段取りの技図鑑
実行意図(決め方)
「いつ・どこで・何をするか」を場面ごとに先に決めておく。「やる気が出たらやる」をやめ、いつ・どこで・何をするかを一組にして先に書いておきます。「夕食の皿を片づけたら、机で単語帳を10分開く」のような形で、if-then 型とも呼ばれます。決めるのは意志の強さではなく、きっかけと動作の組のほうです。…
望みと障害を並べる(決め方)
うまくいった姿と、邪魔になる現実を両方書き出してから決める。紙を左右に分け、片側にうまくいった姿、もう片側にそれを邪魔する現実を書き出します。「合格して仕事が変わる」の隣に「帰りが遅くて机に着けない」を並べる形です。順番は望みを先に、障害を後に置きます。良い側だけを思い浮かべて終わりにしないところが中心で…
具体的で難しい目標にする(決め方)
「がんばる」ではなく数と期限の入った、少し難しい形にする。「がんばる」を数と期限の入った形に置き換えます。「今週は過去問を40問解く」のように、達成したかを後で判定できる文にします。楽に届く水準ではなく、少し届きにくいところに置くのがこの技の中身です。決める対象は合否のような成果ではなく、自分が動かせる量にします。…
掛け持ちを減らす(決め方)
同時に抱える目標の数を、ぶつからない数まで落とす。いま抱えている目標を全部書き出し、同じ時間帯を取り合うものに印をつけます。資格の勉強と副業と読書が同じ夜を取り合っている、といった形です。印のついた組は片方を棚に上げるか、着手する時期をずらします。数を落とすかわりに手をつける順番を決めるだけでも、ぶつかりは減ります。…
目標を人に言う(決め方)
達成したい目標を、人に宣言してから取りかかる。「今月は過去問を毎日解く」といった目標を、取りかかる前に家族や同僚へ伝えます。相手は一人でも成り立ち、伝えるのは一度きりでもかまいません。ただしこの技は効くという報告と効かない報告が並んでいるところが中身で、どちらか一方の説だけを採るわけにはいきません。言うか言わないかは…
自分で締切を刻む(決め方)
最終期限の手前に、自分で中間の期限を置いてみる。最終期限だけに向かうのをやめ、その手前に自分で中間の期限を置きます。試験日の前に「第3章までを月末まで」といった日を刻む形です。外から与えられた締切と違って破っても罰がないので、置き方によっては何も変わりません。効き目については…
お金や約束で自分を縛る(決め方)
できなかったら損する仕掛けを、始める前に作っておく。始める前に、できなかったら損が出る形を自分で仕掛けます。守れなければ一定額を渡すと身内に取り決める、期日に成果物を見せる約束を先に入れる、といった作り方です。損は言うだけの側ではなく、取り決めの側に置きます。仕掛けは始める前に作らないと意味がなく…
似た仕事の実績から見積る(見積り)
頭の中の段取りではなく、前に似たことにかかった時間から出す。見積るときに、頭の中で段取りを思い描くのをやめて、前に似たことにかかった実績を並べます。同じ分量の章を読んだのが何時間だったか、似た書類を仕上げたのが何日だったかを、記録された数字のまま拾います。今回だけ特別に速く進む理由は数えません。…
作業に分けて数える(見積り)
ひと塊で見積らず、工程に割ってから足し上げる。ひと塊で「たぶん3時間」と出す代わりに、工程に割ってから足し上げます。章を読むなら、下読み・本文・書き出し・見直しのように手を動かす単位まで下ろし、それぞれに時間を置いて合計します。割る数は5つから10くらいで足ります。合計が最初の勘より伸びたなら…
終わりから逆に組む(見積り)
締切の側から手順をさかのぼって並べてみる。締切の側から手順をさかのぼって並べます。「提出日の前日に見直し、その前に清書、その前に下書き」と、最後の一手から逆順に書いていく形です。前から並べる普段の書き方と材料は同じで、順番だけを裏返します。並べ終えたら、いちばん手前の日付が今日より前になっていないかを見ます。…
かかった時間を記録する(見積り)
作業ごとに実際かかった時間を測って残しておく。作業を始めた時刻と終えた時刻をその場で残し、何にどれだけかかったかを数字で持ちます。手帳や紙の端に「読書 19時10分から20時05分」と書くだけで足ります。大事なのは残すこと自体ではなく、次に見積るときにその数字を今回に当てるところです。…
幅で見積もる(見積り)
一つの数を出さず、最短と最長を別々に考えて出す。一つの数を出す代わりに、最短と最長を別々に考えて幅で出します。「たぶん2時間」ではなく「早ければ1時間半、長引けば4時間」と二つ書く形です。別々に考えるところが要点で、一つの数を出してから前後に振るやり方だと幅が狭いままになります。落ち着かないとしても…
先の暇を当てにしない(見積り)
来月は空いて見えるが、実際は今と同じだけ埋まる。来月の依頼を引き受ける前に、今週の埋まり方を来月へ写すという手順をひとつ挟みます。予定表で今週に実際に入っていた時間を数え、同じ量を来月の同じ曜日にいったん置きます。そのうえで残った空きだけを見て、引き受けるかどうかを決めます。先の週が白いままの画面で返事をしないための…
先延ばしを気分の問題として見る(先延ばし)
