さらけ出すから集まれ!
  6. 動画 株の買い時を考えるチャンネル(YouTube) 株価が上がらない!信用買い残が原因かも【信用買い残・信用売り残とは?影響を解説】
  7. 動画・英語 Wall Street Survivor(YouTube) Understanding Short Selling

解説動画: 株初心者講座 信用買い残/売り残 信用倍率の見方を超わかりやすく解説!投資の勉強/草食系投資家LoK Re:

買い残と売り残の意味: 信用取引の買いは制度信用なら6か月以内に反対売買が要る。だから信用買い残は将来の売り圧力、借りた株を売った信用売り残は将来の買い圧力になる、というのが基本の読み方。

信用倍率の見方: 信用倍率は買い残を売り残で割った値で、大きいほど買い残が多い状態。1倍を下回れば売り建てのほうが多いことになり、将来の買い圧力とみなされる——ここまではセオリーだと動画は前置きする。

チャートで検証する: 実際の推移を株価に重ねると、買い残がいちばん積み上がるのは大底の局面で、上昇するほど利益確定で減っていく。買い残が多いから上がらないという判断にはならず、自分は売買の材料にしていないと正直に締める。