作物図鑑 | オトモアグリ

サトイモ科のいも。旬は9〜12月、育てやすさは「ふつう」。

さといも
写真: Dalgial / CC BY 3.0(Wikimedia Commons)

科

サトイモ科

旬

9〜12月

育てやすさ

ふつう

向く栽培環境

露地

区分

指定野菜

種まき

種いもから育て、育苗する場合は3〜4月にポットで芽出ししてから植えると初期生育がそろいやすい。40〜50g程度の充実した種いもを選ぶ。

植え付け

霜の心配がなくなる4〜5月に、芽を上にして深さ7〜10cmで植え付ける。株間は40〜45cmを目安に、水はけと水もちのよい畑に定植する。

収穫

霜が降りる前の10〜12月が収穫期。葉が黄ばんで枯れ始めたら株元を掘り上げ、親いもの周りに子いも・孫いもがつく。試し掘りで肥大を確かめると失敗しにくい。

日当たり

日当たりのよい露地を好み、生育適温は25〜30℃前後の高温多湿を好む。乾燥に弱いので保水性のある土が向く。

水やり

乾燥に弱く水を多く必要とするため、夏の高温乾燥期はたっぷり水やりし、敷きわらやマルチで土の乾きを防ぐ。

肥料

植え付け前に完熟堆肥と元肥を施し、生育中は土寄せに合わせて6〜7月に2〜3回追肥する。

出やすい病害虫

アブラムシ:モザイク病を媒介するので早期発見して防除し、反射マルチで飛来を抑える ハスモンヨトウ(ヨトウムシ):葉裏の卵塊や幼虫を捕殺し、食害が広がる前に対処する 疫病:高温多湿で発生しやすいので、風通しを確保し発病葉は早めに除去する 乾腐病:連作を避け、健全な種いもを用いて発生を防ぐ

連作

サトイモ科で連作を嫌うため、同じ畑での栽培は3〜4年あける。

品種

作りやすく子いもを食べる「土垂(どだれ)」「石川早生」や、親いもも食べられる「セレベス」「八つ頭」などがある。

主産地

埼玉・千葉・宮崎・愛媛・鹿児島などが主産地で、露地の秋冬さといもが中心。

育て方のコツ

生育適温が高いので早植えを焦らず地温が上がってから植えること、そして夏の乾燥防止(水やり・敷きわら)と2〜3回の土寄せがいもの肥大を左右する。

資料

農研機構・農水省/都道府県栽培暦・JA/農水省e-Stat作物統計

解説動画

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サトイモの上手な育て方(種イモの植え付けから収穫まで完全解説)里芋栽培のコツとポイントが分かる!

概要

種芋の植え付けから収穫までを通しで解説する里芋の総合ガイド。里芋は東南アジア原産の熱帯性作物で高温多湿を好み、乾燥に弱いのが特徴。

用土適応性が高く比較的育てやすい。栽培時期は春から秋で、種芋の植え付けは5〜6月、収穫は植え付けから約6ヶ月後。

収穫前には草丈1m以上、直径70cm以上に広がるため、ある程度のスペースが必要。プランターでも露地でも栽培でき、直まきとポット育苗からの移植の2通りがある。

品種

小芋を食べる品種(石川早生、赤芽、セレベス、土垂など)、親芋を食べる品種(八頭、唐芋など)、葉柄(ずいき)も食べられる品種、親子兼用種など種類が豊富。どれも比較的丈夫だが、栽培地の気候や用途に合ったものを選ぶと質の良い芋が多く採れる。

プランターと土作り

プランターは幅広で深型のものを用意し、1コンテナ1株が基本。増し土をするため深さ30cm以上が育てやすい。

市販の野菜用培養土が便利で、水持ちの良い用土を使うのがポイント。自作する場合は赤玉土3・腐葉土2・バーミキュライトの割合で配合し、用土10Lあたり苦土石灰10〜20gと化成肥料10〜20gを混ぜる。

増し土用の空間を残すため、コンテナには用土を6割程度にとどめる。露地栽培では植え付け2週間前に苦土石灰を1平方mあたり100g施して耕し、1週間前に堆肥2kgと化成肥料100gを入れて畝(幅150cm・高さ10〜15cmの平畝)を立てる。