先延ばしは時間管理の失敗ではなく、嫌な気分の避け方。取りかかれない作業を前にして、予定表を開く代わりにその作業の何が嫌なのかを一行で書きます。やり方が分からない、下手だと思われる、終わりが見えない、といった具体の言葉まで下ろします。書けたら、その嫌さを小さくする手をひとつだけ選んで置きます。…
先延ばした自分を許す(先延ばし)
やらなかった自分を責め続けると、次もまた避けたくなる。やらなかった日を思い返すとき、できなかった事実だけを書いて責める言葉を足さないようにします。「準備が遅れた、明日の朝に30分やる」で止めて、自分の性格を採点する文にしないのが手の形です。書く場所は手帳でも独り言でもよく…
五分だけ手をつける(先延ばし)
終えることを目標にせず、始めることだけを目標にする。終わらせることを目標から外して、始めることだけを目標に置きます。タイマーを5分にして、教科書を開いて1行読む、白紙に日付と見出しを書く、といった形の決まった一歩から入ります。5分たったら続けても止めてもよく、続いたかどうかで自分を採点しないところまでを一組にします。…
楽しみと抱き合わせる(先延ばし)
気の重い作業のときだけ、好きなものを一緒に許す。好きなものを、気の重い作業のときだけに限って許します。続きが気になる音声や配信をひとつ選び、その作業をしている時間だけ再生してよいと決めます。作業が終わったら止め、ふだんの時間には触らないところまで含めて一組にします。組み合わせる相手は…
軽い仕事を先に選ぶ癖に備える(先延ばし)
早く終わる用事から手をつける偏りを、順番を決めて外す。順番が自分に任されている日は、始める前に順番を決めて書き出し、途中で選び直さないようにします。決め方は、その日いちばん重い一つを最初の枠に置き、短く終わる用事はまとめて後ろの枠へ送るだけです。振り返るときは終わった件数を数えないで、決めた順を守れたかだけを見ます。…
用事の置き場をひとつにする(先延ばし)
思いついた用事を全部同じ一か所へ放り込む。思いついた用事を、紙のノートでも通知アプリでも同じ一か所に放り込む運用です。机の付箋、手帳、頭の中と散っている置き場を一つに寄せ、見る場所を一つに決めます。放り込むときは分類も並べ替えもせず、一行だけ書いて次の作業へ戻ります。2分で済むものはその場で片づけ…
進み具合を見えるところに置く(一日の組み立て)
どこまで進んだかを、こまめに確かめられる形にする。何をどこまで済ませたかを、あとから目に入る形に残します。壁の暦に済んだ日を塗る、章ごとの一覧に印を付ける、週末に進みを人へ伝える、どれも同じ型です。頭の中で振り返るだけで終えず、紙か画面に残すところまでやります。残す単位は日か章くらいの粗さで足り…
思い出させる仕掛けを外に置く(一日の組み立て)
覚えておくのをやめて、目に入る場所に用事を出す。あとでやることを、覚えておくのをやめて外に出します。玄関の扉に貼る、持ち物を靴の上に置く、日時を通知に入れる、どれもその場で目に入るようにする手当てです。書くのは用事の名前だけでよく、置く場所のほうが肝心です。思い出したい場面で視界に入る位置に置ければ…
計画を細かく刻みすぎない(一日の組み立て)
日ごとの細かい日課より、大きな単位でゆるく決めてみる。一日ごとの細かい日課表を作るのをやめ、月くらいの大きな単位でゆるく決めてみる試し方です。今月はこの範囲を終える、とだけ書き、何日に何ページまでは決めません。日ごとの割り振りはその日の都合で動かします。計画は細かいほどよいという常識と逆向きなので…
今ある行動の後につなぐ(一日の組み立て)
新しい習慣は、毎日欠かさずやっている行動の直後に置く。新しくやりたいことを、毎日欠かさずやっている行動の直後に置きます。歯みがきのあと、朝のお茶を注いだあと、電車で座ったあと、といった置き方です。先に来る行動がほぼ例外なく起きるかどうかが分かれ目になります。時刻ではなく行動を合図にするので…
先に環境を変えておく(一日の組み立て)
我慢で乗り切らず、誘惑に会わない場を先に作る。我慢で押し切るのをやめ、誘惑に出会わない場を先に作っておきます。作業に入る前に、机の上を今使うものだけにし、開く資料を出し、飲み物を置きます。始めてから探すものが残っていると、そこで席を立つ理由ができます。手を動かすのは2、3分で、始める前という時点のほうが肝心です。…
休む日を織り込む(一日の組み立て)
抜けた日が失敗にならないように、先に休みを入れておく。週の枠を作る段で、やる日と並べて休む日を先に書き込みます。7日連続の形にはせず、実行するのは5日、残りの2日は予備ではなく最初から休みの枠として置きます。抜けた日が出たときに翌日どう戻るかまで、同じ紙の上で決めておきます。埋め合わせに翌日2倍やる約束は入れず…
習慣になるまでを長く見込む(一日の組み立て)
身につく日数は人と行動で大きくばらつくと踏んで組む。新しく始めることを予定に落とすとき、身につく日数のほうは書きません。「この日には自動になる」と見込まず、数か月は意識して回す前提で枠を取ります。手数の多い行動ほど遅いとみて、数えるのは回数だけにします。何日目で楽になるかを目標に置かないというだけの構えで…