カーフレイズ

脚・尻

段差ひとつで行えるふくらはぎの定番

効く筋肉

つま先立ちの動作で、ふくらはぎの下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)が働きます。膝を伸ばした立位では表層の腓腹筋の関与が大きく、その奥のヒラメ筋も同時に使われます。足首の安定にもつながる動きです。

やり方

段差の縁に母趾球を乗せ、かかとを段差の下まで落とします。かかとを落とした位置から限界まで上げる全可動域を使い、上で1秒止めます。15〜20回を3セット、セット間は60秒、下で一度止めてから上げます。

フォームの注意

反動で弾むように上下すると腱に負担が集中し、アキレス腱の痛みにつながります。1回ごとに下で止め、ゆっくり伸ばしてから上げるようにします。親指側だけで蹴らず、足裏を均等に使います。

バリエーション・代替

片脚で行えば自重でも十分な負荷になります。膝を曲げて座って行うシーテッドカーフレイズと組み合わせると、ふくらはぎの表層と深層を両方カバーできます。

解説動画: カーフレイズの2種類と、ふくらはぎを大きくする刺激の与え方/VALX 山本義徳 筋トレ大学

概要: カーフレイズは膝を伸ばして行うスタンディングと、膝を曲げて行うシーテッドの2種類に分かれる。膝を伸ばすと腓腹筋、膝を曲げるとヒラメ筋に効くため、ふくらはぎ全体を大きくしたい人はシーテッドも取り入れるとよい。逆に足首の下の方まで太くしたくない人は、シーテッドをやらずスタンディングだけに絞る、という使い分けを説明している。

片足で行う理由: スタンディングは片足ずつのワンレッグで行うのを勧めている。片足だとバランスを取る必要が生まれ、その分だけ多くの筋線維が動員されるためである。スミスマシンやパワーラックの支柱に体を預け、片足だけで踵を上げ下げする形で行う。

日常にない刺激を与える: ふくらはぎは歩く・立つといった日常動作で常に使われているので、日常生活では得られない種類の刺激を与える必要がある。具体的には、しっかり伸ばすストレッチ、ゆっくり下ろすネガティブ、パンパンになるまで回数を重ねるケミカルな刺激を使い分ける。ヒラメ筋は遅筋が多いから高回数でよいと思われがちだが、普段から体重を支えている以上、自分の体重を超える負荷をかけないと反応しないとも述べている。

実演したやり方: 片足で踵を上げ切ったところで1秒止め、4秒かけてゆっくり完全に伸ばす下ろし方を10回、反対脚は回数を重ねるやり方で行っている。同じ種目でも脚ごとに刺激を変える構成である。翌日は歩けなくなるほどの筋肉痛が出やすいと繰り返し注意している。

プログラムへの組み込み方: スクワットなど脚のトレーニングの最後に締めとして行うのが一般的だが、ふくらはぎを重点的に伸ばしたい人は一番最初に持ってきてもよい。ただしカーフを先にやるとその後のスクワットがきつくなるので、脚の日ではなく胸や肩の日に組み込む形でプログラムを作るとよい。刺激は分けるのがよく、週1回は高重量、週1回は軽めで回数を多くしたケミカルな刺激という配分を挙げている。レッグプレスで両足で上げて片足で下ろすネガティブなど、時折とても重い負荷を扱うのも勧めている。

解説動画(海外・英語): How To FORCE YOUR CALVES To Grow With Smarter Training Methods/Jeff Nippard

ふくらはぎは2つの筋肉。膝の角度で狙いが変わる: カーフレイズは足首の底屈(つま先を下へ向ける動き)で、2つの筋肉を使う。2つの頭を持つ腓腹筋と、その下にあって実はより大きいヒラメ筋。ここで大事なのが、腓腹筋は足首と膝の両方をまたぐ二関節筋なので膝を曲げる働きもあり、レッグカールでも働くという点。逆にヒラメ筋は足首しかまたがないので、膝を曲げたカーフレイズ(シーテッド)はヒラメ筋、膝を伸ばしたカーフレイズはより腓腹筋に寄る。どちらも底屈すれば働くので、伸ばした形と曲げた形の両方をメニューに入れるのが理にかなう。なおスクワットやデッドリフトでも底屈は起きるが可動域がごく小さいので、直接鍛えないと成長しきらない。バリエーションでは6種を比べた独立系のEMGデータで、ドンキーカーフレイズの活動が最も高かった(スミスマシンで簡単に組める)。片脚カーフレイズは左右差を防ぐのに向く。

回数:重い日と軽い日を分ける: 最近の証拠では腓腹筋もヒラメ筋も遅筋(タイプ1)優位とされ、高回数の恩恵がある。一方で足首を全可動域で動かせて、力学的に強い位置で行える種目でもあるので低回数の筋力仕事も外したくない。そこで重い日は6〜12回、軽い日は12〜20回と分けるのが最も合理的、としている。ただしカーフレイズは極端にごまかしやすい種目なので、重量よりフォームを優先する。

セットアップと、いちばん重要な「底での静止」: まず自重だけで1〜2セット、全可動域を通して足首をほぐし、効いている感覚を作る。底で完全に伸ばせるよう、スミスマシンならプレートや台の上に立つ。つま先の向きは2011年の研究では外に開くと腓腹筋の内側の活動が増えるとされたが、その後の研究では足の向きによる差は有意でなかったので、まっすぐか、わずかに開くか、楽なほうでよい。母趾球を台の縁に乗せて、可動域を出し切る。動作前に大腿四頭筋を意識的に締める。これで膝が完全に伸びて腓腹筋に集中でき、同時に脚で重量を押し上げるごまかしも防げる。底ではルーマニアンデッドリフトのハムのように、引き裂かれるような伸びを感じる状態が正解。そこからつま先を地面へ押し込み、肩をパッドへ押し上げる(肩はすくめない)。トップで1〜2秒止めて強く締め、2秒かけて下ろす。そして最重要なのが底で、伸びた位置から跳ね返すと、弾性の高いアキレス腱が仕事を引き受けてしまい、筋肉の出番が減る。底で1〜2秒、頭の中で「1・2」と数えて必ず止める。

最も多い失敗と、シーテッドの注意: 圧倒的に多いのが可動域を使わないこと。上げと下ろしのあいだを弾ませ、腱の反射で半分ほどまで上がり、あとは抵抗せず落とすだけ——これは最悪の鍛え方で、追い込んでいるように見えて働いているのは筋肉ではなく腱。動作を遅くし、伸びた位置で止まることに慣れ、各局面で1〜2秒を口または頭の中で数える。次に多いのが重すぎることで、これができていないなら自重だけから始めて型を作る。シーテッドカーフレイズも原則は同じだが、ヒラメ筋はさらに遅筋優位なので回数を少し多めに。握力で押し上げたり、上げる際に上体を後ろへ倒して反動を作らない。作者はわずかに後ろへもたれてシートの縁を掴むことで、その誘惑を抑えている。