楽しみ方図鑑

哲学的な問いで語り合う(会話・お題)

哲学的な問いで語り合うのは、答えのない問いをじっくり考えながら話し合う過ごし方です。結論を急がない話し方をする時間です。相手の意見を否定せず、思ったことをそのまま言葉にしていく往復が続きます。無言の間があっても気まずくならないのが、他の会話ゲームとの違いです。…

英語のお題で会話する(会話・お題)

英語のお題で会話するのは、日常英会話のお題を出し合い、英語だけで話す練習にする過ごし方です。間違いを気にせず、止まらずに言い続けることを優先する練習の時間です。英語で1人で話す課題をした大学生に、不安と楽しさを場面ごとに自己評価してもらった研究(Aubrey、2022年)では、楽しさより不安のほうが…

もしもトークで妄想する(会話・お題)

もしもトークで妄想するのは、「もし〜だったら」という空想の話題で盛り上がる過ごし方です。正解のない空想を広げていく、軽い気持ちで話せる時間です。突拍子もない答えほど盛り上がります。「何かを付け足したら」と現実を組み替えた人は、「何かを取り除いたら」と組み替えた人より発想を出す課題の成績が高く…

価値観を深掘りする質問(会話・お題)

価値観を深掘りする質問は、「大事にしていること」を聞き合う一問一答です。お互いを少し深く知る時間です。答えるのに考える時間が要る問いが多いので、会話のテンポはゆっくりになります。見知らぬ人どうしの会話を調べた実験(Kardas ら、2022年)では、深い話は浅い話より気まずくなると予想されましたが…

なぞなぞ・クイズを出し合う(会話・お題)

なぞなぞ・クイズを出し合うのは、ひらめき系のなぞなぞや雑学クイズを順番に出題する遊びです。短い時間で完結する、テンポの良いやり取りです。1問1答なので、会話が途切れがちな移動中のつなぎにも向いています。雑学の問いを読む人の脳を調べた実験(2009年)では、好奇心が高かった人ほど…

昔話・思い出語り(会話・お題)

昔話・思い出語りは、子供の頃の話や旅の思い出を順番に話す過ごし方です。誰かに急かされず、自分のペースで語れる時間です。運転している側も聞き役に回りやすく、聞き流していても成立します。命が危なかった体験を語り合う会話では、運転の誤りが電話でいちばん多く…

しりとり(言葉遊び・観察ゲーム)

しりとりは、最後の文字から言葉をつなぐ言葉遊びで、ジャンルを縛ると難易度が変わります。頭の回転を使う、テンポの速い時間です。単純なルールなので誰でもすぐ参加できます。しりとりは言語流暢性の検査に似た遊びで、言葉を探す間は左の下前頭回と上・中前頭回、右の小脳が働きます(健常者の fMRI・2011年)。…

山手線ゲーム(言葉遊び・観察ゲーム)

山手線ゲームは、お題に沿って連想する言葉を出し続けるゲームです。しりとりよりも知識と発想の幅が問われる時間です。答えに詰まった人から脱落していく緊張感があります。お題に沿って単語を出し続ける課題は、神経心理学の検査としても広く使われています。1997年の研究(若年と高齢の健常者95人)は…

ナンバープレート計算(言葉遊び・観察ゲーム)

ナンバープレート計算は、前を走る車のナンバー4桁で計算式を作る遊びです。頭を使う暇つぶしとして、渋滞中や信号待ちの短い時間に向いています。暗算を担うのは同乗者で、運転者は加わらないほうが無難です。決められた速度を1分保つ課題に暗算を足すと…

県外ナンバー探し(言葉遊び・観察ゲーム)

県外ナンバー探しは、走る車の中から県外ナンバーを見つけて数える観察ゲームです。車窓をぼんやり眺めているだけでは気づかない発見がある、観察に集中する時間です。ナンバーの地域名は、もともと管轄する運輸支局等の名称と一致していました。2004年に加わったご当地ナンバーは、複数の市町村の集合であることと…

早口言葉対決(言葉遊び・観察ゲーム)

早口言葉対決は、早口言葉を順番に言い合って対決する遊びです。笑いが起きやすい、短時間で盛り上がる時間です。運転している人も声を出すだけなので参加しやすい遊びです。早口言葉は言語の研究にも使われます。中国語を母語とする52人が4文字の早口言葉を6回ずつ読んだ実験(2015年)では、発音の言い間違いが2.34%…