芽出し・種芋の植え付け

寒冷地や気温の低い時期はポットで芽出ししてから移植すると確実。8℃以下の低温期に長く土中に埋めると腐りやすいためポットで芽出しし、気温が上がってから植える。

種芋はふっくら丸みがあり40〜50gで表面が腐っていないものを選ぶ。芽出しは3月以降にスタートし、発芽まで1ヶ月ほどかかる。

発芽適温は15〜28℃と高温なので室内で保温する。芽出し中は種芋が腐るため水やりは基本不要。

畑への直植えは日中の気温が15℃を超えてから。植え付けは深さ15〜20cmの溝を掘り、種芋を約50cm間隔で並べて芋が隠れる程度に覆土する。芋の向きは問わないが、逆さ・横向きに埋めると芽の出は遅れるものの強い芽だけが伸びて深い位置に小芋がつき、土寄せ回数を減らせる。

苗の植え付け

種芋からが難しい場合は園芸店のポット苗を利用する。植え付けは5〜6月で気温15℃以上になってから。

良い苗は草丈15cm以上、茎が太く葉色が濃く、病害虫の被害がないもの。深さ15〜20cmの穴に、根鉢を崩さないよう苗を置いて茎が埋まらない程度に覆土し、株元を軽く押さえて水やりする。

株間は約50cm、日当たりの良い場所を選ぶ。溝を深めに掘って地面より低い位置に植えると水やり回数を減らせ、成長に合わせて溝に用土を足して小芋のつく空間を確保する。

土寄せ・増し土

収穫までに2回行う。1回目は本葉2〜3枚の頃に厚さ5cm、2回目は本葉5〜6枚の頃に厚さ10cmが目安。

里芋は親芋の上に小芋がつくため土寄せが足りないと小芋が増えてしまう。溝の中に用土をほぐしてから入れる。

高畝の場合は株周りの表土を軽くほぐしてから株元に寄せる。コンテナ栽培は用土が減ってきたら足す。

マルチング・水やり

地温15℃以下では生育が緩慢になるため、寒冷地や春先の低温期はマルチで地温を上げる。雑草対策にもなるが、地温30℃以上になると生育が悪く芋も肥大しなくなるため、夏以降はマルチを外して敷きわらに切り替える(コンテナはピートモスでも可)。

里芋は乾燥に弱く水切れに注意。植え付け後は用土の表面が完全に乾く前にこまめに水やりする。

コンテナは毎朝1回、夏場は朝夕2回、露地は週1〜2回が目安。1回に鉢底から染み出るくらいたっぷり、露地は1株2〜2.5L。

ただし生育初期に与えすぎると茎葉ばかり茂り芋のつきが悪くなるので、芋の肥大が始まるまでは控えめに。肥大が始まってからの水切れは収量激減につながるため水やりは9月まで続ける。高温期は畝間に水を張ると水切れしにくい。

追肥

元肥中心に育て、後期の肥料切れに注意して追肥する。追肥は芋の肥大が始まる前に2回、始まった直後に1回。

1回目は本葉3〜4枚(5月下旬〜6月中旬)、2回目は6月下旬〜7月中旬、3回目は肥大が始まる8月下旬頃が目安で、追肥のたびに土寄せする。生育初期は窒素分の割合が高い肥料で株を大きく育て、2回目以降は根(芋)を肥やすためリン酸の割合が多い肥料に切り替える。

1回あたりコンテナは化成肥料1株5〜10g、露地は1mあたり10〜30g。水やり後に施すと吸収効率が良い。与えすぎは軟弱に育つので適量を守る。

収穫

霜が降りるまでに収穫を終える。遅れると小芋が親芋のように固くなり食味も落ちる。

早生品種は9月頃、その他は試し掘りで小芋の肥大を確認して10月頃から収穫。見た目では地上部が初霜に当たって萎れ枯れ始めた時が目安。

地上部を刈り取り、株元から30cmほど離してスコップを入れ、周りの用土をほぐしてから手で掘り上げる。里芋は高温性で8℃以下になると芋が腐るため、霜が降りたら早めに収穫を終え、収穫後も8℃以下にならないよう新聞紙に包んで発泡スチロールなどに入れ室内保存する。

病害虫対策

主な病気はモザイク病、疫病、汚斑病など。原因は日当たり不良、株元の混み合いによる風通しの悪さ、極度の乾燥、水不足など。

予防には感染した種芋を使わない、日当たりの良い場所で育てる、適正な株間の確保、水持ちの良い土作りを心がける。害虫はセスジスズメ、ネグサレセンチュウ、コガネムシ、アブラムシ類、ハスモンヨトウ類など。

大きくなる前・数が増える前の早期駆除が大切で、葉裏をよく観察し卵や幼虫を見つけたら捕殺する。残渣や落ち葉はこまめに撤去し、混み合ったら適宜間引いて風通しを良くする。

こまめな除草も有効。自力駆除が難しくなる前に薬剤の使用も検討する。

出典: 野菜作りの教科書 Vegetable Beginners Guide(YouTube)で動画を見る ▶