軽い仕事を先に選ぶ癖に備える

先延ばし

早く終わる用事から手をつける偏りを、順番を決めて外す

どんな技?

順番が自分に任されている日は、始める前に順番を決めて書き出し、途中で選び直さないようにします。決め方は、その日いちばん重い一つを最初の枠に置き、短く終わる用事はまとめて後ろの枠へ送るだけです。振り返るときは終わった件数を数えないで、決めた順を守れたかだけを見ます。並べる作業そのものは朝の数分で切り上げます。

なぜ効くのか

選び直せる状態だと、短く終わる仕事のほうが手前に来やすいことが実際の作業記録に出ています。終わらせた感じがすぐ手に入る側が選ばれるという説明で、似た仕事をまとめてしまう動きも同じ記録で見えていました。先に順番を決めるのは、選び直す機会そのものを減らす操作です。行き来が増えれば切り替えの残りかすも乗ってきます。

やり方

朝、その日の用事を一枚に並べ、3つの枠に入れます。最初の枠に重い一つ、次にその日中の締切、最後に短く終わる用事をまとめます。並べ終えたら順番の見直しは1日1回までにします。重い一つが大きすぎて動かないときは作業に分けて数えるで最初の一歩まで割ります。どの時間帯に難所を置くかは得意な時間帯に難所を置くと合わせます。

はまりどころ

測られたのは病院と実験室での作業量で、勉強の理解が深まるかは調べられていません。だから難しいものから先にやれという一般の決まりにはしません。順番を人から渡される仕事では、この偏りはそもそも起きません。並べ替えに時間をかけすぎると、それ自体が短く終わる用事の片づけと同じ働きをします。重い一つも、中身が割れていないと手は止まります。

確かめられ方

Ibanez ら 2018 は放射線読影240万件の記録から、医師が似た仕事をまとめ、短く終わる仕事を先に選び、その並べ替えが生産性を下げていたと示しました。KC ら 2020 でも、簡単な仕事の完了を優先すると成績が落ちていました。見ているのは仕事の処理量で、先に順番を決める手を対照群と比べた検証はありません。

解説動画(海外・英語): How to Prioritize Tasks at Work | ABCDE Prioritization Technique/Vihan Chelliah

一覧では足りない: 動画は、返信も買い物も運動も同じ並びに積み上がり、手に負えない感じになるところから始めます。書き出す一覧は良い出発点でも、それだけではどこから攻めるかが決まりません。片づけた印を追うばかりで、その用事が目標に効いているのかを確かめないまま一日が過ぎる、と言います。

五つの記号に振る: 手順は、紙に用事を残らず書き出してから、AからEまでの記号を一つずつ振るだけです。分ける軸は重要さと、やらなかったときに何が起きるか。一覧に載せた全部が対象になります。まず置き場を一枚にまとめる形は用事の置き場をひとつにすると重なり、動画はこれを毎日の一覧に当てる手順だと言います。

Aが済むまで: Aは目標に近づく、避けられない用事です。例に挙がるのは、客先に響く仕事や上司が求めている仕事。やらなければ響きが大きいものを3つほどに絞り、A1・A2・A3と順を振ります。Bはやるべきだが影響の小さいもので、電話やメールの返信が入ります。決まりは一つ、Aが全部終わるまでBに入らないことです。

残りは渡すか消す: Cは、やりたいけれどやらなくても響かない用事です。用足しや友人との昼食がここに入ります。Dは人に渡せるもので、一言説明すれば済むか、そもそも他の人の仕事かで見分けます。Eはやめてよいもの。一覧の全部が本当に要るのかを問い直し、力をAとBへ寄せるための欄だと説明されます。

忙しさで避ける: 動画が自分の経験として挙げるのは、生産的な先延ばし——あれこれ手を動かすことでいちばん大事な一つを避ける動きへの効き目です。順位は動くので、そのときは一覧に戻ってAが本当にAかを見直す。一覧への向き合い方を自分の手に戻すためのやり方だと結びます。始める前に順番を決めておく形が、軽いほうへ流れる癖への備えになります。