逆さ言葉(言葉遊び・観察ゲーム)

逆さ言葉は、単語を逆から読んで当てっこする言葉遊びです。しりとりよりも少し難しい、頭をひねる時間です。答えが分かった瞬間の「あ!」が楽しい遊びです。言葉を速く正確に逆から話す力は、並外れた作業記憶(頭に言葉を保ちながら扱う力)に支えられていました(セルビアの症例報告・2016年、1人の事例)。…

ポッドキャストを聴く(音声コンテンツ)

ポッドキャストを聴くのは、興味のあるジャンルの番組を選んで聴く過ごし方です。会話をしなくても成立する、ひとりでも複数人でも使える受け身の時間です。番組によっては、聴き終えたあとに感想を話す会話のきっかけにもなります。車内の8つの作業を比べると、ラジオや朗読を聴く認知的な負荷は低く…

オーディオブックを聴く(音声コンテンツ)

オーディオブックを聴くのは、小説やビジネス書を耳で読む過ごし方です。読書の時間を移動時間に変える、集中して聴き込む時間です。長編小説なら、何度かのドライブに分けて続きを聴く楽しみもできます。研究者が91人を無作為に分けた2016年の実験では、ノンフィクションの本の序文と一章を…

ドライブ用プレイリストを作る(音声コンテンツ)

ドライブ用プレイリストを作るのは、目的地までの時間に合わせて曲順を組む過ごし方です。好きな曲を流しながら移動する、もっとも定番の過ごし方です。曲の並び順を考えること自体も楽しみのひとつです。車で音楽を聴く理由として多く挙がるのは、くつろぐことと集中することです(英国の運転者1,780人への調査・2007年)。…

ラジオを聴く(音声コンテンツ)

ラジオを聴くのは、交通情報や地域のラジオ局に耳を傾ける過ごし方です。今その場所の情報が流れてくる、その場限りの時間です。知らない土地を走っているときほど新鮮に感じられます。Strayerらが3つの実験で8つの車内作業を比べた研究(2015年)では、ラジオや朗読を聴く認知的な負荷は低く、同乗者や電話での会話は中程度…

落語・朗読を聴く(音声コンテンツ)

落語・朗読を聴くのは、噺や物語の世界に声だけで入り込む過ごし方です。声だけで物語や芸に集中する、ポッドキャストより少し密度の濃い時間です。落語は座った噺家が1人で何人もの役を話し分ける芸で、日本芸術文化振興会の解説では、話は「マクラ」「本題」「サゲ(落ち)」の順に進み…

車窓の景色をただ眺める(景色・道中を味わう)

車窓の景色をただ眺めるのは、何もせず流れる景色だけを見て過ごす時間です。何もしない時間です。会話も音楽も要らず、流れていく景色をただ見ているだけで気持ちが落ち着く、という感覚を求める過ごし方です。106人に、植生と人工物の割合が違う3種類の高速道路の映像のどれかを見せた実験(2003年)では…

峠道のワインディングを楽しむ(景色・道中を味わう)

峠道のワインディングを楽しむのは、カーブが続く区間を走ること自体を楽しむ過ごし方です。運転そのものが楽しみの中心になる時間です。カーブに合わせて速度とハンドルを合わせていく感覚を味わいます。Mick Drives Cars(YouTube)は、制限速度内で踏める場所でも…

夜景ドライブ(景色・道中を味わう)

夜景ドライブは、夜景が見えるルートを選んで走る過ごし方です。昼間とは違う景色を楽しむ、少し特別な時間です。目的地というより、走ること自体が目的になります。夜景観光の普及を目的とする夜景観光コンベンション・ビューローは、検定の有資格者である全国の夜景観光士の投票で「日本新三大夜景」を3年に1度認定していて…

田園・里山をゆっくり走る(景色・道中を味わう)

田園・里山をゆっくり走るのは、急がず景色を味わいながら走る過ごし方です。目的地に早く着くことよりも、道中の時間そのものを味わう過ごし方です。環境省の説明では、里地里山は奥山と都市の中間にあり、農地・ため池・樹林地・草原など多様な自然環境を持つ地域で、国土の約4割を占めます。食料の供給や景観づくり、自然とのふれあいの場…

