ワイドグリップチンニング

背中

背中の横幅を狙う広めグリップの懸垂

効く筋肉

広背筋の上部外側と大円筋に負荷が集まり、脇の下から背中が横へ張り出すラインを作ります。肘の曲げ幅が小さいぶん上腕二頭筋の助けが減るため、背中だけで引く感覚をつかみやすいのが特徴です。

やり方

肩幅の1.5倍ほどの位置を順手で握り、胸を軽く張ったまま鎖骨をバーへ向けて引き上げます。可動域は通常の懸垂より狭くなるので、上で肩甲骨を寄せ切って1秒止めることで刺激を確保します。4〜8回を3セットが目安です。

フォームの注意

広く握るほど肩関節の角度が厳しくなり、肩の前側に痛みが出やすくなります。首を前へ突き出して顎だけを越えさせても意味がないので、胸から迎えにいってください。下ろすときも完全に脱力しないで、肩甲骨のコントロールを残します。

バリエーション・代替

きつい場合はラットプルダウンをワイドグリップで行い、角度に慣れてから自重へ移ります。肩に違和感が出る人はパラレルグリップチンニングに替えると負担が軽くなり、痛みが続くようなら医療者に相談してください。

解説動画: 懸垂で広背筋に効かせる握り方と手幅/今古賀翔【トレーニング科学】

握り方と手幅: バーは小指側を強く握る。親指と人差し指で強く握って小指側が握れていないと肩関節を外旋しにくく、背中に負荷が乗らない。手幅は肩幅より拳1つ分ほど広めが標準。これより狭いナローグリップは三角筋後部と上腕三頭筋に負荷が逃げやすく、ワイドグリップは広背筋により負荷が集中する。逆手のアンダーグリップは上腕二頭筋に集中する。

スタート姿勢の作り方: バーを握ったら、まず肩関節を外旋させる。腕を外にひねって肘を内側に入れるような動きで、同時に肩甲骨を下げる。こうすると自然に胸が張れ、この胸を張った状態が懸垂のスタート姿勢になる。

引き方: 広背筋は上腕骨から胸・腰椎にかけてついているので、バーを体へ引きつけるのではなく、上腕骨あるいは肘を腰にぶつけるような意識で引くと背中をより使える。胸を張ったまままっすぐ上がり、まっすぐ下ろす。胸が張れていない、軌道が斜めになる、足の勢いを使う、肩を上げたまま腕だけを上下させる、といった動きでは広背筋に力が入らない。

重量設定の目安: 懸垂の目標はベンチプレスと同じ重量を扱えるようにすることだとしている。体重80kgでベンチプレス100kgを5回挙げるなら、20kgを加重して総重量100kgで5回懸垂できるようにする、という考え方である。大胸筋など前側が強すぎると肩が前に出て猫背の原因になるため、背中も鍛えて姿勢と筋力のバランスを整える。