ワンハンドラットプルダウン

背中

器具: ケーブル / 難易度: 中級

ワンハンドラットプルダウンは、片手で引いて広背筋の左右差を確かめる種目

効く筋肉

広背筋と大円筋が主役で、片手で引くぶん肩甲骨を大きく下げたところから引き切るまで動かせます。Ben Yanes(YouTube チャンネル)は、この引き方では広背筋の最も低い線維にいちばん負荷がかかると説明しています。体が横へ流れないよう腹斜筋(外腹斜筋・内腹斜筋)も働きます。片側ずつ動かすので、両手では見えにくい左右差を確かめられます。

やり方

Leo Fanner はケーブルを頭の高さに合わせると説明し、Ben Yanes は前腕とケーブルを平行に保つことを挙げています。Ben Yanes は、手を肩のほうへ引くと腕の筋肉が働きやすいため、肘と脇の下を床へ向けて動かす意識を勧めています。Leo Fanner は、肘を真下へ、やや後ろへ半円を描くように引き、肘が脇腹に着いたところで1秒止めると説明しています。片側10〜15回を2〜3セットが目安です。

フォームの注意点

ハンドルを胸へ引くと、Leo Fanner は腕の運動になって広背筋が効きにくくなると述べています。Ben Yanes は、上端で腕を前上へ伸ばし、脇の下がケーブルのほうへほぼ届くまで動かすと広背筋を十分に伸ばせると説明しています。Leo Fanner は、伸びきった所で弾ませるのがいちばん多い失敗だとし、一瞬止めてから引くよう勧めています。

バリエーション・代替種目

Leo Fanner は、ベンチに座ると体幹が安定して重い重量を扱いやすいと説明しています。腕が長い人は、Ben Yanes のように膝立ちで片側に寄ると、下で重りが当たらず十分に伸ばせると述べています。両手で握りや体の傾きを変えた7通りの比較(Buonsenso ら、2025)でも、広背筋の筋電図に有意差は出ませんでした。両手で重量を伸ばす日はラットプルダウンへ切り替えます。

出典

  1. 論文・英語 Buonsenso A, Di Fonza D, Di Claudio G, Carangelo M, Centorbi M, di Cagno A, Calcagno G, Fiorilli G(2025) Electromyographic Analysis of Back Muscle Activation During Lat Pulldown Exercise: Effects of Grip Variations and Forearm Orientation
  2. 動画・英語 Ben Yanes How To: Single Arm Lat Pull-Down
  3. 動画・英語 Leo Fanner Single Arm Lat Pulldown: The OVERLOOKED Technique

解説動画: 広背筋を狙う背中トレ。山本義徳先生に教わるワンハンドラットプルダウン/山澤礼明【筋肉チャンネル】

両手より大きく動かせる: 動画は両手で行う一般的なプルダウンについて、動かせる範囲が狭いと切り出し、その場で動かして見せます。片手に持ち替えると腕で円を描くように動かす意識が持てて、伸びきった位置から引ききるところまでを一続きで通せます。ここからは教える側が構えや引き方をその場で直しながら、片手ならではの動かし方を一つずつ確かめていく流れになります。

マシンには横向きに座る: 構えはマシンに対して横を向いて座る形です。座り方でつまずくくらいなら、少し浅めに腰かけて引くほうがよいと言います。片手で引くと体そのものが動いてしまうので、反対の手でどこかを押さえて上体を固定し、引く側だけを動かすようにします。押さえる場所は決まっておらず、動かないようにできていれば構わないという説明です。

肩を上げてから引き下ろす: 引き始めはいったん肩を上げて広背筋を大きく伸ばすところから入ります。そこから肩を落としながら骨盤のほうへ引きつけていくのが動作の中身です。骨盤のところまで引きつけられると背中を広く使えると述べ、広背筋を伸ばす局面と縮める局面が一回の動作の中でつながります。

後ろへ引くのが難しい: 引く方向は体の前ではなく後ろです。実演した側も後ろへ持ってくるのは想像以上に難しいと漏らし、思ったところまで引きつけきれないと話します。前に引く形でやっている人は見かけても、ここまで後ろへ引く形はまず見かけないとも言い、やったことのない人がほとんどだろうと付け加えます。背中への新しい刺激として試してほしいと勧めています。

ストラップで背中に集中: 握りにはストラップやパワーグリップを使います。握力を使わないぶん背中に集中でき、狙った場所に効かせやすくなるからです。以前は握力を鍛えるために外していたそうですが、いまは最初から着けていると話します。握り続けて伸びるのは握力の持久力のほうで、握力そのものを鍛えたいなら重いものを短い時間だけ支える形になる、と整理します。