相関

リスクの測り方

見る対象: ファンド

分散が効くかどうかは、これで決まる

何の数字?

2つの資産が同じ方向に動く度合いを-1から+1で表します。+1なら完全に同じ動き、-1なら正反対、0なら無関係です。分散投資が意味を持つのは、相関の低いものを組み合わせたときだけです。

読み方の目安

SEC(米国証券取引委員会)の入門資料は、主な3つの資産分類の収益が歴史的に同時には上下してこなかったと述べます。ただ Campbell らの論文(2017年)によると、米国債と株の値動きの共分散(相関の元になる値)は1953〜2014年の平均でわずかなプラス、1980年代前半に高く、21世紀にはマイナスに転じました。一方、2022年 インフレと金利上昇では株と債券が同時に下げました。

これだけで判断すると危ない理由

相関は固定されていません。Longin と Solnik(2001年)は、国際株式の相関が下げ相場で高まり、上げ相場では高まらなかったと報告しました。一方 Forbes と Rigobón(2002年)は、変動が大きい時期の偏りを一定の仮定のもとで補正すると、1987年 ブラックマンデーでも上昇はほぼ無く、市場の連動はどの時期も高かったとします。

どこで見られるか

運用会社の資料や、資産クラス別の相関表として公表されています。自分で出すなら、同じ長さの週次リターンを並べて Excel の CORREL 関数に入れます(Matt Nelson の動画)。TradingView(チャートサービスの会社)の動画は、算出期間が短い(10〜20)と値が細かく揺れ、長い(50〜100)と滑らかになり、時間軸でも変わると説明します。

出典

  1. 公的機関・英語 米国証券取引委員会(SEC)(2009) Beginners' Guide to Asset Allocation, Diversification, and Rebalancing
  2. 論文・英語 John Y. Campbell, Adi Sunderam, Luis M. Viceira(Critical Finance Review)(2017) Inflation Bets or Deflation Hedges? The Changing Risks of Nominal Bonds
  3. 論文・英語 François M. Longin, Bruno H. Solnik(The Journal of Finance)(2001) Extreme Correlation of International Equity Markets
  4. 論文・英語 Kristin J. Forbes, Roberto Rigobón(The Journal of Finance)(2002) No Contagion, Only Interdependence: Measuring Stock Market Comovements
  5. 動画・英語 Matt Nelson, MBA(YouTube) How to build an extensible n-asset correlation matrix
  6. 動画・英語 TradingView(YouTube) Correlation Coefficient: Measure Asset Correlation Tutorial

解説動画: 第7回 安全な投資をするために①~分散投資~/金融経済教育推進機構 (J-FLEC) チャンネル

卵を1つのかごに盛るな: 1社に投資するのと複数社に投資するのとでは、後者のほうが安全性が高い。かごを1つ落としても全部は割れない、という古いことわざで説明される。

分散には4つの軸がある: 銘柄の分散(異なる会社)、資産の分散(株式と債券など異なる金融商品)、地域の分散(日本と外国)、時間の分散(購入時期を分ける)。この4つが並べて示される。

同じ業界に分けても足りない: 旅行が好きだから旅行会社・鉄道会社・ホテル会社に分ける、という例に対して、旅行関係以外にも投資すればより効果が高まると補正が入る。関連の強いものに分けても分散にならない、という論点がここで出てくる。

解説動画: 分散投資②(ポートフォリオの考え方)/金融経済教育推進機構 (J-FLEC) チャンネル

鍵は「値動きが異なる」こと: 同じような値動きをする商品ばかり買うと、急落したときに全部が一斉に下がる。値動きの異なる商品を組み合わせると、1つが急落しても他が値上がりして全体の変動が抑えられる。アニメーションで両方の場合を見せている。

分散にも限度がある: いくら分散しても効果には限度があり、何より管理が大変になるので分散もほどほどに、と締めている。100種類買って何を持っているか分からなくなる、という失敗例つき。「多いほど良い」ではないという釘。