思い出させる仕掛けを外に置く
一日の組み立て
覚えておくのをやめて、目に入る場所に用事を出す
どんな技?
あとでやることを、覚えておくのをやめて外に出します。玄関の扉に貼る、持ち物を靴の上に置く、日時を通知に入れる、どれもその場で目に入るようにする手当てです。書くのは用事の名前だけでよく、置く場所のほうが肝心です。思い出したい場面で視界に入る位置に置ければ、予定を思い出しやすくなります。引き出しの中のメモは手がかりになりません。
なぜ効くのか
予定を保っておくのは作業記憶の負担で、他の作業をしている間に落ちます。外に手がかりを置けば、思い出す仕事を環境の側へ移せます。実験でも、外に預けられる条件では予定の遂行成績が上がりました。同時に人は自分の記憶力を高く見積もり、預けられる場面でも預けない傾向が一貫して見えています。目に入る形になっていれば、思い出そうと構える必要もありません。
やり方
用事が浮かんだらその場で、後で必ず目に入る場所へ出します。日時が決まっているものは通知に入れ、場所と結びつくものは物を置くと分けます。覚えていられそうと感じたときこそ出す側に回すのが、過信の分を埋める使い方です。実行意図と組み、いつどこでやるかまで書いておくと手がかりが具体になります。見落としが続くときは、置く場所を動線の上へ移します。
はまりどころ
出す先が増えると、今度はどこを見れば全部かが分からなくなります。そこは用事の置き場をひとつにするで扱う話です。確かめられているのは予定を思い出せるかまでで、頭が空いて発想が広がるといった効き目は別に確かめる必要があります。作業中に浮かんだ別件を書いて逃がす技は浮かんだ別件を逃がすの担当で、こちらはあとでやる予定に絞った話です。
確かめられ方
Gilbert が2015年に報告した実験では、あとでやる予定を外の環境に預けられる条件で遂行成績が上がりました。Risko と Gilbert 2016 の総説にまとめられており、複数の研究室で再現しています。ただし測られたのは実験室の予定課題で、人が自分の記憶力を過信して外に出す機会を逃す傾向も、あわせて報告されています。