ウォーキングランジ

脚・尻

器具: ダンベル / 難易度: 中級

ウォーキングランジは、歩きながら片脚を連続で追い込む種目

効く筋肉

前へ進み続けるので片脚で支える時間が長く、大殿筋とハムストリングスの働きが大きくなります。着地のたびに骨盤を支える中殿筋も使われ、筋力と心肺の両方に刺激が入る構成になります。訓練経験のある女性12人を対象にした研究では、大殿筋の活動が静止ランジの約31%MVICに対しウォーキングランジは約58%MVICと高く、上体を前傾させると脊柱起立筋の活動も約2倍に増えたと報告されています。

やり方

ダンベルを両手に持ち、前脚を大きく踏み出して後ろ膝が床に触れる手前まで沈みます。そのまま後ろ脚を前へ運び、止まらずに次の一歩へ進みます。10〜15メートル、または左右10歩ずつを3セット、セット間は90秒が目安です。Kelly Matthews(トレーナー)は、歩幅を短めにして後ろ膝が軽く床に触れる位置で止め、前脚に体重を残したまま次の一歩へ踏み出すと動きをつなげやすいと説明しています。

フォームの注意点

歩幅が狭いと膝が前へ出て膝蓋腱に負担が集中します。着地は足裏全体で行い、上体は前へ倒さず垂直に保つことが重要です。ふらついたら重量を下げ、まず一歩ずつ止まって動作を安定させます。熟練アスリート5人の研究では、沈み込む局面で大腿四頭筋とふくらはぎが遠心性に力を発揮し、ハムストリングスは伸び縮みせず支えていたと報告されています。Kelly Matthewsは、踏み出す足を股関節の真下にそろえるよう勧めています。

バリエーション・代替種目

スペースがない場所では元の位置に戻るランジに切り替えます。強度を上げたい場合はダンベルを胸の前で1つ抱えるか、後ろ脚を台に乗せるブルガリアンスクワットへ移り、片脚あたりの負荷を上げる方向に組み替えます。反対に、後ろへ下がりながら連続して踏み込むバックウォーキングランジは着地の衝撃が小さく、膝に不安がある日の代替として使えます。バーベルを担いで行えば、さらに重い負荷を連続歩行の形で扱えます。

出典

  1. 論文・英語 Bezerra ES ほか(2021) Influence of Trunk Position during Three Lunge Exercises on Muscular Activation in Trained Women
  2. 論文・英語 Jönhagen S, Halvorsen K, Benoit DL(2009) Muscle activation and length changes during two lunge exercises: implications for rehabilitation
  3. 動画・英語 Kelly Matthews HOW TO DO A DUMBBELL WALKING LUNGE | Coach Kelly Cues

解説動画: ランジは踏み込み方で変わる:下方向のベクトルを作る/Training Lounge【中野崇】

概要: ランジは立った状態から一歩前に踏み出す基本種目で誰にでもできる動きだが、やり方を間違えると膝の痛みや腰痛が出て、パフォーマンスがむしろ落ちる方向に進む。よくない動きとして、踏み出したときに膝が前に出る、止まってはいるが前ももが固まっている、膝が内や外に流れる、の3つを挙げている。

前と下、2つのベクトル: 踏み出す動作では前方向と下方向のベクトルが同時に生まれる。膝が前に出る人は前方向が大きく下方向が弱いため、バランスを崩して前へ流れている。力で止められる人でも、下方向が弱ければ前へ出る力そのものは発生してしまう。修正はこの2つのバランスを整えるだけで、踏み出した足を強く下へトンと叩きつける。

接地は足裏全体で: かかとから着地すると回転が起きて前方向のベクトルがさらに大きくなるので、足裏全体がフラットに地面へ当たるように踏み込む。しっかり叩きつけられれば裏ももが働く。叩きつける力が足りなかったりタイミングが遅れたりすると、膝が前に出る動きになってしまう。

幅と後ろ足の扱い: 膝が内や外に流れる人は、いきなり力で止めようとせずまず足幅を狭くして踏み出し、崩れない範囲で練習する。広げていくと必ず怪しくなるゾーンがあるので、最初から広くしないほうがよい。後ろ足は後ろ膝を床に落とさないやり方を勧めている。落とすと股関節の前が突っ張って骨盤が止まり、そこから腰を回す動きが非常にやりにくくなるためである。踏み出した後に上へ力を伝えたい競技動作では、裏ももが働き骨盤が回りやすい形を選ぶとよい。