ラックプル

背中

器具: バーベル / 難易度: 中級

ラックプルは、膝上から引くトップ重視のデッドリフト

効く筋肉

僧帽筋と脊柱起立筋、広背筋が強く働き、立ち切る局面では殿筋も締まります。米国の大学の研究チームが、レスリング部員18人で膝のすぐ上から引く部分可動域デッドリフト(ラックプルと同じ形)と通常のデッドリフトの1RMを比べたところ、平均226kgと192kgで、短い可動域のぶん重い重量を背中の上部にかけられます。バーを保持し続ける握りには前腕屈筋群も強く働きます。

やり方

パワーラックのセーフティを膝のすぐ下か上に合わせ、そこへバーを乗せます。腰幅に立ち、つま先を軽く外へねじって股関節を安定させてから肩幅よりやや外を握ります。海外のトレーニング系チャンネル Buff Dudes Workouts は、胸を張って腹圧をかけ、脚と股関節でまっすぐ押し上げ、立ち切ったところで殿筋を締めると説明している。5〜8回を3セット行います。

フォームの注意点

重さに任せて背中を丸めると短い可動域でも腰への負担は大きくなります。バーから離れて立ち膝を前に出すとスクワットのような動きになり太もも前面に逃げます。Bret Contreras Glute Guy(YouTube チャンネル)は、バーのすぐ近くに立ってすねを垂直に保ち、股関節だけを後ろへ引くと、デッドリフトの動きに近づくと説明している。握力が先に限界を迎えるならリストストラップを使う場面です。

バリエーション・代替種目

セーフティを下げるほど通常のデッドリフトに近づき、高さで自分の弱点に合わせられます。可動域を比べた6件のレビュー(Schoenfeld・Grgic、2020)は、下半身では可動域を目一杯使ったほうが筋肥大に有利だったと報告しており、重量を伸ばせても背中の成長が比例して増えるとは限りません。股関節の伸展を鍛えたい日はルーマニアンデッドリフト、背中の厚みを狙うならベントオーバーローと組み合わせます。

出典

  1. 動画・英語 Buff Dudes Workouts Rack Pulls | Lower Back | How-To Exercise Tutorial
  2. 動画・英語 Bret Contreras Glute Guy Rack Pull Instructional Video
  3. 論文・英語 Gillingham B, Bishop A, Higa GK, Adams KJ, DeBeliso M(2023) The Relationship Between Partial and Full Range of Motion Deadlift 1-Repetition Maximum: A Technical Note
  4. 論文・英語 Schoenfeld BJ, Grgic J(2020) Effects of range of motion on muscle development during resistance training interventions: A systematic review

解説動画: ハーフデッドリフトを背中の種目として使う前に考えること/ジュラぬき

概要: パーソナルで背中のメニューを聞くと、今はハーフデッドを入れている人がとても多いという。しかし股関節を使って動かすとすぐストッパーに当たってしまうため、重さはいくらでも扱えても、背中のトレーニングとしての必要性はあまり感じないというのが解説者の立場。

勧めているやり方: 同じセーフティバーを使うなら、セーフティをしっかり付けたうえで、背中全体を少し丸めながらストレッチをかけ、背中だけで引くやり方を勧めている。股関節の動きで持ち上げるのか、背中の動きで引くのかが分かれ目になり、後者であれば背中の種目として成立するという考え方。

フルのデッドリフトについて: フルのデッドリフトは足・ハム・尻・背中・腰を使う全身運動で、背中のトレーニングとして意味がないわけではない。ただしどこを引いているのかがぼやけてしまううえ、腰を痛めるリスクを負ってまで背中の種目として必要かというと必要性を感じなくなったとして、解説者自身は20代を最後にやらなくなったと話す。

それでもデッドの動作は身につける: 一方で、デッドリフトができないとトレーニングのレベルがなかなか上がってこないとも述べる。重いものを持ってハムと尻で支え、腰が丸まらない状態を作れることは、ベントオーバーローイングやマシンのローイングの姿勢作りに直結する。デッドリフトを綺麗にできる女性はお尻がしっかり発達する例も挙げ、背中の種目としてではなく基本の体の使い方として必要だとまとめている。