海沿いの道を走る(景色・道中を味わう)

海沿いの道を走るのは、海を眺めながら移動する過ごし方です。海が見えるという分かりやすい景色の変化がある時間です。同乗者との会話も自然と海の話題になりやすいです。道路脇の景色が運転者に与える影響を50件の研究から整理した2022年のレビューは、景色は心地よくも気を散らしもし…

道の駅めぐり(寄り道・目的地)

道の駅めぐりは、道の駅そのものを目的地にして立ち寄っていく過ごし方です。移動そのものより、道中の寄り道を目的にする過ごし方です。地元の農産物や特産品との出会いが楽しみになります。道の駅は山口・岐阜・栃木での社会実験を経て、1993年4月の第1回登録で全国103駅から始まり…

サービスエリアグルメめぐり(寄り道・目的地)

サービスエリアグルメめぐりは、高速道路のサービスエリアのご当地グルメを目的にする過ごし方です。休憩そのものを楽しみに変える過ごし方です。同じ移動でも、サービスエリアごとに違う名物を目当てにすると、休憩のたびに小さな楽しみが生まれます。サービスエリア(SA)は人と車に必要なサービスを出せる休憩施設…

スタンプ集め(寄り道・目的地)

スタンプ集めは、道の駅やサービスエリアのスタンプ・御朱印を集める過ごし方です。集めること自体が目的になる過ごし方です。行った場所が形に残るので、繰り返すほど達成感が積み上がります。道の駅のスタンプラリーは、全国「道の駅」連絡会が統括し、北海道、東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、四国…

車中泊を楽しむ(寄り道・目的地)

車中泊を楽しむのは、宿を取らず車中泊を組み込んで移動そのものを旅にする過ごし方です。目的地に着くことより、移動の過程そのものが旅になる過ごし方です。宿を取らない分、行き先やルートを自由に決められます。米国カリフォルニア州北部の山では、後席を倒した小型セダンにマットを敷くだけで1泊でき…

写真スポットを巡る(寄り道・目的地)

写真スポットを巡るのは、写真を撮るための場所を目的地にして巡る過ごし方です。カメラを通して景色を見る過ごし方です。同じ道でも、撮ることを目的にすると普段素通りする場所に立ち止まるようになります。写真を撮ると良い体験の楽しさが増し、効いているのは体験への没入でした(現地3・実験室6の実験・2016年)。ただし…

無心で運転に集中する(ひとりの時間)

無心で運転に集中するのは、会話や音楽を最小限にし、運転の動作そのものに意識を向ける過ごし方です。会話も音楽も最小限にして、運転の動作そのものに意識を向ける時間です。頭の中が静かになる感覚を求める過ごし方ですが、心は意識しないとさまよいがちです。ニュージーランドの市街地の道で…

内省する時間にする(ひとりの時間)

内省する時間にするのは、誰にも話しかけられない時間を考え事の整理に使う過ごし方です。一人で頭の中を整理する時間です。運転という単調な動作を続けながらだと、かえって考えが整理されやすいと感じる人もいます。今日あったことを振り返るのにも、明日の段取りを組み立てるのにも使えます。…

一人で歌う(ひとりの時間)

一人で歌うのは、誰にも聞かれない車内で気兼ねなく声を出す過ごし方です。人前では歌わない曲も、一人の車内なら気兼ねなく歌える時間です。歌うと気分が晴れると感じる人もいます。メンタルヘルスの不調のある成人が合唱に参加する研究を集めた2018年のレビュー(13本・667人)のうち…

瞑想的にドライブする(ひとりの時間)

瞑想的にドライブするのは、呼吸や姿勢を意識しながら運転する過ごし方です。運転という動作に意識を集中させることで、雑念を減らしていく過ごし方です。座禅や瞑想に近い感覚を、運転しながら得ようとするものです。ただし、ここで紹介する2本の研究は、運転とは別の時間に瞑想の訓練を受けてもらい…

声に出して練習する(ひとりの時間)

声に出して練習するのは、言いにくい話やプレゼンを誰もいない車内でリハーサルする過ごし方です。誰も聞いていない車内だからこそ、実際に声に出して練習できる時間です。MacLeod らの2010年の8つの実験(覚えた単語をあとで見分ける課題)では、声に出して読んだ単語のほうが、黙って読んだ単語より見分けやすくなりました。…