幅で見積もる

見積り

一つの数を出さず、最短と最長を別々に考えて出す

どんな技?

一つの数を出す代わりに、最短と最長を別々に考えて幅で出します。「たぶん2時間」ではなく「早ければ1時間半、長引けば4時間」と二つ書く形です。別々に考えるところが要点で、一つの数を出してから前後に振るやり方だと幅が狭いままになります。落ち着かないとしても、二つの数はどちらも消さずに見積りとして残します。

なぜ効くのか

一つの数だけを出すと、うまく運んだ場合の筋がそのまま予定になり、長引く筋のほうが残りません。上と下を別々に考えると、それぞれで思い浮かべる場面が変わり、速かった日と手こずった日の両方が数に入ります。幅で持てば長引いた側の日程を先に用意できます。工程ごとに上と下を置きたいときは、作業に分けて数えると組みます。

やり方

まずこれ以上速くはならない時間を書き、それとは別にこれ以上かかったら異常だという時間を書きます。二つを並べたものをそのまま見積りとして扱い、人に伝える予定には長い側を置きます。終わったら実際の時間が幅の中に入ったかを見て、外れた向きを書き残します。上と下の作り直しには、かかった時間を記録するで溜めた数字を使います。

はまりどころ

確かめられているのは上と下を別々に考えると幅が広がるところまでで、調べられたのは一般の数量を当てる課題が中心です。勉強や仕事の所要時間に絞った検証は薄いままです。何倍にしておけという目安は研究に無いので出しません。実績から幅を作りたいときは似た仕事の実績から見積るに寄せ、広すぎる幅は予定に使えないと見ます。

確かめられ方

Soll と Klayman が2004年に行った研究で、上限と下限を別々に尋ねたほうが区間が広がり、当たる割合が上がりました。対象は一般の数量を当てる課題で、材料は作業の所要時間ではありません。Jørgensen が2004年に整理したソフトウェア開発の工数見積りの総説でも、区間による見積りが実務で外れることが報告されています。