税と制度図鑑
特定口座(源泉徴収あり)(口座の種類)
証券会社が税金を計算して、引いて、納めてくれる。証券会社が売買のたびに損益を計算し、利益が出たらその場で税金を差し引いて、代わりに納付してくれる口座です。年間の損益もまとめてくれるので、原則として確定申告が不要になります。投資を始めるときの既定の選択肢と考えて構いません。
特定口座(源泉徴収なし)(口座の種類)
計算はしてくれる。納めるのは自分。証券会社が年間の損益を計算して年間取引報告書を作ってくれるところまでは同じですが、税金は引かれません。自分で確定申告して納めます。
一般口座(口座の種類)
計算も申告も、全部自分でやる。損益の計算をすべて自分で行う口座です。取得価額・売却価額・手数料を1件ずつ記録し、譲渡所得を算出して申告します。今からあえて選ぶ理由はほとんどありません。
NISA口座(口座の種類)
1人1口座。利益に税金がかからない器。この口座の中で買った商品から生じた売却益と配当・分配金が非課税になる制度です。2024年から現在の形になり、非課税で持ち続けられる期間の制限が無くなりました。1人1口座で、金融機関は年単位で変更できます。
NISA つみたて投資枠(非課税の器)
金融庁の基準を通った商品だけを、積み立てで。毎月などの定期的な買付に限って使える非課税枠です。対象商品は、長期・積立・分散に適していると金融庁が基準を定めた投資信託・ETFに絞られています。年間の枠は120万円です(制度改正で変わりうるため、最新は金融庁で確認してください)。
NISA 成長投資枠(非課税の器)
個別株もETFも、まとめて買える枠。個別株・ETF・J-REIT(不動産投資信託)・多くの投資信託を、積立でも一括でも買える非課税枠です。年間の枠は240万円で、つみたて投資枠と併用できます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)(非課税の器)
税が3回効く代わりに、60歳まで出せない。自分で掛金を出して運用し、原則60歳以降に受け取る私的年金です。掛金の全額が所得控除になり、運用益も非課税、受け取り時にも控除があるという、税制上の優遇が3段階で効く仕組みです。
企業型DC(企業型確定拠出年金)(非課税の器)
会社が出してくれている、自分の年金。会社が掛金を拠出し、運用する商品は従業員が自分で選ぶ年金制度です。運用の結果がそのまま将来の受取額になります。入社時に説明を受けたきり、中身を確認していない人が非常に多い制度でもあります。
非課税枠の再利用(非課税の器)
売れば、枠は翌年に戻ってくる。現行のNISAでは、保有商品を売却すると、その商品を買ったときの金額(簿価)のぶんだけ、翌年以降に非課税枠が復活します。以前の制度には無かった仕組みで、使い方の自由度を大きく変えました。
譲渡益課税(約20%)(税金の計算)
もうけの2割は、先に決まっている取り分。上場株式や投資信託を売って得た利益にかかる税金です。所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%の合計で、給与などと合算せずに、この部分だけで税率が決まります(申告分離課税)。
配当課税と配当控除(税金の計算)
受け取り方を選べる、数少ない場面。配当金には約20%が源泉徴収されます。ただし確定申告をする場合、申告分離課税か総合課税かを選べます。総合課税を選ぶと配当控除という税額控除が使え、課税所得が低い人ほど有利になることがあります。
損益通算(税金の計算)
損と利益をぶつけて、税金を減らす。同じ年の中で、ある取引の損失と、別の取引の利益を相殺して、差し引きの利益にだけ課税してもらう仕組みです。上場株式等の譲渡損失は、配当所得とも通算できます。
繰越控除(3年)(税金の計算)
今年の損は、来年以降の利益から引ける。その年に相殺しきれなかった上場株式等の譲渡損失を、翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来の利益から差し引ける制度です。
外国税額控除(税金の計算)
二重に取られた税を、取り戻す。外国株式の配当は、まず現地の国で源泉徴収され、その残りに対して日本でも課税されます。同じ配当に2か国が課税している状態で、この重複を調整するのが外国税額控除です。
取得単価(平均取得価額)(税金の計算)
いくらで買ったことになっているか。同じ銘柄を何回かに分けて買うと、買うたびに平均が計算し直されます。売却時の利益は、この平均取得価額を基準に計算されます。総平均法に準ずる方法と呼ばれる決まった計算方式が使われます。
確定申告が必要になる場合(手続き)
したほうが得なとき、しないといけないとき。投資に関して申告が必要なのは、一般口座や源泉徴収なしの特定口座で利益が出たとき、FX(外国為替証拠金取引)や暗号資産で一定額以上の利益が出たときなどです。一方、申告が必須ではないが、したほうが有利な場面もあります。
年間取引報告書(手続き)
1年ぶんの成績と税金が、1枚に載っている。特定口座を持っていると、証券会社が翌年1月ごろに発行する書類です。1年間の譲渡損益、配当等の額、源泉徴収された税額がまとめられています。
金融機関の変更(手続き)
変えられるが、タイミングに制約がある。NISA口座は1人1口座ですが、年単位で金融機関を変更できます。iDeCo(個人型確定拠出年金)も運営管理機関を変更できます。どちらも手続きに時間がかかります。
特定口座への受け入れ(手続き)
一般口座の株を、計算してもらえる側へ移す。一般口座や、他社に預けてある株式を、特定口座へ移す手続きです。移せれば以後の損益計算を証券会社に任せられます。
iDeCoの受け取り方(受け取り方)
出口の選び方で、手取りが変わる。iDeCo(個人型確定拠出年金)の資産は、一時金(まとめて)、年金(分割)、またはその併用で受け取ります。どれを選ぶかで使える控除が変わり、手取りが数十万円単位で変わることがあります。
普通分配金と元本払戻金(受け取り方)
同じ分配金でも、中身は2種類ある。投資信託の分配金は、自分の個別元本を基準に2つに分かれます。個別元本を上回る運用の成果から出た部分が普通分配金(課税対象)、それ以外の部分が元本払戻金(特別分配金)で、これは自分が預けたお金が戻ってきているだけなので非課税です。
相続と証券口座(受け取り方)
残された人が、いちばん困る手続き。口座の名義人が亡くなると、その口座は凍結され、売買できなくなります。相続人が手続きをして、自分の口座へ移管してから売却する流れになります。現金化してから分けることはできません。