習慣になるまでを長く見込む

一日の組み立て

身につく日数は人と行動で大きくばらつくと踏んで組む

どんな技?

新しく始めることを予定に落とすとき、身につく日数のほうは書きません。「この日には自動になる」と見込まず、数か月は意識して回す前提で枠を取ります。手数の多い行動ほど遅いとみて、数えるのは回数だけにします。何日目で楽になるかを目標に置かないというだけの構えで、やる量そのものは変えません。月が変わってもまだ意識が要るのは、想定の範囲です。

なぜ効くのか

身につくまでの日数を短く見込むと、その日を過ぎてもまだ意識が要る状態が自分の失敗のように見えてしまいます。日数を当てにしない組み方は、予定と実感のずれをそもそも作りません。続けるかどうかの判断も、回数と手ごたえの側に戻ります。自動化がどこまで進んだかは日数からは読めず、長く見込めば効くという裏づけがあるわけでもありません。

やり方

計画には何日で習慣になると書かず、月単位の見通しで枠だけ取ります。数えるのは日数ではなく、同じ場面でやれた回数のほうです。手順が多い行動や、そのたびに決めごとが要る行動は遅いとみて、先に形を小さくしておきます。きっかけの作り方は今ある行動の後につなぐ、抜けた日の扱いは休む日を織り込むに寄せます。枠を取り直すのは月の終わりだけにします。

はまりどころ

長く見込むこと自体に、効き目の裏づけはありません。日数を伸ばした計画が先延ばしの言い訳になれば、回数のほうが落ちます。21日で習慣になるの数字を別の日数に置き換えて信じ直すのも、同じ取り違えです。難しい行動ほど遅かったという向きは読み取れますが、何日という予測にはならず、平均的な日数を新しい正解にしてよいわけでもありません。

確かめられ方

Lally ら 2010 は、96人が84日間にわたって毎日ひとつの新しい行動を記録した観察から、自動化の進み方に大きな個人差があると報告しました。見ているのは各自が選んだひとつの行動で、自動化の度合いは本人の申告です。曲線を当てはめられたのは参加者の一部にとどまり、独立した大規模な再現は少なく、日数を長く見込む構えのほうは比べられていません。

解説動画(海外・英語): How Long Does It Take to Build a Habit? HINT: It's NOT 21 Days/Develop Good Habits

21日はどこから: 動画はまず、21日で習慣になるという言い方の出どころをたどります。1960年、自己像を扱う本を書いた形成外科医が、手術を受けた人が新しい見た目に慣れるまで平均3週間かかったと記した観察が元でした。それが語り手から語り手へ渡って広まり、覚えやすい長さだから残ったのだ、と述べます。

18日から254日: 次に紹介されるのが Lally ら4人の研究です。96人が自分で選んだ行動を、朝食の後のように同じ場面で毎日12週間続け、やれたかどうかを自分で記録しました。考えずにできるところまで来るのにかかったのは18日から254日、ならすと66日ほど。幅の広さがそのまま結果でした。

行動でも人でも: 動画は、水を多めに飲むのと毎朝ジムへ行くのでは難しさが違うと言います。研究者の説明として挙がる要因は三つ。やめたい行動を断つのは同じ引き金に新しい反応を作ることなので、我慢ではなく別の行動に置き換える形にすること。動機が自分の価値観と合っているか。そして新しい行動を作れる心身の側で、長く続けてきた行動ほど深く染みついていることです。

一日抜けても: 同じ研究から、一日抜かしても身についたかどうかには響かなかったという点も紹介されます。一日でも飛ばしたら積み上げが台無しになると思っている人には大きな知らせだ、と動画は言い添えます。習慣づくりは融通のきかない工程ではなく、効いてくるのは長い期間での一貫性のほう。抜けた日の扱いは休む日を織り込むと同じ向きです。

日数を先に決めない: 結びで動画は、ならせば66日あたりだが、行動の種類や価値観との合い方に大きく左右されると言い直します。そのうえで、自分は新しい習慣にどれくらいかかったか、何が難しくしたのかを考えてみるよう視聴者に投げます。何日で自動になるかは自分の状況しだいで、そこを先に決めて自分を測らない構えが、この項目の長く見込むという組み方につながります。