車窓の景色をただ眺める

景色・道中を味わう

人数: どちらでも

車窓の景色をただ眺めるのは、何もせず流れる景色だけを見て過ごす時間です。

時間の特徴

何もしない時間です。会話も音楽も要らず、流れていく景色をただ見ているだけで気持ちが落ち着く、という感覚を求める過ごし方です。106人に、植生と人工物の割合が違う3種類の高速道路の映像のどれかを見せた実験(2003年)では、怒りの尺度に有意な差はなく、植生の多い映像のあとでいら立ちへの耐性が上がりました。実走ではなく映像を見る実験です。

向いている場面

助手席・後部座席の人向き。運転する人が景色に集中しすぎると危険なので、運転側は信号や合流のない直線区間だけ楽しむ程度にとどめます。30分の郊外の走行で15条件を比べた実験(2004年)では、前方が見える条件は見えない条件より車酔いが軽く、座席の位置では差が出ず、前方の映像を見せても軽くなりませんでした。

始め方

特別な準備は要りません。音楽を止める、あるいは静かな曲に切り替えるだけで、景色に意識が向きやすくなります。車酔いしやすい人は、進行方向を向いて座り、前方の景色が見える席にします。自動運転車を想定して実際の道路で行った55人の実験(2025年)では、後ろ向きの座席と、前方の視界を制限した条件の両方で、車酔いが有意に増えました。

具体例

田んぼが広がる区間、山並みが見える峠、川沿いの道など、変化のある景色が続くルートを選ぶと飽きにくいです。運転者25人と市街地の道を走り、考えていることを15区間で尋ねた実車調査(2019年)では、全員が心のさまよいを報告し、速度が低く静かで単純な区間ほど多く出ました。運転側は、静かな区間ほど意識して前方を見るようにします。

出典

  1. 論文・英語 Cackowski and Nasar(Environment and Behavior)(2003) The Restorative Effects of Roadside Vegetation
  2. 論文・英語 Griffin and Newman(Aviation, Space, and Environmental Medicine)(2004) Visual field effects on motion sickness in cars
  3. 論文・英語 Rottmann et al.(Applied Ergonomics)(2025) Influence of seating orientation on motion sickness in autonomous vehicles
  4. 論文・英語 Burdett, Charlton and Starkey(Accident Analysis & Prevention)(2019) Mind wandering during everyday driving: An on-road study