ワンハンドダンベルロー

背中

器具: ダンベル / 難易度: 初級

ワンハンドダンベルローは、片手ずつ丁寧に引ける背中の定番

効く筋肉

広背筋を中心に大円筋と僧帽筋中下部が働きます。片側ずつ行うぶん可動域を大きく取れるので、左右の筋力差や動きの癖を直しやすいのが利点です。体をひねらせない腹斜筋の働きも加わります。カナダ・ウォータールー大学のチームが健康な男性7人(平均27歳)で行った実験では、支えの無い立位で片手だけで引くローを両手のベントオーバーローや懸垂に近いインバーテッドローと比べたところ、片手で引く種目だけ外腹斜筋の活動がはっきり高く、体幹のひねり角度も最大可動域の67.7%に達して両手の種目(19〜25%ほど)を上回ったと報告している。ベンチで体を支えるワンハンドダンベルローと条件は異なるが、片手で引く動作そのものが体幹の回旋を止める腹斜筋の働きを強く要求するという点は共通する。

やり方

ベンチに片手と片膝をつき、背中を床と平行に近づけます。ダンベルを真下へ下ろして広背筋を伸ばし、肘でわき腹をこするように腰の横まで引き上げます。上で1秒止めてから2秒かけて下ろし、片側10〜12回を3セット行います。

フォームの注意点

上体を大きくひねって持ち上げるのは腰椎の回旋に負担が出るうえ背中の緊張も抜けます。肩を耳へ近づけず、引き始めに肩甲骨から動かすことを意識してください。首だけを持ち上げると背中が丸まりやすくなります。

バリエーション・代替種目

ベンチがなければ片手をラックやダンベル台に置いても行えます。両手同時にするとベントオーバーローに近づき、負荷を落として回数を稼ぎたいときはチェストサポーテッドローが扱いやすい選択です。ATHLEAN-Xを運営する理学療法士のジェフ・カバリエイ氏は、片膝をベンチに乗せる定番の姿勢は骨盤に左右差のある荷重がかかり、重量が上がるほど鼠径部への負担や体幹の回旋につながりやすいと指摘し、インクラインにしたベンチへ上体を預け両足を床につけたまま引く方法を代案として挙げている。

出典

  1. 論文・英語 Fenwick CM, Brown SH, McGill SM(2009) Comparison of Different Rowing Exercises: Trunk Muscle Activation and Lumbar Spine Motion, Load, and Stiffness
  2. 動画・英語 ATHLEAN-X™ STOP F*cking Up Dumbbell Rows (PROPER FORM!)

解説動画: ダンベルローイングの引く角度と内旋のかけ方/VALX 山本義徳 筋トレ大学

概要:バーベルのローイングとの違い: どちらか一つを選ぶならダンベルローイングを勧める。ベントオーバーの前傾姿勢を取るだけでかなりの労力と神経を使い、背中の筋肉に集中しにくいうえ、バーベルは重量が伸びるぶん腰の負担も高くなるため。ダンベルはしっかりストレッチをかけられる一方、重くなるとダンベルが体に当たって引き切れないので、収縮はバーが胸に着くまで引けるバーベルのほうがかけやすいという違いがある。

腰骨へ斜め後ろに引く: 垂直に引くやり方が多いが、それでは肩甲骨を開いたり寄せたりする動きが主になって僧帽筋が使われ、肘が深く曲がるぶん上腕二頭筋や肩の後ろにも効く。背中を狙うなら肩の伸展方向、つまりダンベルを腰骨のほうへ斜め後ろに引く。この引き方だとトップで肘があまり曲がらず肩甲骨も寄らないため、腕や肩の後ろ、僧帽筋への刺激が減って広背筋への刺激が強くなる。

上げながら内側にひねる: 外旋しながら上げる人がとても多いが、それでは広背筋があまり使われず僧帽筋のほうへ逃げる。広背筋の機能には内旋が含まれるため、スタートで親指が前、上げながら手の甲が前を向くように内側へひねる。斜め後ろに引く動きと内旋を組み合わせると、トップで広背筋の収縮を感じられる。

3/7法と回数: 特に勧めるバリエーションが3/7法で、3回引いたらストレッチした状態で15秒静止し、次は4回、5回と1回ずつ増やして7回まで行う。軽い重量でも強く効かせられる。高重量で行う日は5〜6回、軽い重量なら15〜20回を目安にする。

プログラム内での置き所: 片方ずつ行う種目は両手同時のバーベルローより疲れるので、最初に持ってくると後の種目ができなくなる。背中のプログラムの後半に入れたほうがやりやすい。ストレッチが十分にかかる種目なので、ダンベルローイングでストレッチをかけ、収縮は別種目に担当させる。ストレッチ系2セット+収縮系を別種目で2セット、片側2セットずつで背中は十分刺激できる。